“使用済み商品は貴重な資源”「廃棄ゼロ」を目指した資源の再活用推進が環境に貢献 堅牢な複合機を生み出すメーカーが資源循環型社会をリードする

SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定に先んじること20年余り。富士ゼロックスはいち早く環境対応に取り組み、複合機のリユースをはじめとする環境負荷軽減を目指した「資源循環システム」を確立してきた。環境経営のパイオニアとして同社の考える社会課題の解決とはいかなるものか、取締役 執行役員の古川雅晴氏に話を聞いた。

社会課題の解決に向けた
“働き方”と“環境”の追求

富士ゼロックス株式会社 取締役 執行役員 生産全般、調達 管掌 兼 調達本部長 兼 モノ作り本部長 古川 雅晴氏

富士ゼロックス株式会社
取締役 執行役員
生産全般、調達 管掌 兼 調達本部長 兼 モノ作り本部長
古川 雅晴

2017年、富士フイルムグループは、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目的に、6分野を重点とするCSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」を策定した。その中でも、富士ゼロックスは特に“働き方”と“環境”に力を注いでいる。 同社は1962年に創業。機器のレンタルという画期的なビジネスモデルを定着させ、オフィスに変革を起こしたことで知られる存在だ。以降もIoT(モノのインターネット)やAIなどの技術を生かした機器やサービスを創造。顧客の競争力強化や働き方改革を支援してきた。

一方、環境保全への取り組みも早く、1995年に商品リサイクル全社方針として「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」を定め、実現に向けた活動を継続してきた。いまでは同社の環境保全活動の象徴とも言える複合機のリユースだが、このプロジェクトは業界初の試みとして商品リサイクル全社方針と時を同じくしてスタート。実に26年の実績を誇る。

「社内にリサイクルラインを設置。回収した使用済み商品を分解、選別したのち、洗浄・清掃などの再生工程を経て、品質基準をクリアした部品を新造機生産ラインに循環させる『クローズド・ループ・システム』を確立しました。回収された商品はリユースを最優先に行うように努め、リユースが困難な部品については再資源化によるリサイクルを実施。2000年には日本国内において廃棄物の実質埋め立てゼロを達成しています」と同社 取締役 執行役員の古川雅晴氏は話す。

この成功と並行して同社ではあらゆる部分で資源の再活用にこだわってきた。複合機本体に加え、トナーカートリッジなどの消耗品や保守用交換パーツに至るまで、部品レベルでの再活用を積み重ねていくことで「クローズド・ループ・システム」を磨き上げていったのである。

富士フイルムグループのCSR計画「SVP2030」
図:サステナブル社会の実現 環境・健康・生活・働き方、サプライチェーン、ガバナンス。事業領域:イメージングソリューション、ヘルスケア&マテリアルズソリューション、ドキュメントソリューション。企業規範:企業理念・ビジョン・行動規範

環境・健康・生活・働き方に、サプライチェーン、ガバナンスを加えた6分野15重点課題を設定。特に環境分野では、自社商品・サービスの普及によりCO2排出削減への貢献に取り組んでいく