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次世代型コンタクトセンター 電通デジタル×ISIDのタッグで実現するDX 次世代型コンタクトセンターは
顧客戦略の司令塔になる

多くの企業で活用されてきた従来型のコンタクトセンターが課題に直面している。顧客接点となるチャネル増加、顧客情報の分散などによって業務が混乱し、それが応対品質の低下にもつながってしまっているのだ。それらの課題を解決し、優れた顧客体験を提供するために必要なものは何か。電通デジタル、電通国際情報サービス(ISID)の専門家が、次世代型コンタクトセンターのあるべき姿を語った。

顧客接点が増える一方、
データがつながらない

——従来型のコンタクトセンターが課題に直面していると言われます。それはなぜでしょうか。

電通デジタル・杉山紋子氏(以下、杉山)従来、企業の「カスタマーサポート」「お客様相談センター」等と呼ばれている部署は、専用部署として独立していました。そしてその役割は、顧客が行動を起こしたところから応対が始まる、いわゆる受け身の組織でした。顧客の身に何が起きているのかを事前に把握することは難しいポジションだったと思います。

 コンタクトセンターは本来、顧客満足度を上げるために設置されたはずです。しかし、実際はコストセンターと認識され、できるだけコンパクトに応対し、短時間のうちに顧客からできるだけ多くのことを聞き出すことが評価されてきました。そのためKPIは、応対時間の短さ、受電本数などが設定され、本来の意味での顧客満足度とは乖離が生じていたのが実態です。

杉山 紋子

杉山 紋子

株式会社電通デジタル
データ/テクノロジーソリューション部門
CRMソリューション事業部
第4グループ シニアコンサルタント

アパレル、美容系の事業会社から2018年に電通デジタル入社。コミュニケーションシナリオ、プランニングを中心に、クラウドプラットフォームの導入支援も行っている。担当業種は金融、アパレル、メディアなど幅広く活動。

ISID・香山勇氏(以下、香山)システム的に見ると、コンタクトセンターは、メインチャネルである電話の応答システムをオンプレミスで作ったのが始まりです。そこにWebの問い合わせを入れたり、メールやチャットなどを加えたりして、今日に至っています。

  部分最適で機能追加を進めてきた結果、つぎはぎのシステムとなってしまい、チャネル間の顧客情報が分断している状況です。データを一元化できていないため、その分析にも非常に手間がかかり、活用が進みませんでした。またオペレーターの作業も、顧客情報が複数のシステムに散らばっているため、それらを見るためにすべてのシステムにログインした上で、画面を切り替えながら応対する必要がありました。

香山 勇

香山 勇

株式会社電通国際情報サービス
金融ソリューション事業部
営業ユニット 営業4部
アソシエイトマネージャー

2005年入社。エンジニアとして金融機関のシステム開発に携わる。17年から営業に転向し、コンタクトセンターを主に取り扱う。フルクラウドコンタクトセンターをはじめ、コロナ禍では在宅コンタクトセンターも提案。

杉山顧客側から見ても、コミュニケーションとして違和感を感じている方も多いと思います。例えばWeb広告を見て気になることがあり、コンタクトセンターに電話やメールで連絡しても、オペレーターに要望は何かを一から話さなければ、本題に入ることができません。これでは、顧客体験は良くなりませんよね。

 これらの問題を解決するために掲げられているのが、次世代型コンタクトセンターです。例えば電話を受けた際に、その顧客がメールを受け取っているのか、Web広告を見ているのかなどの情報を把握することができていれば、コンタクトセンター側で要望の予測がつき、すぐに要望に応えることができます。仮に顧客がWebに詳しくないようであれば、店頭でのご案内を提案できるなど、履歴を基に応対できるのが、次世代型コンタクトセンターです。顧客は、答えを求めていろんなチャネルに何度も連絡することがなくなり、満足度も向上しやすくなる。企業側も効率的な顧客対応ができます。

香山これからは、新しいチャネルをいち早く取り入れて、顧客に開放することができるかどうかで、企業間の競争力の差が広がるのではないかと見ています。そして背後では、Webサイトや店舗など、あらゆる顧客接点からのデータを一元的に見える仕組みを持つことが重要です。そうすることで、「お客様のことを分かっています」というメッセージを打ち出すことができ、顧客から信頼される企業になれると思います。

 変化に対応する柔軟性と、拡張性を考慮すると、次世代型コンタクトセンターの基盤はクラウドであることが必要だと考えます。