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Vol.31事例:三井住友銀行 デジタルで「ユーザーの想像を超えるサービス」を実現 三井住友銀行の
リテールIT戦略部が目指す
銀行の新たな姿とは

「SMBCダイレクト」や「三井住友銀行アプリ」など、リテールビジネスに力を入れ、2023年にはデジタル時代に最適化された総合金融サービス「Olive」をスタートさせた三井住友銀行。同行 リテールIT戦略部長の中村裕信氏を迎え、電通デジタル 副社長執行役員の小林大介氏が、三井住友銀行のDX推進やデジタル人材育成について聞いた。

デジタルとリアルの融合で
顧客体験の向上を目指す

電通デジタル・小林大介氏(以下、小林)三井住友銀行さんとは、2021年に三井住友フィナンシャルグループと電通グループがSMBCデジタルマーケティングという会社を設立し、そのご縁でデジタルマーケティングの実践的なスキルを持つ電通デジタルがDX推進をご支援させていただいている関係です。今日は御行のデジタル活用について話をお聞きしますが、まず中村さんが部長を務めるリテールIT戦略部は、どういった組織なのでしょうか。

三井住友銀行・中村裕信氏(以下、中村)三井住友銀行のリテールビジネスにおいて、デジタル戦略やDX全般を担当しており、システム管理やアプリ開発などの業務を6チーム、総勢120人体制で行っています。

小林御行では、DXによって何を目指されているのか、とくにリテールの観点から教えてください。

中村デジタルとリアルの融合を通じた顧客体験の向上を目指しています。この組織ができた背景も、社会環境やテクノロジーの変化に伴い多様化するユーザーニーズに対して、デジタルコミュニケーションをリッチにしていく必要があると考えたからです。

 例えば、インターネットバンキングについて考えると、もともと店頭取引の代替手段だったものが、より顧客体験を重視したアプローチに変化し、事業者側の都合でプロダクトアウトするのではなく、お客様のライフスタイルや好みに合わせてサービスを提供していくカスタマーインの形に変わってきています。

中村 裕信氏

中村 裕信

株式会社三井住友銀行
リテールIT戦略部長

三井住友銀行入行後、支店で法人・個人営業を経験。2001年から主にリテールビジネスの企画・管理業務に従事。ITやデータ活用による業務フロー変革、外部事業者との提携事業、グループ事業戦略の策定、キャッシュレス推進、DX推進プロジェクトなどを担当。21年より現職。

小林銀行業務はデジタルが当たり前になってきていますが、単にお金の出し入れや送金だけではなく、困ったときに相談するようなケースもありますよね。このあたりのデジタルとリアルの連携についてはどのようにお考えですか。

中村二者択一ではなく、デジタルとリアルを融合させ、お客様のご要望に合わせてカスタマイズすることが重要だと考えています。

 弊行では、2023年から個人向けモバイル総合金融サービス「Olive」の提供を開始しましたが、今年度には、実店舗を運営する部署との横断的な共創プロジェクトとして、渋谷と下高井戸に他社さんと協働でコーヒーショップやシェアラウンジを併設し、加えて従来の銀行店舗とは一味違ったスタイリッシュなテーブル席やカウンターを設置した「Olive LOUNGE」を開設しました。

  単に「店舗」を用意するだけではなく、その場での従来の銀行店舗とは異なる体験を通じ、デジタルサービスとの融合を体感いただく、さらにはお客様とのデジタルとリアル両面でのコミュニケーションを通じて常にサービスをアップデートしていくといったチャレンジを始めています。「Olive LOUNGE」のコンセプトは“「a place to go」から「a place to be」へ”で、銀行の店舗を「行く場所」から「いる場所」に、そんな風にお客様に感じてもらいたいと考えています。

小林銀行というと、まずは部署間で調整してからでないと取り組みが進まない印象がありますが、御行の場合は、部署横断でアジャイル的な業務推進をされているのですね。続いて、こうしたチャレンジを可能にするデジタル人材育成などについてもお聞きしていきたいと思います。