広告企画 半導体ビジネス特集

荏原製作所

真空・研磨技術が半導体製造の常識を変えた開発競争は次のトレンドへ分野横断型の専門家集団
「ドライ革命」35年後の挑戦

ドライ真空ポンプ、CMP装置。半導体製造には欠かせないこの2つの領域で、世界2位のシェアを持つ国内企業、それが荏原製作所だ。同社はなぜ、世界と互角に戦えるのか。その鍵は基幹技術を支える専門家集団だ。水、空気、シミュレーション、データ解析…。半導体の進化をけん引する、驚きの現場に迫る。

1986年の「ドライ革命」が
半導体製造の常識を変えた

ドライ真空ポンプ「EV-S型」。半導体製造工程に使用するオイルを使わないクリーンな真空ポンプだ

荏原製作所の半導体事業は、ポンプ開発に端を発する。

半導体製造には、チリやゴミのない真空状態で作業する工程がある。従来の真空ポンプは気密性維持のため、オイルの使用が避けられず、クリーンな環境を求める半導体製造には相いれない代物だった。

同社はオイルを全く使わない画期的な「ドライ真空ポンプ」を1986年に開発する。ウェットからドライへの転換は「ドライ革命」と言われ、半導体業界でたちまち人気となった。

同社がドライ真空ポンプの次に着手したのが、半導体のウェハーを平らに研磨するCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)装置だ。半導体ウェハーの上には多くの回路が積み重なる。少しでも凹凸があると回路を積むことができないため、ウェハーを限りなく平らにする必要がある。

CMP装置は半導体の微細化に不可欠だ。ここで応用されたのが、同社がポンプで培った要素技術だ。そもそもポンプとは回転機の一種であり、荏原製作所は昔から軸を回転させる技術にけている。ウェハーを高速回転させながら研磨するCMP装置では、この技術がものをいう。

円盤状のテーブルに研磨パッドを貼り付けて回転させ、研磨剤を注入する。そこに回転するウェハーを押し当て、ウェハーの表面を精密に磨いて平らにする。

同社が参入する以前のCMP装置では、研磨剤でウェハーを磨いた後、ウェハーをバケツの水に浸した状態で作業者が洗浄機まで運び、残った研磨剤やゴミを洗い落としていた。

CMP装置「F-REX型」。半導体製造の工数削減に大きな貢献を果たす

同社は、当時画期的と言われた「ドライイン/ドライアウト方式」というコンセプトを実現する。ウェハーをカセットに入れ、乾いた状態でCMP装置に設置。ウェハーを研磨した後、洗浄、乾燥まで装置内で自動的に行われる。CMP装置の後に洗浄機を通す必要がなく、すぐに次の工程に進めるようにした。これにより、作業者の時間と労力は大きく削減された。

このCMP装置は評判となり、国内の半導体工場にズラリと並んだ。その実績を踏まえ外国のメーカーからも引き合いを得て、海外進出へとつながった。

今日、同社のドライ真空ポンプとCMP装置は、どちらも世界2位のシェアを誇る。

半導体製造工程における荏原製作所の役割半導体製造の前工程において、ドライ真空ポンプとCMP装置の高い技術が貢献する

想像を絶する研磨精度を
支える異分野の専門家集団

「半導体メーカーに寄り添い、お客様が求める製品を愚直に開発するのが当社のやり方です」と語るのは、荏原製作所 執行役 精密・電子事業カンパニー装置事業部長の勝岡誠司氏だ。

半導体の微細化に伴い、CMP装置に求められる研磨の精度は年々高まる。最新の製品では、直径300ミリのウェハーを10ナノメートル以内で平らにする精度を実現した。これは、ウェハーを山手線内の面積に見立てた時に、高低差を5ミリ以内の精度で平らにするのと同じレベルだ。回転するウェハーのミクロな凹凸を測定しながら、複数のエアバッグで圧力を細かく制御して研磨する。

「当社の開発力は、社内にいる異分野の専門家たちによって支えられています」と、勝岡氏は述べる。同社は2009年に総合研究所を廃止し、研究開発の機能を事業部ごとに再編した。数年後には、事業部間を横断する研究開発組織「荏原オープンラボラトリー」(以下、EOL)を発足。異分野の専門家がプロジェクトごとに協力し合える体制を作り、数々のイノベーションにつなげている。

CMP装置の開発では、「研磨・洗浄プロセス以外でも膜厚の測定や気流解析、リアルタイム制御などの分野でEOLと連携しています。水や空気の技術を中心に、環境に関わる様々な専門家を持つことは、当社の大きな特長です」(勝岡氏)。

それは市場競争においても強い味方となっている。同社の半導体事業の競合には、高い資本力や多くの拠点を持つ巨大企業も存在する。同社がこうした強敵と互角に戦えている背景にはEOLがあると、勝岡氏は考える。

競合先の多くは半導体製造ラインの端から端まであらゆる装置を扱う専門メーカーであるのに対し、同社はドライ真空ポンプやCMP装置など、特定のコンポーネントや装置をピンポイントで扱う。

その一方で、半導体以外に環境プラントやコンプレッサー・タービン、冷熱などの分野の幅広い技術とノウハウを持ち、その専門家集団がEOLという形で支えている。グリーン化のトレンドは、今後の半導体産業にとっても重要な要素だ。すでにそこを押さえている同社には、他にはない強みがある。

競争は微細化から「3D化」へ
同社が見据える次の革命

競争は終わらない。次なる潮流が新たに始まっている。液体と気体を混ぜて吹き付ける「非接触洗浄」もその1つだ。いかに顧客要求に適応するか、さらなる新たな方式を採用するかなど判断が迫られる。また人工知能(AI)・IoT活用も避けては通れない。

半導体の微細化は14オングストロームノードを目指し、分子1個のサイズに近づいている。微細化の競争はまもなく終焉しゅうえんし、その先は回路を上に積み上げる「3D化」のトレンドが始まると言われる。進化をやめない半導体、いかに向き合うべきか。

勝岡氏は、今後の局面においてさらにCMP装置の重要性が高まるとみている。「半導体を縦に積層するには、各層の表面を極めて高い精度で平坦にする必要があるからです」(勝岡氏)。

ドライ真空ポンプとCMP装置で世界をリードする荏原製作所の挑戦。それはまさに、これからが本番だ。

株式会社荏原製作所

https://www.ebara.co.jp/
E-mail ebr-pr@ebara.com

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