日経ビジネス電子版 Special

いまこそ見直したい

紙を使った
コミュニケーション
紙のダイレクト
メールの価値

「ネット時代」と言われる昨今、
紙のダイレクトメールは底堅い支持を集めている。
その理由は何か。
専門家の目で見た「価値」を紹介しよう。

ネット時代だからこそ際立つ
「紙のDM」の魅力

 個人や法人宛に向けて、自社の商品・サービスの案内などを送付するダイレクトメール(DM)。顧客に直接アプローチする方法として世界で古くから活用され、消費者にとってなじみ深い存在だ。ところが、最近のインターネット普及やペーパーレス化の推進で情報伝達スタイルの中心が「紙」から「データ」に移行し、紙を使ったDMの発行部数はほぼ横ばい、もしくは漸減傾向にある。

 ところが、2020年に世界を襲ったコロナ禍によって私たちのライフスタイルは激変し、同時に情報の入手・活用方法にも新たな変化が表れている。そこで今回は、一般社団法人日本ダイレクトメール協会専務理事の椎名 昌彦氏に登場いただき、最近のDM事情と今後の展望についてお話を伺った。

椎名 昌彦 氏
一般社団法人
日本ダイレクトメール協会 専務理事
椎名 昌彦 氏

 まず、現在のDM事業全体について椎名氏は「非常に底堅い印象を持っている」と述べた。「広告宣伝費が年々低下するなかで、DMはセールスに直結するツールであることもあり堅調に発行されています。あらかじめターゲットを十分絞り込み、情報を必要とする顧客に無駄なく届くというメリットが評価されているのだと思います。世代別に見ると、シニア層ではネット情報より紙の情報を重視する傾向があることから、紙のDMは効果的だといえるでしょう」。

 次に、DM受領後の人々の行動について椎名氏は、同協会が2021年4月に公表した「DMメディア実態調査2020」のデータを示し、次のように指摘した。「本人宛の紙のDMを読んだ人の約15%が、その後何らかの行動を起こしています。実際の行動内容の内訳を見てみると、『内容についてインターネットで調べた』が44.4%とトップで、『家族・友人・知人などとの話題にした(25.8%)』、『商品・サービスを購入・利用した(13.9%)』と続きます。この結果で特徴的なのは、マーケティング分野で効果の指標とされるコンバージョン率(総閲覧者数のうち、商品購入や資料請求などの収益に結びついた人数の割合)がテレビ、新聞、雑誌などの媒体と比較しても非常に高く、DMの持つ訴求力の強さを示しています」。

内容についてインターネットで調べた, 家族・友人・知人などとの話題にした, 商品・サービス購入・利用した, お店にでかけた, 資料を請求した

本人宛のDMを閲読した後の行動で
「行動あり(15.9%)」を選んだ人の行動結果(複数回答)。
行動した人の約7割がインターネットでの調査、検索を行う、
友人との話題に挙げるといった行動を行っている。

出典:一般社団法人 日本ダイレクトメール協会
「DMメディア実態調査2020」を基に作成

 また、現在主流となってきたインターネット媒体との比較について椎名氏は「メールマガジンの開封率は年々低下している」と指摘。「メルマガに紙のDMを加えることで確実に売上げ向上の機会は増えるので、その意味でも紙のDMに注目してほしいと思います」と語った。

お客様とのコミュニケーションに
紙のダイレクトメールは
欠かせません

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ 執行役員 業務部長 岡田芳明 氏

株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ
執行役員 業務部長 岡田芳明

 当社では50代以上の女性に向けた定期購読誌と通販カタログの送付で「ゆうメール」を活用しています。A4サイズ・200ページとボリュームがあるため、お客様へ確実に、きれいな状態でお届けする必要がありました。日々郵便物を配達している局員さんが担当するため「ポストが壊れた」といったトラブルもなく、転居時も郵便と同様に対応してもらえます。今後もDMを使った1対1のコミュニケーションを推進していきたいです(談)。

  • 会社名:株式会社ハルメク・ビジネスソリューションズ
  • 所在地:大阪本社 〒530-0002 大阪市北区曽根崎新地2-2-16 西梅田MIDビル
  • 創立:2018年4月
  • 事業内容:コールセンター、物流、情報システム、発注、在庫管理などフルフィルメントサービスの運営・提供
  • URL:https://halmek-businesssolutions.co.jp/

シニア層へのリーチは
「紙」が強いことを実感

株式会社しーま 代表取締役 深田小次郎 氏

株式会社しーま 代表取締役 深田小次郎

 当社は「奄美群島」の魅力を発信するポータルサイトを運営しています。このたび奄美市から島の物産(黒砂糖、大島紬など)約1万点を配布する事業を受託し、郵便局に封かんや発送作業をお願いしました。これまではメールマガジンなど、オンラインのプロモーションが中心でしたが、紙を使ったDM、カタログはとりわけシニア層への訴求力が強いことがわかったので、多くの皆様に奄美の良さを知っていただく機会として今後も活用したいと思います(談)。

  • 会社名:株式会社しーま
  • 所在地:〒894-0005 鹿児島県奄美市名瀬佐大熊町11-11
  • 創立:2010年2月
  • 事業内容:奄美群島に特化したメディア事業、セールス・プロモーション事業、ソフトウェア開発事業など
  • URL:URL:https://shimazine.amamin.jp/e545839.html
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