人や社会、地球をヘルシーにする活動を
エンターテイメントで後押しする
ディズニー ヘルシー+テイメントの可能性

ディズニーがパートナー企業と
共に開く“新しい未来への扉”

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社のコンシューマ・プロダクツ部門が始めたビジネスパートナー向け新プロジェクト「ディズニー ヘルシー・テイメント」。未来へ向けたビジョンや今後のパートナー企業との取り組みの展望などについて、同社・井原多美氏と、事例取材を行ってきた日経BP 総合研究所副所長の藤井省吾が語り合った。(文中、敬称略)
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
コンシューマ・プロダクツ
バイスプレジデント&ゼネラルマネージャー
井原 多美(いはら たみ)氏
株式会社日経BP
日経BP総合研究所 副所長 
コンサルティングユニット長
メディカル・ヘルスラボ所長
藤井 省吾(ふじい しょうご)
New doors(未来を知る)
06
dialogue
「未来を知る」。これがディズニー コンシューマ・プロダクツ(以下、ディズニー)が推進するヘルシー・テイメントの4つ目の柱だ。2021年にスタートし、すでに多くの事例や実績を生み出している同プロジェクトが描くのはどのような未来なのか。現在の社会課題なども踏まえながら、今後の展望について語ってもらった。

地球にとって良い取り組みと
人々を幸せにする活動を続けたい

「気がついたら学んでいるような『娯楽』を」
きっかけとなったウォルト・ディズニーの言葉

藤井 これまでフードやファッション、ホーム雑貨など、さまざまなカテゴリーにおけるヘルシー・テイメントの事例を見てきましたが、非常に実効性の高いプロジェクトだということがよくわかりました。
例えばカゴメとABCクッキングスタジオとの料理教室 では、若い方を中心に、当初の予定を超える2110人が受講したとのこと。一つのテーマでこれの人数が集まるというのにも驚きましたが、何より、「野菜不足の傾向が目立つ若い世代に、いかに野菜を摂ってもらうか」という課題の実現につなげることができたのはヘルシー・テイメントの「テイメント」の力が大きいですね。

ディズニーのキャラクターの世界観を取り入れたOisixのミールキットシリーズのケースでも、子供たちが家族と一緒にワクワクしながら料理を作る過程で、自然と野菜を好きになったり、食への関心が高まったりするというきっかけ作りができています。ヘルシー・テイメントには「楽しく人を動かす力」があるのだと、こうした事例を通して実感しています。


ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
コンシューマ・プロダクツ
バイスプレジデント&ゼネラルマネージャー
井原 多美(いはら たみ)氏

上智大学卒。大広、アディダス・ジャパンにおけるコミュニケーション全体統括などを経て、2008年、テレビ部門におけるマーケティング責任者としてウォルト・ディズニー・ジャパン入社。2013年よりスタジオ・モーションピクチャーズ部門のマーケティング責任者、2017年には、メディア・ディストリビューション部門の責任者。2018年より現職。

井原 うれしいですね。オイシックスさんは“質”を大切にされているところが、パートナーとしてとても共感する部分の一つです。
ミールキットそのものがおいしいのはもちろんですが、親子で料理を楽しむきっかけを提供できたことが、次世代を担う子供たちにとって大きなギフトになるのではないでしょうか。
家族と一緒に過ごす中で「自分の手で生み出す」ことを体験し、その結果出来上がったものや野菜などの素材への愛情を子供の頃から育んでいけるのは大切なことだと思います。

カゴメさんともいろいろな取り組みをしていますが、今年4月にはトマトの苗を提供していただき、名古屋のディズニーストアに来店されたゲストの方々に差し上げました。ただ手渡しするのではなく、「じゃんけんで勝ったらもらえる」という、ちょっとしたエンターテイメント性を取り入れたことで大いに盛り上がったのが印象的でしたね。感染症対策などもあり、大々的なイベントを開催するのは難しい状況ではありましたが、「できることから行動に移す」ということの意義を再確認しました。

そもそもヘルシー・テイメントを始めたきっかけは、ウォルト・ディズニーの「楽しんで学べる『教育』よりも、気がついたら学んでいるような『娯楽』を与えたい」という言葉にあります。
こうしたヘルシー・テイメントの取り組みを通じて、ゲストに心から楽しんでいただいていることを実感でき、このプロジェクトに対するモチベーションがますます高まっています。

ディズニーキャラクターによる
ちょっとした後押しが行動変容を生む


株式会社日経BP
日経BP総合研究所 副所長
コンサルティングユニット長
メディカル・ヘルスラボ所長
藤井 省吾(ふじい しょうご)

