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JALで加速する、場所に縛られない新しい働き方 JALで加速する場所に縛られない新しい働き方 - 仕事と休暇をバランスよく融合する沖縄でのワーケーション

「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語「ワーケーション」。旅先でテレワーク業務を行える仕組みで、日本では日本航空(JAL)が制度としていち早く導入、また、沖縄県では行政も協力し官民一体で取り組んでいる。ワーケーションを取り入れるメリット、その先にある働き方の多様性を同社の人財本部に所属する阿部淳氏、東原祥匡氏に、日経BP執行役員の高柳正盛が迫った。

長期休暇取得の推進を目指し
ワーケーションを導入

阿部 氏
日本航空株式会社
人財本部 人財戦略部 部長
阿部 淳

高柳:JALでは、2015年から「ワークスタイル変革」を掲げ、時間外・休日労働時間をゼロにするという目標を打ち出しています。その流れで、かなり早い段階から「ワーケーション」を導入されたそうですね。

東原:導入は、2017年の夏からです。ワークスタイル変革ではフリーアドレスを実施したことで上司と部下の距離が近くなり、働き方改革の新たな施策について、社員が声を上げやすくなりました。そこから「働き方の意識から変えよう」という声が上がり、導入に至ったのがワーケーションです。

阿部:以前は、どうしても「有休を完全に取得するのは難しい」といった風潮があったので、ワーケーションの導入により、長期休暇取得を促進したいという目的も持っていました。

高柳:導入から3年半ですが、実績は上がっていますか。

東原 氏
日本航空株式会社
人財本部 人財戦略部
厚生企画・労務グループ
アシスタントマネジャー
東原 祥匡

東原:現在、当社でテレワークが可能な社員は2000人程度。2020年度はすでに約400人がワーケーションを活用しています。一般的にテレワークの浸透率が現在2割程度(出典:<公財>日本生産性本部・生産性統計)と言われているので、それと同程度の割合で活用されているのは、高いほうだと認識しています。

阿部:ワーケーション導入前は、なかなか有休が取れなかったのですが、導入開始時は、仕事が休めない決裁権限のある管理職のワーケーション取得率のほうが高い傾向にありました。これは、顕著に表れた結果の一つですね。

東原:2019年5月からは、「出張」と「休暇」を組み合わせる「ブリージャー」も導入し、さらに休暇制度が多様化しています。働くことと休むことを融合させる仕組みは今後、より大事になると考えています。

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