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乾汽船株式会社 代表取締役社長 乾 康之氏
複数社でシェアする企業寮コロナ渦だからこそ学びと成長の場として再注目

乾汽船株式会社 代表取締役社長 乾 康之氏

PROFILE
1968年生まれ。三菱地所を経て、2004年、叔父が社長を務めていたイヌイ倉庫に入社。2008年に社長就任。2014年に旧乾汽船と経営統合し、外航海運、倉庫・運送、不動産の3つの事業セグメントを束ねる

月島荘は何かの「きっかけ」になりたい

隅田川のほとりの東京都中央区勝どきを基盤とする当社の不動産事業は、1973年に建設した1棟の賃貸マンションから始まりました。そして2013年には、「企業寮をシェアする」をコンセプトに月島荘が誕生しました。いわば、複数の企業が利用する企業寮の集合体で、業種や職種、国籍、年代の異なる多様なビジネスパーソンが共に暮らし、お互いを高め合っていく場所を目指すものです。

全644室の月島荘は3棟から構成され、1階がすべて共用部になっています。全室を12に区分したクラスターにもそれぞれ共用部が配され、多様な人材交流が自然発生する仕掛けになっています。各クラスターはコミュニティーが醸成されやすいよう2フロア70室(70人)で構成され、公用語が英語や男子禁制といったクラスターもあります。

施設全体の運営にも自治があり、クラスターのリーダーによって運営されるリーダーズミーティングがこれを仕切っています。すべての入居者は約40社の契約企業に属しますが、必ずしも社員である必要はありません。業務提携先など取引先企業の社員でも構いません。また、プロジェクトや研修の目的での利用も柔軟に対応できる仕組みが整っています。

写真:月島荘の内観

月島荘はA〜C棟まで3つの建物からなり、全部で合計644室(644人)を擁する。パブリック空間や設備をシェアすることで、豊かで合理的な暮らしを実現

人にも企業にも社会にもレジリエンスになる

しかし、自然な出会いや触れ合いが目的であるはずなのに、コロナ禍がこれを阻んでいます。実際、「これでは月島荘に入った意味がない」との声も一部で聞こえてきました。その一方で、契約企業へのアンケートによると、「コロナ禍における新たな人材育成の課題に対する解が月島荘にある」ことも認識しました。

多くの企業が在宅勤務を余儀なくされるなか、特に若手社員の社会人・企業人としてのあり方を教育する場がないというのです。そこで、月島荘の力を改めて見直すことにしました。

従業員支援プログラムのサービスを提供している国際EAP協会の日本支部理事長・市川佳居(かおる)氏(医学博士)とご縁があり、コロナ禍における月島荘の役割についてコメントをいただきました。

「特に若手社員は同期や先輩と気軽に話せる環境が減り、誰にも相談ができずストレスを抱えている人が増えました。そのため、人事担当者はそうした社員の変化にいかに早く気付けるかが重要な課題となっているようです。月島荘のような環境では、同期や先輩だけでなく、ほかの会社の人と対面で相談し、情報を得られます。若い人たちにとって成長のためにいい経験ができ、アフターコロナのスキルとされるレジリエンスの向上にもつながると考えられます」

写真:月島荘に詰まったお互いを高め合う複数の要素

「月島荘」は複数企業の様々な人材が共に暮らすので、お互いを高め合う要素がたくさん詰まっている

明日をつくる体験が転がっている

乾汽船にも大切に育てていきたい若手人材がいるので、停滞している交流を活性化させなければなりません。そのための新しい施策が固まってきたので、近いうちにご披露できるよう、さらに磨きをかけてつくり込んでいきます。

当社は人材の育成やメンタルヘルスケアの知見を有しているわけではなく、単なる施設の提供者にすぎません。しかし、月島荘には「現代のビジネス版トキワ荘たれ」との思いが込められています。真に社会に役立つ企業寮を志向するのは、私どものESG活動の一環でもあるのです。

月島荘には人脈や刺激、多様性、時間、協調性など、明日をつくる体験が転がっています。志のある未来人材に、月島荘で一緒に羽ばたく準備をしてほしいと願っています。若手社員の方々、企業の経営層、人事担当者のみなさんに私どもの熱意をお伝えする各種イベントもございます。直接お話しする機会をいただければと思います。

ロゴ:乾汽船株式会社

〒104-0054 東京都中央区勝どき一丁目13番6号
プラザタワー勝どき

http://www.inui.co.jp/

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