東京大学大学院農学系研究科修士了。1991年日経BP入社。医療雑誌『日経メディカル』記者、『日経ヘルス』編集長、ビズライフ局長・発行人などを経て、2014年に健康・医療の最新情報サイト『日経Gooday』を立ち上げた。2018年より現職。

藤井 ヘルシー・テイメントの大きなテーマの一つに「サステナブル」がありますよね。
我々日経グループもメディアという立場からSDGs(持続可能な開発目標)に関する情報発信に力を入れており、そうした観点からもヘルシー・テイメントの取り組みにはとても注目しています。

井原さんは以前のインタビューで、「ゲストの中には、健康や環境に役立つことをしたいと思っていてもどうすればよいかわからない人もいる」とおっしゃっていましたが、これは日本の生活者の多くに見られる傾向でもあります。
2021年4月に発表されたある調査結果(※1)では、生活者のSDGsの認知率は54.2%に達していますが、一方で「SDGsについて、自分で何か行うにはハードルが高い」と回答している人の年代別の割合を見ると、40代では40.7%に及んでいます。言葉と具体的なイメージがつながっていない人が多いのではないかと思います。

このようにうまくつながっていない部分を身近な自己体験に変え、行動変容を促す力が、ヘルシー・テイメントには確実にありますね。
ディズニーのキャラクターには、さまざまなストーリーの中で挑戦し、成長し、実現していく説得力があります。そうしたキャラクターやストーリーなどの世界観を生かした取り組みだからこそ、多くの人が背中を押され、「自分もやってみよう」という行動へと結びつくのでしょう。

井原 おっしゃる通り、多くのゲストの方々に共感していただけるブランドであることは私たちの大きな強みです。ディズニーのキャラクターが物語の中で経験する「友達を大切にする」、「勇気を持つ」、「力を合わせる」といった広い意味でサステナブルにもつながるメッセージを、ヘルシー・テイメントの文脈の中でも伝えることができるのではないかと考えています。
日本には「もったいない」という言葉があり、今や3R(リデュース、リユース、リサイクル)を表す世界の共通言語になっています。こうした言葉を自然に使ってきた日本人にはモノを大切にする価値観や、習慣が根付いているので、ほんの少し後押しするだけで十分、良い方向に変わり得るのだと思います。

藤井 日本では昔から嫁入りの際にお布団を新調し、それを綿打ち直ししながら長く使う文化がありました。case2で紹介したタキヒヨーさんのリサイクル綿の話からそんなことも思い出したのですが、普段の生活の中で楽しみながらサステナブルにつなげるきっかけ作りをヘルシー・テイメントが担っているのですよね。

井原 サステナブルな社会を実現し、人々が健やかに暮らせるようになれば、地球にとっての健康にもつながるはずです。逆に一時的な利便性などばかり追求して環境を破壊し続けていけば、自分たちの健康も、地球の健康も守れなくなるでしょう。こうしたことを「気がついたら学んでいるような娯楽」を通して、「自分ごととしての気づき」につなげていけたら本望ですね。
頭だけで考えるのではなく、体を動かす、育てる、自然と触れ合うなど、楽しく能動的に行動した結果、学べること、身につくことは大きいものですし、それが行動変容の動機づけにもなっていくのだと思います。
座学以上の学び方ができるような体験型の取り組みを、今後はより強化していきたいと考えています。

注目の集めやすさはディズニーの強み
良い連鎖でより「ヘルシー」な社会に

藤井 私の専門分野がヘルスケア領域だということもあり、「ヘルシー」に関しても、ディズニーさんの発信力の高さに注目しています。
実は昨今の日本では、若い女性の「やせ」が問題になっています。ダイエットなどで栄養不足の傾向にある妊婦からは低出生体重児が生まれやすく、小さく生まれた赤ちゃんは将来糖尿病など、生活習慣病を発症するリスクが高いことが各国のさまざまな研究などからわかってきています(※2)
それだけでなく、「やせ」の状態が続けば筋肉量を維持できず、高齢になったときの要介護リスクを高める要因になります。
とはいえ、体型を気にする若い女性に危機感を持ってもらうのは難しいのも事実。そこで例えばディズニーのキャラクターが正しい情報をメッセージとして伝えてくれたら、「やせ」の問題や健康の大切さについて広く認知してもらうきっかけ作りができるのではないかと期待しています。

井原 肥満やメタボリックシンドロームが健康上良くないということは広く知られていますが、女性のやせ過ぎの問題については確かにまだあまり知られていないかもしれませんね。
妊娠や出産を考える女性にとって、正しい栄養の知識を身につけることはとても大切だと思います。
ただし、これも「教育」という形にしてしまうと難しくなりがちです。楽しく、おしゃれで、興味をそそる中に栄養学があり、いつのまにか正しい知識が身についている、といった取り組みは私たちができることかもしれません。

