提供:公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ

──WEリーグの名称は、“Women Empowerment”に由来しているとか。あらためてリーグ設立の理念をお聞かせください。

WEリーグの理念は、「女子サッカー・スポーツを通じて夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」というもの。サッカーのみならず、スポーツ全体の力で、日本社会を変えていきたいという想いがあります。また多様性という点では、男性・女性だけでなく、LGBTQを含めたあらゆるジェンダーを支援していきます。

──それを実現するために、どのような施策を行われていますか。

WEリーグでは、産休・育休中も給与を保証することで、女性のライフステージに伴うキャリア継続を支えていきます。もちろん、スタジアムには託児所も設ける予定です。また、WEリーグへの参入基準として、選手だけでなく、監督やコーチにも女性指導者を1名以上含むことを規定。運営にあたる法人についても、役職員の50%を女性とするのに加え、意思決定者のうち最低1人を女性にすることも要件としています。そうすることで、WEリーグが女子サッカー選手のセカンドキャリアの受け皿ともなるわけです。

──引退後のセカンドキャリア実現までを考慮した設計となっているのですね。

選手の将来のためでもあり、また日本の女性指導者を増やす意味においても、現役のうちに指導者ライセンスであるC級ライセンスを取得できるよう、クラブに講師を派遣するなどの体制を整えています。選手時代にその道筋をつけておけば、引退後にA級、S級と上位資格を取得し、WEリーグはもちろん、国内外で指導者として活躍することができます。現に、最近は日本の女性サッカー指導者をアジアやイスラム圏に送ってほしいという要請も増えていて、すでに多くの女性コーチや監督が現地で後進の育成にあたっています。

──様々な要件をクリアし、WEリーグに参入したクラブは11チーム。開幕に先駆け、選手たちと交流を深める機会はありましたか。

各クラブから代表として選ばれた11人の選手たちと、「WE MEETING」と題したオンラインミーティングを数回実施しています。その目的は、プロスポーツ選手としての行動規範「クレド」を、みんなで一緒に考えていこうというもの。行動規範は人に与えられるものではなく、自分たちの言葉で作っていくことに意味があります。そうして生まれたのが、「私たちは、自由に夢や憧れを抱ける未来をつくる。私たちは、共にワクワクする未来をつくる。私たちは、互いに尊重し、愛でつながる未来をつくる。」という約束に基づき、「みんなが主人公になるためにプレーする。」という宣言です。

AC長野パルセイロ・レディース
三谷紗也加

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ちふれASエルフェン埼玉
船田麻友

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ジェフユナイテッド市原・
千葉レディース
岸川奈津希

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マイナビ仙台レディース
浜田遥

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INAC神戸レオネッサ
牛島理子

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ノジマステラ神奈川相模原
松原有沙

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日テレ・東京ヴェルディベレーザ
植木理子

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三菱重工浦和
レッズレディース
南萌華

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サンフレッチェ広島レジーナ
福元美穂

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アルビレックス新潟レディース
選手一同

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大宮アルディージャVENTUS
乗松瑠華

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──社会全体に前向きな変化を生み出すために、WEリーグでは今後どのような取り組みをしていく予定ですか。

サッカー事業と社会事業に大別される、2つの取り組みを考えています。1つはクラブに対する取り組みで、先ほど申し上げた参入基準についてどの程度満たしているか、将来設計はどうなっているかなどを随時調査し公表することで、女性比率の向上を図っていきます。またもう1つは、協賛パートナー企業や自治体、NPOなど様々なプレイヤーと共に社会課題に取り組む取り組みで、9月6日に始動しました。毎年3回行われる「WE ACTIONミーティング」では、参加企業の抱える課題を収集・リスト化し、解決に向けたブレストセッションを行っていく予定です。このミーティングには、各パートナー企業からジェンダーの異なる2名の社員の参加をお願いしています。WEリーグを中心に、ステークホルダーたちとジェンダー問題を考え、行動を起こしていくのが狙いです。

9月6日に開催したパートナー企業と「WE ACTIONキックオフミーティング」の様子

──協賛パートナーには、どんな企業が参加していますか。また、WEリーグにおけるコラボレーション事例もご紹介ください。

タイトルパートナーとして、ビーズクッションのブランド「Yogibo」を展開するウェブシャークさん、ゴールドパートナーとしてダイハツ工業さん、シルバーパートナーにはプレナスさん、旭化成ホームプロダクツさん、レキットベンキーザー・ジャパンさん、ビーズインターナショナルさん、パーソルグループさん、オフィシャルブロードキャスティングパートナーのDAZNさん等、計10社が名を連ねています。ウェブシャークさんには、聴覚や視覚などの感覚過敏があっても安心して観戦を楽しめるセンサリールームを、INAC神戸 レオネッサのノエビアスタジアム神戸に設置していただきました。またダイハツ工業さんは、全国の各販売拠点におけるサッカー教室の開催を計画されています。

ノエビアスタジアム神戸に設置したセンサリールーム

一方、ファッションブランド「X-girl」を発信するビーズインターナショナルさんは、オフィシャルサプライヤーとして7チームのユニフォームを制作。おしゃれな着こなしなどをSNSや雑誌などでも展開していきます。

株式会社ビーズインターナショナルのレディースストリートウエアブランド「X-girl」が7チームのユニフォームをデザイン

──様々なステークホルダーを巻き込んで、ジェンダー平等や多様性社会の実現を目指すWEリーグ。その活動に賛同する企業に向けて、メッセージをいただけますか。

ジェンダー平等はSDGs目標の5番目に示されている項目ですが、実は貧困や教育といったすべてのSDGsの課題と密接に関わっています。つまり、この問題から目を背けていては、本当の意味でSDGsを達成することはできません。逆にいえば、女子サッカーをサポートすることは、企業のSDGs投資につながるとも考えられます。実際、あるクラブのスポンサー企業は、SDGsの取り組みをしていないと海外の取引先と仕事ができないという理由から、WEリーグチームの支援を決めたそうです。これから、様々な企業さまと手を組み、私たちとともに日本をよりよい社会に変えていきたいと思っています。

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