人や社会、地球をヘルシーにする活動を
エンターテイメントで後押しする
ディズニー ヘルシー+テイメントの可能性

子どものおうちご飯を変身させる
ディズニーのミールキットの魔法とは?

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社のコンシューマ・プロダクツ部門が始めたビジネスパートナー向け新プロジェクト「ディズニー ヘルシー・テイメント」。その事例を紹介するシリーズの3回目は、食品宅配サービス「Oisix」とディズニーがともに展開するミールキットシリーズを中心に取り上げる。
オイシックス・ラ・大地
代表取締役社長
髙島 宏平(たかしま こうへい)氏
Food(体を整える)
04
case study 3
家庭での食事の機会が増えたことで会員数が増加、売上高1000億円超企業となったオイシックス・ラ・大地(以下、オイシックス)。中でも、ディズニーのキャラクターの世界観を取り入れたミールキットシリーズが子育て世代から熱い支持を受けている。ディズニー コンシューマ・プロダクツ(以下、ディズニー)とのタッグで、子どもたちの食の未来をより良く変えたいと意気込む代表取締役社長の髙島宏平氏に、行っている取り組みへの思いを聞いた。

満足を上回る“感動”レベルの声が続々
料理を作る楽しさをディズニーと共に提供

コロナ禍のおうちご飯の救世主
ミールキットが9500万食突破

食のサブスクリプションサービスを運営するオイシックスのミールキット「Kit Oisix」シリーズをご存じだろうか。「主菜と副菜の2品が20分で出来上がる」というコンセプトで、必要量のみの食材とレシピがセットになっている。主力の宅配のほか、スーパーマーケットでの店頭販売も行っている。献立を考えるのが苦手、時短で料理をしたいといった仕事や育児に忙しい世代のみならず、コロナ禍のおうちご飯ニーズの急増を受け、累計出荷数は9500万食(2021年10月時点)を突破した。

そんな同社がディズニーと初めてタッグを組み、子どもたちが楽しみながら一緒に料理を作れるミールキットシリーズの販売に乗り出している。ディズニーとのライセンス契約を基盤にした、子どもたちの“食の未来”をより良くしていくための活動「Table for Tomorrow」プロジェクトの一環だ。

人気シェフの監修メニューなど、従来の同社の協業シリーズでは、子育て世代の親向けに便利さや時短、出来上がりのクオリティーを重視してきたというが、「今回はお子様たちに喜んでもらうことが主眼。料理の出来上がり具合だけでなく、作るプロセスそのものを楽しんでいただくという、全く新しいチャレンジになりました」。同社代表取締役社長の髙島宏平氏はそう話す。


オイシックス・ラ・大地株式会社 代表取締役社長
髙島 宏平(たかしま こうへい)氏

2000年6月、オイシックス株式会社を設立、同社代表取締役社長に就任。13年3月に東証マザーズに上場。16年5月、移動型スーパー「とくし丸」を子会社化。17年10月、有機・無農薬野菜販売の草分け的存在である「大地を守る会」と経営統合し、新会社社長に就任。18年10月、らでぃっしゅぼーや株式会社と経営統合をし、20年4月には東京証券取引所市場第一部へ市場変更。食品宅配事業のさらなるマーケット拡大を目指す。

2020年11月、第1弾として、ミッキーマウスとミニーマウスの顔の形に仕上がる野菜たっぷりハンバーグのミールキット(対象4歳以上、2~3人前・税込み1933円)を発売。以来、アナと雪の女王、白雪姫、くまのプーさんなどのディズニーの大人気キャラクターたちをモチーフにしたミールキットを相次ぎ商品化してきた。

2021年10月発売の第9弾はハロウィンがテーマ(同上)。主菜は、電子レンジ調理したトマトBBQチキンを、オリジナルのクッキングシートを使ってキャンディのような形に包むだけで出来上がる。副菜はカボチャパウダーで味付けしたトースト。付属のステンシルシートを使いパウダーを振りかけるとキャラクターの模様が浮かび上がる。主菜も副菜も直火を使わずに料理ができるので、子どもたちも手伝いやすい。

シリーズの完成例。左:「Kit Oisix<ミッキー&ミニー>野菜たっぷりハンバーグ」、右:「Kit Oisix<ミッキー&フレンズ>トマトBBQチキン/(副菜)ハロウィントースト」。

シリーズを通しての特徴は、使用食材やレシピ以外に、キャラクターをモチーフにしたランチョンマットや、飾り付け用のピック(楊枝のように刺して使う)など、食卓を楽しく演出する付属品を充実させていること。初めてお手伝いをする子どもたちが料理はそれほどできなくても、配膳や盛り付けに関わって料理の楽しさを経験できるようにとの配慮からだ。

「私から見ても、“ここまでやるか”というぐらいの内容。はっきり言ってやり過ぎです(笑)」(髙島氏)

それだけに、お客様の反応からも大きな“熱量”を感じたという。

「Oisixがこれまで取り組んできた“健康で安全な食”に、ディズニーの多彩なキャラクターたちの“楽しさ”を掛け合わせることで、従来の満足度をはるかに上回る“感動”レベルの感想が届いています」と髙島氏は大きな手ごたえを感じている。

