自動車業界の中でも早い時期から1stパーティデータを統合し、顧客起点のマーケティングに活用してきたSUBARU。慶應義塾大学総合政策学部 環境情報学部に開設された電通デジタルの寄附講座では、SUBARUがいかにしてデータを統合・分析し顧客理解を深めてきたのか、その取り組みが紹介された。登壇したSUBARU 国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課 課長の安室敦史氏と、電通デジタルの大松正人氏の対談をお届けする。
電通デジタル・大松正人氏(以下、大松)最初に、安室さんの現在の役割とミッションについて教えてください。
SUBARU・安室敦史氏(以下、安室)現在の私の役割は、テレビCMやWebメディアのクリエイティブも含めた、国内の広告宣伝全般を管轄する部署のマネージャーです。今、国内自動車市場が転換期を迎える中で、SUBARUの国内販売台数をいかに伸ばすかが私のミッションとなっています。
大松それを実現するべく、SUBARUではどのようなDX戦略を進めているのでしょうか。
安室大きな軸としてあるのが「顧客理解」というキーワードです。顧客のニーズや抱える悩みを解像度高く理解した上でマーケティング戦略を立案・実行し、宣伝に留まらず営業ともデータを共有してSUBARU全体として販売台数を伸ばしていければと考えています。重要なのは、全社横断でデータを統合、活用し、部門を超えて顧客理解を深めていくことです。

安室 敦史氏
株式会社SUBARU
国内営業本部
マーケティング推進部 宣伝課 課長
2003年に中途入社後、ディーラーに出向し販売現場を経験。 出向復帰後は、主にオフライン及びデジタルのマーケティングを担当する。2016年より、社内のデジタルトランスフォーメーションを担当。CDPやMA、アプリ開発、統合ID基盤の導入など、デジタルマーケティング基盤の構築に従事する。2023年より宣伝課において、国内のプロモーション全般を担当するほか、個人事業主としてコンサルティング活動もしている。
大松SUBARUでは、顧客の1stパーティデータを「SUBARU ID」で統合し、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)で管理し活用することで顧客ファーストなコミュニケーションが設計できるようにされています。この取り組みの背景について教えてください。
安室お客様との接点が多様化している中で、購買行動も過去と比べて大きく変わっています。そうした中で、クルマを購入する際のお客様ニーズをより深く理解し、お客様に寄り添ったアプローチをしていきたいというのが、取り組みの大きな柱となっています。
顧客のステータスに合わせて、広告のクリエイティブや媒体を最適化したり、Webサイトの表示をより行動を起こしやすいものに変えていく。それを繰り返していくことでどんなお客様に何を伝えたら、SUBARUのクルマに対して購買意欲を高められるかが見えてくるはずです。お客様のデータを全社組織横断で見える化し、最適な意思決定に繋げていくということが、我々が現在進めているデータ統合の全体像です。