提供:公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ

2021年9月12日、日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕した。サッカーファンのみならず、SDGs推進活動に熱心な企業からも熱い視線を集めるWEリーグ。その理由は、スポーツを通じて真のジェンダー平等社会や女性活躍に取り組むリーグの理念と姿勢にある。今後、WEリーグはどのようなアクションを起こしていくのか。初代チェアに就任した岡島喜久子氏にうかがった。

公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ WEリーグ チェア
岡島喜久子氏

1958年東京都生まれ。中学時代からFCジンナンに所属し、海外遠征などを経験。79年大学在学中に日本女子サッカー連盟を設立、初代理事に就任。83年早稲田大学を卒業し、ケミカル銀行(現JPモルガン・チェース銀行)に入行、89年の海外転勤を機に現役引退。91年より米国に拠点を移し、メリルリンチなどの国際金融企業で活躍。2020年にWEリーグ初代チェア、2021年には日本サッカー協会(JFA)副会長に就任。

──日本のジェンダー・ギャップ指数は、156カ国中120位※。経済やスポーツにおいても、女性の活躍は限定的です。そうしたなか先日開幕したWEリーグは、女子サッカーの振興を通じてこの状況に風穴を開ける存在としても注目されています。

※世界経済フォーラム 「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report)2021」より(2021年3月31日現在)

WEリーグは、社会事業として日本の女性活躍をけん引していくことを掲げています。人を感動させることのできるスポーツは、その大きなきっかけとなるものです。たとえば、大震災のあった2011年、FIFA女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンに、私たちは大いに勇気づけられました。WEリーグでは、そんなスポーツの持つポジティブなパワーを、ジェンダー平等という社会の動きにつなげていきたいと考えています。

──岡島チェアご自身はアメリカの金融市場で活躍され、結婚・出産後も順調にキャリアを重ねてこられました。ジェンダー平等において、アメリカと日本の違いはどこにあるのでしょうか。

欧米では、女性が活躍することの価値を多くの男性が理解しています。そこがまず大きな違いですね。そのうえで、日本女性特有の傾向としてみられるのは、自己肯定感の低さです。昇進や転機のチャンスがあってもなかなか踏み出せない、自分の可能性を信じ切れていない人が多いのです。それは、男性基準で動いてきた社会の弊害でもあります。サッカーの世界でも、男性優位の構図は否めません。

──アメリカでは、サッカーも男子と女子に差がないスポーツとして認識されているそうですね。

その背景には、1972年に制定された「Title IX(タイトルナイン)」があります。これは、政府から補助金を得ている公立学校は、男子と女子に対して平等にお金を使わなければいけないという法律で、その恩恵を最も多く受けたのが女子サッカーと女子ラクロスだといわれています。結果、どの大学にも女子サッカークラブができ、奨学金狙いで娘にサッカーを習わせる親も増えてきた。これが女子サッカーの発展に大きな影響を与え、160万~200万人という現在のプレー人口につながっているのです。

──対して、日本の女子サッカー人口はどのぐらいですか。

ここ数年で伸びてはいるものの、まだ約5万9000人程度にすぎません。これを大きく増やしていくのもWEリーグの使命です。そのためには観客動員数を上げていくことが大切。試合開催日にはファミリー向けのイベントなども実施し、サッカーファン以外の方も楽しめるような工夫を行っていきます。スタジアムの飲食にしても、おしゃれでカラフルなフードやスイーツを提供し、女性が喜ぶ内容にしていきたいですね。そうやってWEリーグへの注目度と女子サッカーのプレゼンスを上げ、将来的には女子の憧れの職業として、「WEリーガー」が挙げられることを目標としています。

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