ディズニーの魔法で
子どもが苦手食材や食の細さを克服

このシリーズを第1弾からずっと購入し続けているというある女性はコロナ禍で毎日毎日料理を作るのが苦痛に。3歳の娘との遊びもネタ切れになったので、一緒に料理を作ることを“遊び”にしてしまおうと、このミールキットを頼んだという。
付属レシピの文字の漢字にはフリガナも振ってあり、子どもも一緒に読める。作り方以外にも、料理を始める前の注意点、野菜の育ち方・味わい方など、食への好奇心が自然に湧いてくる情報が満載だった。
そのせいか、今では「ディズニーのミールキット届いたよ!」と子どもに声を掛けると、自分からお手伝い用の台を持ってきて、料理を積極的に手伝ってくれるように。食べる時には、父親に「私が作ったんだよ」と嬉しそうに報告も。食卓に笑顔と会話が増えた。


「HEALTHY+TAINMENT of the Year2021」受賞の記念トロフィーを持つ髙島氏。

コロナ対策での行動制限の影響もあり、「行楽地や外食に行けないので、おうちのご飯が華やかになったことがとても嬉しい」という声も数多く届いた。
ディズニーの魔法で料理や食卓が楽しくなると、どんなことが起きるのか。
「いつもは生野菜が苦手な子どもがサラダを喜んで食べた」、「食が細い娘が自分から意識的に食べてくれるようになった。ディズニーシリーズが食べるきっかけを与えてくれた」など、子どもが苦手食材や食の細さを自然に克服できたという喜びの声が少なくないのだという。

「健康にいいことをしようというのが先に来てしまうと、顧客の幅はどうしても狭まるが、楽しいことをしたいというお客様はとても多い。家族で一緒に楽しく料理を作って食べると自然に好き嫌いもなくなっていき、結果的に健康になる。ディズニーさんの『ヘルシー・テイメント』の考えには、Oisixとしても共鳴する部分が大きい」(髙島氏)

ディズニーでは2021年、ビジネス規模やブランド価値向上などに大きく寄与したビジネスパートナーを表彰するヘルシー・テイメントのアワード「HEALTHY+TAINMENT of the Year」を設立。「食育という観点でもゲストに感動と驚きを与えた」という理由で、オイシックスが初受賞した。

子どもの味覚を正しく育む
フードロス削減、アップサイクル商品への挑戦も

そもそも、Oisixの「Table for Tomorrow(食卓の未来)」プロジェクトにはどんな思いが込められているのか。
意味合いは大きく2つある。一つは、「子どもたちの食の未来」。
「近年、味覚に何らかの障害がある小学生が増えている、という研究結果があるそうです。調味料過多などにより、素材本来の味を感じにくくなっているのがその一因とも言われています。「Table for Tomorrow」というプロジェクトを通して、野菜や食材の本来の味に親しみ、子どもの頃から、正しい味覚を育める食卓づくりを支援したいのです」(高島氏)

もう一つが、「地球の食の未来」だ。創業時から、農薬や化学肥料を極力使わない農法の生産者らと向き合ってきた理念に加え、近年のSDGsなど、サステナビリティを重視しようという社会的機運の高まりを受け、2020年11月からは、独自の環境基準などを定めた「グリーンシフト戦略」をスタート。環境対策の取り組みを加速させている。

グリーンシフト戦略の主な目標が、フードロスの削減だ。日本の一般的な小売企業のフードロス率は5~10%(平成29年「スーパーマーケット年次統計調査報告書」)と推計されているが、同社のフードロス率はわずか0.2%というから驚く。
「弊社は川上から川下までサプライチェーンを持っているので、例えば農家さんの畑の生産量を把握でき、突然とれ過ぎた野菜を適宜、商品化するなど、ロス率をかなり低く抑えられています。フードロスを出し続ける食品小売業にもはや未来はないでしょう」と髙島氏は胸を張る。
同社調査によると、ミールキットの活用により、家庭ごみも通常の3分の1に減らせることがわかっている。今後もこの施策を進め、「ロス率ゼロ」を目指すという。

もう一つの目標が、アップサイクル商品の販売促進だ。アップサイクル商品とは、これまで捨てられていたものに新たな付加価値をつけてアップグレードした商品のこと。第一弾として、7月に冷凍ブロッコリーを生産する過程で廃棄されていた茎の部分、漬物を生産する過程で廃棄されていた大根の皮を使ったチップス「ここも食べられるチップス」2種を開発し、ブロッコリーは発売一週間で当初計画の3倍、大根の皮も同2倍を売り上げ、ヒット商品となった。今後も廃棄食材を積極的に活用した商品開発を進める方針だ。

食品宅配ニーズの高まりもあり、オイシックスは2020年3月期に前期比40.9%増の連結売上高1000億6100万円を達成した。
「創業20年、売り上げ規模が大きくなるにつれて社会的責任を重く感じる一方で、これからも“軽やか”にいきたい。例えばディズニーさんはグローバルな巨大企業でありながら、世の中にある潜在的な意識をいち早く具現化して、新しいヒロイン像を提示し続けている。そんなリスクを取る姿勢にも一緒にビジネスをする中で刺激を受けますし、私たちもまだまだ守りに入っている場合ではありません」(髙島氏)

その言葉を裏付けるように、ディズニーとの協業でも次なる攻めの仕掛けが進行中だ。キーワードは「日常」。
「食のヘルシーさは本来、ピンポイントでは達成しにくいもの。今後はより日常的にヘルシーなものを食べ続けられるための新しい仕掛けを、ディズニーさんと一緒に考えていきたい」と髙島氏は意欲を見せる。
Oisixとディズニー、そして日常という方程式から、どんなヘルシーな食のサービスが新たに生まれるのか。次の一手に目が離せそうもない。

オイシックス・ラ・大地株式会社
URL:
https://www.oisixradaichi.co.jp/
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 コンシューマ・プロダクツ
URL:
https://healthytainment.disney.co.jp/