広告企画 広報・PR会社特集 沈まぬ広報 その時、情報は力を持ち、人は共鳴する

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PR会社をパートナーとして位置付け総合的な戦略を立てる必要がある マルチステークホルダーに向けた戦略的PRが課題PR会社をパートナーとして位置付け総合的な戦略を立てる必要がある マルチステークホルダーに向けた戦略的PRが課題
公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会 常務理事 福家愼一氏

デジタル化の進展、社会的責任に対する関心の高まり、ステークホルダーの多様化などに伴い、企業広報がカバーする領域や対象は大きく広がった。コロナ禍によって加速した社会変化に対応するため、いかにPR会社を使い、企業価値を高めればよいのか。日本パブリックリレーションズ協会常務理事 福家愼一氏に話を聞いた。

急激な時代の変化に合わせ
広報も変わる必要がある

1990年代のインターネットの爆発的な普及を経て、2000年代にはFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが登場した。これらの新しいメディアや、スマートフォンなどの携帯デバイスは、私たちの生活や、コミュニケーションのあり方を大きく変えた。

日本パブリックリレーションズ協会常務理事 福家愼一氏は、「ネットメディアの台頭やデジタル化の進展に伴い、広報に携わる側も考え方や行動を大きく変えなくてはならなくなった」と指摘する。

企業の社会的責任に対する関心が高まり、企業が果たすべき役割や存在意義が厳しく問われるようになった。また、ひとたび不祥事が起きれば、築き上げた信用を失い企業経営に大きな打撃を受けるため、ガバナンスを強化した危機管理のコミュニケーションも重要だ。

近年はリモートワークの増加に伴い、仕事に対する従業員意識は変化し、会社が目指す方向性や理念をいかに従業員に浸透させるかも、大きな課題として浮上した。

このように、経営層・管理職がカバーすべきコミュニケーション領域やメディアはかつてないほど多様化し、広報部門が果たすべき役割も増えている。旧態依然たる広報理解から抜け出し、社会に必要とされる企業市民としての「人格」を、多様なステークホルダーに的確に発信することが必要だ。まさにコミュニケーション能力の巧拙が企業力を左右するようになったといえる。

インターナルコミュニケーションは
内側から企業を強くする

特に、変化が求められるのは、デジタルコミュニケーションへの対応だ。もともと広報は広告などと比べて「予算をかけずにやるもの」ととらえている企業が多く、割り当てられる予算も抑えられてきた。結果として、メディアのデジタル化が進んでいるにもかかわらず、他部署に比べてデジタル投資が遅れ気味だ。

広報効果の指標もメディア露出数や広告換算額などに限られていたことなどから、勢いのあるデジタルマーケティングなど、効果が見えやすいところに予算配分が傾斜する傾向も強い。

記者との関係作りや囲い込みなど、属人的な業務ノウハウに依存する部分が大きいことも解決すべき課題だった。ワークフローのデジタル化を進めることによって、業務の見える化が進み、属人化に伴う課題の解消や、コロナ禍で普及したリモートワーク環境下での情報共有も解決がまたれている。

福家氏は、デジタル化に加えて、今、PR関係者の間で認識が高まっているのが、インターナルコミュニケーションの重要性だと説明する。

「当協会の会員の中でも、特に内側のコミュニケーションが重要視されています。テレワークが進む中で、社員同士のコミュニケーションは希薄になりがちです。企業理念や課題意識を共有できなければ、社外へのコミュニケーションもままならなくなります」 福家氏によれば、広報が戦略的な意識を持って様々な部署を横串にし、全社を挙げて多様なステークホルダーにメッセージを届けなければいけないという。

インターナルコミュニケーションによって、企業のビジョンを従業員が理解した上で、ステークホルダーに対して一貫したメッセージを送ることが重要だ。

日本パブリックリレーションズ協会が2020年に行った会員に対する緊急調査によれば、今後、広報・PR担当者が増加・強化すべき項目として、「従業員エンゲージメント」「マネジメント層のコミュニケーション施策強化」「オウンドメディアでの情報発信」がトップ3になった ※出所:「コロナ禍とパブリックリレーションズに関する意識と実態」最終報告書

多様なステークホルダーに向けた
総合的なコミュニケーション戦略が必要

広報の本質はコミュニケーションだ。向き合う相手に応じてコミュニケーションを図り、目的の行動を促す。対してパブリックリレーションズ(PR)は広報の上位概念といえる。「ステークホルダーおよび社会との間で健全な価値観を形成し、継続的に信頼関係を築くための活動」だ。

福家氏は、「パブリックリレーションズが、ステークホルダーとのより良い関係作りや、マーケティング戦略上の空気作りを担ってきたのは事実です。今でもその基本の考え方は変わりません。しかし、単に関係作りで終わるのではなく、生活者の共感を得、社会をより良くするソーシャルイノベーションに寄与しなくてはなりません」と訴える。

企業が社会変革に寄与するためには、関係するステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを密にし、社会をより良く変えるために何ができるかを、継続的に発信する必要がある。

デジタル化が加速する中で、事業会社は今後どんなステークホルダーと関係を結び、どういう情報を収集し、戦略を立てればよいのか。広範な知識や高度な判断力が求められているのだ。

「自組織・自社における広報・PRで重要なステークホルダーをお伺いします」という問いに対しては、「自組織・自社従業員」という回答が最も多かった ※出所:「コロナ禍とパブリックリレーションズに関する意識と実態」最終報告書

福家氏は、事業会社の経営層・管理職は、PR会社の専門的な知見を活用して社会変革に寄与することを目指すべきだと訴える。「事業会社は多様なステークホルダーに向けて、どういうコミュニケーションを取らなければいけないか、PR会社の力を借りて総合的な戦略を立てる必要があります」。

一方、PR会社も時代に合わせたコンサルティング能力を向上させなければならない。「PR会社には高いレベルのコンサルティング能力がますます求められるようになる。そういう部分で足腰を強くしないと、パートナーとして認められるPR会社にはなれないのではないでしょうか」(福家氏)。

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