藤井 ディズニーさんは栄養成分に関するガイドラインもお持ちで、栄養学との親和性も高い。ヘルシー・テイメントでナッジすることで、より幅広く普及が進むのではないでしょうか。まずは多くの人に「着目」され、その後身近な「行動」に移してもらうことが良い連鎖につながります。ディズニーのキャラクターを活用することの強みは、まさに「注目を集めてもらいやすい」ところにもありますよね。

井原 そうですね。同時に女性たちからの支持や人気も高いのがディズニーの特徴の一つです。出産や育児といった女性のライフイベントをいかに楽しくできるか、どれだけ真摯に悩みを分かち合えるか、といったこともこれからの大きなテーマとして考えています。

ディズニーだけでは不可能なことを
パートナー企業と共に実現したい

藤井 ヘルシー・テイメントに共に取り組むパートナー企業についてはどのようにお考えですか?

井原 私たちの理念を、実際のプロダクトやソリューションという形で具現化してゲストに届けるために不可欠な存在です。
ヘルシー・テイメントは、ディズニーの力だけでは実現できないプロジェクトです。
長年お付き合いしているパートナー企業との取り組みも引き続き大切にしながら、新たな企業との関係性も構築していきたいと考えています。
私たちが目指している「ヘルシー」、「サステナブル」の考えに賛同していただいたうえで、さまざまなジャンルで一緒に取り組むことのできるパートナーに出会えることを期待しています。

例えば、サービス業や小売業など、ゲストとの直接的な接点を持ちながら、「ヘルシー」や「サステナブル」について効果的な方法を模索している企業とパートナーを組むことができたら、さらに新しい展開が生まれるかもしれません。
ゲストに「ヘルシー」や「サステナブル」を“自分ごと”にしていただくための仕掛けなどもパートナー企業と一緒に考えていければと思っています。

また最近は、「自分のスキルを人のために役立てたい」と高い志を持って仕事に取り組む20~30代の人に出会う機会が多くなりました。そうした方々と話しているととても明るい気持ちになりますし、ディズニーとしてもっとできることがあるのではないかという希望も湧いてきます。たとえビジネスとしては大きくなくても、そうした社会起業家にスポットライトを当てるようなパートナーシップのあり方も、今後の可能性としてはありますね。

ディズニーのオリジナル体操など
健康づくりの取り組みも視野に

藤井 12月5日に、新宿に日本最大のディズニーストアのフラッグシップショップがオープンしましたね。

井原 はい。このストアの特徴の一つとして、環境に配慮したさまざまな取り組みが挙げられます。代表的なのが、電気トラックの導入です。
商品を切らさないよう、1日3回、倉庫から商品を運ぶのですが、その際に電気トラックを使い、二酸化炭素排出量削減に寄与する環境配慮型の輸送を実現しています。
また、ダンボールは森林認証を受けた原料のみを使用し、パックも石灰石を主原料にした生分解するタイプのものを使うなど、商品はもちろん、輸送や梱包材に至るまで環境に配慮しています。

藤井 「サステナブル」を象徴する、素晴らしい取り組みですね。「ヘルシー」については何かお考えになっていることはありますか?

井原 老若男女、誰でも手軽に行うことができて、楽しいから毎日の習慣になるような体操などをディズニーで提供できないかと考えています。このことを思いついた背景には、簡単で、しかも体全体の筋肉や関節をまんべんなく動かすことができるラジオ体操の良さを改めて認識したことがあるのですけれど。

藤井 それは子供から高齢者まで幅広い世代に喜ばれそうですね。ぜひ実現してほしいです。特に高齢化社会においては健康寿命の延伸が重要な課題の一つですから。

井原 私たちが目指す根本にあるものは、人々の幸せです。そのためにも地球環境を守ることや、サステナブルでヘルシーな取り組みを続けていくことが重要なのだと考えています。
これからの社会ではウェル・ビーイング(精神的、社会的、肉体的な要素)の指標を上げることがさらに大きな課題になっていくことでしょう。多くの人々にとってのサステナブルなハピネスにつながるよう、今後もヘルシー・テイメントを推進していきます。

(※1)『第4回「SDGsに関する生活者調査」』(電通)
(※2)J Am Heart Assoc. 2018; e008870. DOI: 10,1161/JAHA. 118.008870

ディズニー ヘルシー・テイメントについてはこちら
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 コンシューマ・プロダクツ
URL:
https://healthytainment.disney.co.jp