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働く場所改革特集 特別インタビュー 生産性向上とチームワーク強化の両立を 生産性向上とチームワーク強化の両立を 対話が深まり、組織力を高める”働く場所改革”とは?

テレワークの定着とともに、離れた場所で働く社員同士の対話や連携をいかに緊密にするかが課題となっている。チームワークを研究する早稲田大学 商学部の村瀬俊朗准教授に対策を聞いた。

ツールの整備だけでなく 対話のルール作りを

2回目の緊急事態宣言を受けて、企業のテレワーク導入はやや加速した。

公益財団法人 日本生産性本部が2021年1月に発表した「第4回 働く人の意識に関する調査 調査結果レポート」によると、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で働く調査対象者が勤める企業のテレワーク実施率は、前回調査(20年10月)の28.3%から、21年1月には32.7%に上昇している。

だが、1回目の緊急事態宣言が発令中の20年5月調査では実施率が41.3%に達しており、感染者数は比較にならないほど激増しているにもかかわらず、テレワークの取り組みはむしろ後退している。

この結果には様々な理由が考えられるが、会社に集まって直接顔を見ながら会話ができる対面時に比べて、社員同士のコミュニケーションが図りにくいことが後戻りを促している原因の一つとみられる。

同じレポートによると、「テレワークの課題」として、調査対象者の26.9%が「上司・同僚との連絡・意思疎通を適切に行えるような制度・仕組み」が整っていないことを挙げている。

産業組織心理学博士でチームワークを研究する早稲田大学 商学部の村瀬俊朗准教授は、「Web会議システムやチャットなどのツールが整っていても、それだけでコミュニケーションを活性化させることはなかなか難しいです。社員間の対話を促すような仕組みやルール作りが不可欠なのです」と語る。

勤務地1都3県のテレワーク実施率 勤務地1都3県のテレワーク実施率

1都3県のテレワークの実施率は1回目の緊急事態宣言発令中に当たる2020年5月の調査から、同宣言解除後の7月、10月は減少傾向に。2回目の緊急事態宣言発令中の21年1月の調査では32.7%まで上昇するも、20年5月に比べて低い実施率となった

テレワークの課題 テレワークの課題

2021年1月に行った「テレワークの課題」に関する調査では26.9%もの人が「上司・同僚との連絡・意思疎通を適切に行えるような制度・仕組み」が整っていないと答えるなど、約4人に1人がテレワーク中のコミュニケーションに悩んでいる結果となった

※出典: 2021年1月22日 公益財団法人 日本生産性本部 「第4回 働く人の意識に関する調査 調査レポート」
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