トップに訊く

「家族のための葬儀」を全国へ 事業拡大の先にあるのは選択肢のある豊かな社会

株式会社きずなホールディングス 代表取締役社長 兼 グループCEO 中道 康彰氏

1990年4月リクルート(現・リクルートホールディングス)入社。2012年リクルートコミュニケーションズ代表取締役社長。16年エポック・ジャパン(現・家族葬のファミーユ)取締役COO。17年きずなホールディングス代表取締役社長、18年代表取締役社長兼グループCEOに就任 (現任)。20年3月に東京証券取引所マザーズ上場。

葬儀を「社会的儀式」から
家族の元へ取り戻す

「家族葬のファミーユ」、京都の「花駒」、岡山の「備前屋」を束ねるきずなホールディングスは、創業から20年を重ね、直営ホールを全国95カ所に持ち、2021年夏には100ホールに到達させる。16年から同社に経営参画した中道康彰氏は、同社最大の特色は葬儀についての考え方にあるという。

「当社が00年に業界に先駆けて家族葬に取り組んだときから貫いてきたコンセプトは、“お葬式を家族の元に取り戻すこと”です。通常の葬儀は儀礼儀式としての色彩が強いものですが、当社の家族葬最大の特徴は小規模のホールを1日1組限定の貸し切りで使っていただけることです。ご家族が望む形でゆっくりとお別れの時間を過ごしていただけます」

17年には、故人の好みや趣味を反映させる「オリジナルプラン」を開発。オーダーメイドの家族葬に取り組んだ。

「私にとって豊かな社会とは“選択肢のある社会”だと思っています。見送り方、見送られ方にもいくつもの選択肢があって当然、そしてその受け皿を用意すべきと考えました」

事業化直後は受注や収益で苦戦したというが、遺族や参列者からの評判、従業員の習熟度の向上もあって、順調に受注件数を増やし、同社の全葬儀の2割以上を占めるに至っている。

写真:葬儀場の一例。故人の好きなものを全面に飾った。

登山やホッケーを愛した故人の好きなものを全面に飾った葬儀。喪主は「妻の口癖まで聞こえてきそう」と感謝の思いを口にした

地域密着かつ水平型の
M&Aで全国へ店舗拡大

同社は20年5月期に約7900件の葬儀を提供してきたが、21年同期はそれを1000件以上超えるペースで推移している。高齢化により自宅近くでの小規模な葬儀を求める声の増加があり、なるべく商圏を狭く設定し、1店でも多くの店舗を展開する必要性を感じているという。

きずなグループ 直営店舗数

グラフ:きずなグループ直営店舗数 2001年2、2017年48、ここから2021年99で2.1倍に増加

中道氏着任時に48店だった店舗数は、その後の5年で99店に。店舗数は2.1倍に、出店スピードは1年あたり3.2店から10.2店へと3.2倍に加速

そのため同社は「地域密着」と「水平型」をキーワードにM&Aを進めてきた。

「私たちは地域で必要とされる存在になりたいと思っていますが、それには時間がかかります。ですから、葬儀や地域への考え方が同じであることを条件に、すでに地域から信頼を得ている企業に仲間に入ってもらい、元の経営者の方に同じ志で経営を続けてもらっています」

地域への間口は広く開けている。

「出店の際は丁寧な説明を欠かしません。葬儀がない時も直営ホールを開けてスタッフが常駐し、どんなご相談でも受けられるようにしています」

企業規模の拡大は従業員の働き方も変えた。「会社の規模が大きくなることで従業員にできることが増えました。働き方の改善は私自身も徹底的にコミットしているところです」

離職率も大幅に減少するなど、企業としての体力も強化された。

国内の死亡数推移と予測

グラフ:国内の死亡数推移と予測 2006年度108万4千人から右肩上がり。2040年度予測167万9千人

高齢社会で今後葬儀件数は伸長していく傾向に。実績値出典: 厚生労働省「人口動態統計」、予測値出典:「日本の将来推計人口(平成29年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp_zenkoku2017.asp

事業拡大・業界再編の先に
「日本再生」への思い

同社は、30年には直営店を300店舗にまで増やす計画だ。「“地域いちばん店を日本でいちばん数多く”、この中期ビジョンは従業員とも共有しています。地域で一番選ばれている店を日本中に持つことで、日本中の方に自由な葬儀を提供していきたいのです」

同社は創業時から『葬儀再生は、日本再生。』を理念に掲げ続けている。「葬儀再生とは、その人らしい葬儀を実現していくことです。そして家族は望み通りのお別れをすることで、喪失感や孤独感の中にも、次の一歩への希望や勇気を見出せます。そうした方が一人でも多くなることが、日本再生につながると考えています」

送られる側にも送る側にも心残りのない葬儀は、ひとつの人生のゴールであるだけでなく、新しい日々のスタートにもなる。きずなホールディングスはそうした信念の下、葬儀を家族へ取り戻す活動を続けていく。

ロゴ:株式会社 きずなホールディングス

株式会社きずなホールディングス

〒108-0014 東京都港区芝4-5-10 EDGE芝四丁目ビル7階

https://www.kizuna-hd.co.jp/

TO TOP