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キリンビール株式会社

1分でわかる「スプリングバレー」 ブランドビデオ動画視聴はこちらから

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キリンビール株式会社

新発売したキリン渾身のクラフトビール「スプリングバレー」の魅力に迫る! 新発売したキリン渾身のクラフトビール「スプリングバレー」の魅力に迫る!

「クラフトビールを通じて、ビール本来のおいしさ、奥深さを日本の皆さんに知っていただきたい」
「ビール類市場をもっと魅力化・活性化したい」──。
そんな想いから始動したプロジェクトが、10年の時を経て珠玉の傑作ビールに結実した。
キリン渾身のクラフトビール「SPRING VALLEY 豊潤<496>(以下、スプリングバレー)」だ。
3月の発売から早くも30万ケースを突破、
4月の製造数量を当初計画から3割増産予定となった大ヒット商品は、どのようにして生まれたのか。
同社のクラフトビールダイニング「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」を訪れた日経BP総研の安達功が、
スプリングバレーブランド担当の吉野桜子氏と中味開発担当の山口景平氏に訊いた。

10年をかけて極めたキリンのクラフトビール「スプリングバレー」が大ヒット! 10年をかけて極めたキリンのクラフトビール「スプリングバレー」が大ヒット!

安達:「スプリングバレー」が、3月の発売から早くも30万ケースを突破し、4月の製造数量を当初計画から3割増産予定と好調で、SNSなどでも大変話題になっています。この人気ぶりを、つくり手のみなさんはどのようにご覧になっていますか。

山口:素直にうれしいですね。中味を開発した人間としては、お客様がこの味をどう感じてくださっているのかが気になり、ついネットを検索してしまうんですが、「おいしい」というお声が多くてほっとしています。でも、本当の勝負はこれから。みなさまの反応を見ながら、さらなるおいしさに磨きをかけていきたいと考えています。

吉野:1870年に創業し、日本で最初に商業的に成功したビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」の志を受け継ぎ、私たちが、クラフトビールのプロジェクトを開始したのが10年前。クラフトビールのおいしさを日本に広めたいと思って活動してきたので、クラフトビールと銘打った商品にこんなにもたくさんの方々が興味を持ってくださったことに、とても感動しています。大きな時代の変化を感じますね。

安達:たしかに10年前と今では、クラフトビールに対する消費者の感覚も変わってきましたね。その頃はまだクラフトビールという言葉さえ浸透していなくて、「地ビール」なんて呼ばれたりもしていました。

吉野:この10年で起きた変化のひとつは、食のエンタメ化にあると思います。おいしいものを写真に撮ってSNSに上げることが、身近なエンタテインメントとして楽しまれるようになったんですね。特別なライフシーンの表現として、クラフトビールのような特別感のあるビールはSNSを通じて徐々に注目を集めていきました。

安達:そういった市場背景もあり、今やクラフトビールの認知度もぐっと高まりました。その時代を象徴するように、今回満を持して発売されたのが「スプリングバレー」ですね。

吉野:はい。家で過ごす時間が増え、特別なビールをおうちでも楽しみたいというニーズが高まってきたことから、今こそ家庭用クラフトビールの出番ではないかと考え、発売に踏み切りました。ここまでが本当に長かったので、今みなさんがSNSに上げてくださる「スプリングバレー」の家飲み写真を見ると、感慨深いものがありますね。

こだわりの設計と製法で実現した手加減なしのおいしさ こだわりの設計と製法で実現した手加減なしのおいしさ

安達:構想10年、想いが詰まった「スプリングバレー」。味づくりにも相当なこだわりが感じられます。

山口:そうですね。これまでのビールファンにはもちろん、初めてクラフトビールに接する方にもおいしいと思っていただける味わいを目指しました。味のコンセプトとしては、「豊潤なのに綺麗な後味」。この2つの矛盾を両立させるために、かなり試行錯誤を重ねましたね。

安達:具体的にどうつくり込んでいったのですか。

吉野:まず、一見して今までのビールとは違うことがわかるように、印象的な色と味わいに仕上げています。色や味わいを濃くするためには、原料をたっぷり使う必要があります。でも原料を多くすると、その分素材の持つ渋みや苦みも出やすくなってしまうため、それをどう抑えていくかという点でも矛盾との戦いでした。

山口:解決の糸口となったのは、当社の技術「ディップホップ製法」です。ホップから時間をかけて香りを引き出すことで、渋みや苦みを抑えた豊潤な口あたりと、後口の爽やかさを両立することに成功したのです。

安達:「スプリングバレー」を飲んでいると、ふと“転調”を感じる瞬間があるのですが、それもこの製法が関係しているのでしょうか。

山口:製法もそうですが、もうひとつの理由はホップの品種にもあります。今回は4種類のホップを組み合わせることで、トップノートから後味に至るまでそれぞれに理想の香りと味わいを追求しました。また「ディップホップ製法」では、ホップを入れるタイミングも通常のビールとは異なり、繊細で制御が必要な発酵工程が始まる直前に、ホップを入れ、さらに7日間じっくり丁寧に漬け込むことで、ホップの香りを最大限に引き出しています。

吉野:発酵前にホップを入れるという工程には、ホップの香りを引き出しつつ健全な発酵工程を経る為の高度な技術と管理体制が求められます。そこをクリアできたのは、キリンビールの技術力があってこそだと自負しています。この「ディップホップ製法」の開発には、試験醸造250回を要しました。

山口:味づくりに関していえば、そこからさらに回数を重ねています。とはいえ、ビール醸造は仕込んでからできるまでに約1カ月を要する作業。発売までの限られた時間でベストにたどり着くためには、しっかりと狙いを定めたうえで原料の選択や配分、発酵温度などを設計し、その結果をすぐまた次の試験に活かしながら、着実においしさを積み上げていかなければなりません。そういう意味では、挑戦の連続でしたね。

安達:なるほど。「スプリングバレー」の複雑な味わいは、緻密な設計思想とそれを実現した醸造技術の賜物なんですね。飲み進めるほどに趣を変えていくおいしさの秘密が、少しわかったような気がします。