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Vol.29事例:ポーラ デジタルとクリエイティブの融合で顧客体験を向上 販売チャネルの垣根を越えた
「One POLAモデル」が目指す世界

販売チャネルの垣根を越えた顧客体験価値の向上を目指し、取り組みを進めているポーラ。電通デジタルが実施する早稲田大学の寄附講座では、同社が支援するポーラのマーケティングDXの取り組みが紹介された。登壇したポーラの顧客戦略部 部長である中村俊之氏と、電通デジタルの桑山晃一氏が、講義を行った早稲田大学にて改めて対談した。

顧客と深いつながりを持つ
ポーラの強みを生かす

電通デジタル・桑山晃一氏(以下、桑山)大手化粧品メーカーとして知られるポーラで、中村さんは顧客戦略部を統括されています。この部門では、どのようなミッションを掲げているのでしょうか。

ポーラ・中村俊之氏(以下、中村)まさに、国内事業の顧客戦略ならびに販売戦略の企画・運用を担う部門となります。当社は、ポーラのお店(サロン)・百貨店様のポーラコーナー・ECという3つの販売チャネルを国内に持っていますが、こうした販売チャネルを横断して、いかにお客様により良い顧客体験を提供していくかが、我々のミッションです。それを実現する手段として、OMO(Online Merges with Offline)発想でのマーケティング推進や、マーケティング領域のDXなどが業務の中に含まれています。

桑山単にデジタルマーケティングやDXを遂行するだけでなく、複数のチャネルを統合した顧客体験の構想や実現を担う組織ということですね。中村さんは、化粧品とは全く畑の違う業界からポーラに入社されたとお聞きしました。なぜ、ポーラを選ばれたのでしょうか。

中村ポーラには「Science. Art. Love.」というブランドメッセージがあります。商品力が高いだけでなく、ブランドとしての強い信念を持っており、そのフィロソフィーに共感しました。そして、お店を通じたダイレクト販売によって、お客様との深い関係性が脈々と築かれているのも大きな魅力でした。これらを起点に、デジタルが当たり前の世界でマーケティングを進化させていけば、独自性が高く、かつ理想的なOne to Oneマーケティングが実現できるのではないかと思ったのが入社のきっかけです。

中村 俊之氏

中村 俊之

株式会社ポーラ
顧客戦略部 部長

新卒でコニカミノルタに入社。計測機器事業の営業、販売企画、新規事業立ち上げを経て、企業ブランディングとグローバルのウェブ統括を担当。2018年にポーラ入社。CRM推進、EC事業管掌を経て、現在は国内横断での事業・顧客戦略を担当し、事業モデルの変革に取り組んでいる。19年より日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構の代表幹事、23年より日本アドバタイザーズ協会 理事に就任。

桑山確かにポーラの持つお客様との強いつながりは、One to Oneマーケティングを実践する上で、非常に魅力的です。そうした中でデジタル化を進めるにあたり、どのようなチャレンジすべき課題があったのでしょうか。

中村国内にポーラのお店は約2700カ所あり、また全国有名百貨店様など83店舗でポーラコーナーを展開しています。こうしたダイレクトビジネスとECがある中で、デジタルを生かしてできることは、非常に伸びしろがあると考えています。ただ、EC専業ではない分、データの整合性をどう取るのか、業務のオペレーションをどう変えるのかなども含めて、現状のシステムの改変には大きなハードルがありました。

 デジタルが当たり前の世界で、我々が事業や部門を超えて1つとなり、一貫した顧客体験をいかに紡いでいくか。これが現在も進行中の大きなチャレンジだと言えるでしょう。

 我々は、こうした新たなブランド体験を「One POLAモデル」と呼んでいます。これを実現するために立ち上げたサービスが、お客様のIDを1つに集約する「ポーラ プレミアム パス」です。