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JALで加速する、場所に縛られない新しい働き方 コロナ禍2年目の働き方とは? 働く人のパフォーマンスを高めるハイブリッド・ワークと従業員PC改革

新型コロナウイルス感染症の感染対策として導入が拡大したリモートワーク。一方で、リモートワークの有用性は認めつつも、従来のオフィスワークに回帰するような動きも見られるようになってきた。コロナ禍2年目を迎え、これからの働き方はどうあるべきか。人的資源管理、キャリアデザイン、組織改革の専門家として慶應義塾大学と法政大学で教壇に立つ他、複数の1部上場企業で社外取締役を務める中川有紀子氏に聞いた。

コロナ禍を契機に注目が集まるハイブリッド・ワーク

 コロナ禍2年目を迎え、職場で仕事をするオフィスワークと自宅で仕事をするリモートワークを組み合わせた「ハイブリッド・ワーク」が、新たな働き方として注目を集めている。

 オフィス外のリモートワークでも工夫さえすれば業務を問題なく進められることが分かり、いずれコロナ禍が収束した後も、会社に毎朝出社して9時から17時まで勤務する、といった以前の働き方に戻らなくていいのではないか、といった認識が広まってきた。

 一方で、オフィスワークで得られるリアルなコミュニケーションを渇望する声も多い。そこで両者のメリットを生かしつつ、働く人それぞれに最も適した働き方を選択肢として提供するのが、ハイブリッド・ワークの考え方だ。

COVID-19によるハイブリッドワークプレイスの6つのステージ

COVID-19によるハイブリッドワークプレイスの6つのステージ
ハイブリッド・ワークを推進するマイクロソフトが作成した「ハイブリッドワークプレイスダイヤル」。特定の時間軸ではなく定義された6つのステージがあり、このダイヤルはどちらの方向にも動く。COVID-19による地域の負担が改善されればそのオフィスのダイヤルは前に進み、状況が悪化するとダイヤルを戻す。マイクロソフトは、ダイヤルが指す現在のステージに沿って従業員のニーズをサポートし、状況に応じてリモートワークやオフィスで働くことができるよう柔軟に対応することが重要であるとメッセージを発信している
中川氏
慶應義塾大学産業研究所研究員(Ph.D.)
元・立教大学大学院ビジネススクール特任教授
法政大学リベラルアーツセンター客員教授
中川有紀子
慶應義塾大学産業研究所研究員(Ph.D.)、元・立教大学大学院ビジネススクール特任教授、法政大学リベラルアーツセンター客員教授、商学博士。専門は人的資源管理、キャリアデザイン、組織改革。日米企業にて25年以上にわたりグローバル人事実務などに携わる。日清食品ホールディングス、イワキ(6/1よりアステナホールディングスに社名変更)、東邦亜鉛でそれぞれ社外取締役を務める実務家でもある。

 ハイブリッド・ワークのような柔軟な働き方を取り入れることは、企業経営の面でもプラスになると提言するのは、人的資源管理、キャリアデザイン、組織改革を専門とする慶應義塾大学産業研究所研究員と法政大学リベラルアーツセンター客員教授で、複数企業で社外取締役を務める中川有紀子氏である。

 「企業が業績目標を達成しながら、5年、10年と生き残っていくためには、それぞれの社員が能力を最大限に発揮できるように、職場環境を整えていくことが重要です。

 また、コロナ禍をきっかけに、多くの企業が厳しい中でもデジタル化に投資して、様々な業務を非対面や非接触でも進められるよう取り組んできた結果、皆がリモートでも問題なく業務を進められることを実感してきました。

 コロナ禍によって、突然、その場その場に応じた最適解を探していくしかない時代が訪れましたが、職場環境や働き方、組織マネジメント、デジタル化などを改めて見直す良い契機が訪れたと考えるべきでしょう。そして、この機会に、タレント=才能のある人が能力を最大限に発揮するような職場にどこかで変えていかなければいけない。『業績目標を達成できれば、どこで働いていても、どういうアイデンティティーでもいい。その働き方で一番パフォーマンスが出るのであれば、ぜひそうしてください』ということを、会社はこれから言っていくべきなのです」(中川氏)

コミュニケーションでモチベーションを向上させる

 ハイブリッド・ワークを実践し定着させていくには、リモートワークにおいて不足しがちなコミュニケーションの確保がとくに重要になってくる。メール、社内チャット、オンライン会議、時には電話など様々なチャネルを通じて、従業員間のコミュニケーションを維持していくことが大切だ。

中川氏

 「リモートワークでも、あなたのことを気にかけていますよ、頑張りを見ていますよ、というメッセージをマネジャーが発信し続けることが重要です。すべての部下とワンオンワン(1対1)のミーティングを定期的に行うなどの取り組みが求められます」と中川氏は説明する。

 中川氏はその意味でも、ハイブリッド・ワーク用として従業員に支給(貸与)するパソコンにも、“メッセージ”を込めるべきだと提案する。

 「性能が劣る古いパソコンが支給されたら、組織で働く皆さんは『自分たちは大切にされていない』と感じてしまうかもしれませんし、パソコンの処理が遅ければ生産性も下がってしまいます。リモートでもオフィスでも業務時にはずっと見ているものですから、いわばパソコンは生活の一部であり、自分の分身みたいなものです。組織で働く皆さんそれぞれの業務に適しており、使い勝手に優れたパソコンを提供することが会社としてのメッセージになりますし、働く側のモチベーションアップにつながるはずです。

 リモートワークの普及で定期代、交通費、旅費といった使わない経費が出てきました。企業の投資にはいろいろありますが、組織で働く皆さんへの性能の良いパソコン貸与は、とても有効な投資です。性能の良いパソコンを配布することで、働く皆さんのエンゲージメントはとても高まるのです。経営者にはぜひ知っていただきたい手法ですね」(中川氏)

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