ムダを無くす“テンプレート”とは?
定型業務を自動化して、ラクになる。
人為ミスを防ぐ

Microsoft Teams × Power Automate

第1回
集中して「考える」を生み出す!
面倒な業務を自動化し、“創造的”な時間を生み出す

定型業務を自動化するツールとして注目を集めるRPA(Robotic Process Automation)。専門知識が必要だと怖れて、現場への浸透は進んでいないのが現状ではないだろうか。大切なのは、「もっとラクに、もっと頭を使う仕事に集中したい」といった社員の声に応えることだ。コロナ禍で急速に導入が進んだコラボレーションプラットフォーム、Microsoft Teams(以下、Teams) と、ローコードで定型業務の自動化を実現するRPAツール Power Automate の連携により、社員1人1人が自身の仕事のムダを省き、集中できる時間を生み出せる。専門知識は不要、マイクロソフト以外のアプリとの連携も可能だ。

集中できる時間を生み出すきっかけは
「もっと、こうしたらラクになる」という視点から

1日の業務の中で、集中して「考える」時間をどれくらい確保できているだろうか。メールのやりとりや各種業務の依頼対応、あるいは会議に参加していると、時間はあっという間に過ぎてしまう。業務の効率化は効果最大化の観点から、全社、部門、グループといったまとまった単位で考えられがちだ。しかし、日々の業務改善では「もっと、こうしたらラクになる」という視点が大切になる。

たとえば、「この作業が面倒だ」と思ったことを挙げることから始めてみよう。
・週次で行う営業業績の報告
・経費精算、出張精算の作業
・メールの整理、添付資料の保存
・各種依頼作業
・契約書などに関わる事務作業
・承認依頼

こうした作業は、業務の流れや手順が決まっている定型業務が中心となる。都度、判断や考察が伴う非定型業務と比べて、簡単でありながらも、型が決まっていたり、締め切り日が決まっていたり、ミスが許されない。多くのビジネスパーソンにとっては、やりたくはないが、やらなければならない業務だと言える。

定型業務の自動化で注目を集めているツールが、デバイス上で行っている作業を自動化するRPAだ。一般的に企業のRPAの取り組みでは、ワーキンググループをつくって課題を抽出したり、部門にRPA担当を配置して推進したりと、1人1人の社員が手軽に使えるツールではないというのが現状だろう。

1人1人の社員がRPAを使いこなすことができれば、生産性の向上に加え、以下のメリットがある。
・個人の仕事のスタイルに合わせた自動化により、日常業務がラクになる
・定型業務で生じやすいミスや、抜け漏れを防止できる
・通知や情報共有などの手間を省き、ビジネスのスピードが向上する
・本来注力すべき業務に、集中できる時間を生み出せる

もっとラクに、もっと創造的に仕事を行うために、社員がRPAツールを使いこなすメリットは大きい。しかし社員1人のために大きな投資はできず、情報システム部門の手を煩わせるわけにもいかない。こうした課題を一気に解決できるのが、専門知識のない社員でもローコードで定型業務をワークフロー化して、自動化できるRPAツール「Power Automate」だ。

Power Automate は、リモートワークや在宅勤務が増えて利用者が急増した Teams と連携できる点が大きな特徴だ。Teams 内で Power Automate を利用できることで、コラボレーションに限らず、様々な業務のハブとしての Teams の役割が拡大する。社員にとっては、Teams を起点に効率的かつスピーディに業務が行えるようになる。

マイクロソフト以外のサービスとも連携
Teams 上で様々な業務を可能にする

Teams と Power Automate の連携による自動化は、これまでのRPAの概念とは一線を画す。WebブラウザーでExtensionを追加して機能を拡張しているユーザーは多いだろう。実は Teams でも同じようにアプリを組み込んで、機能を拡張したり、用途に応じてカスタマイズできる。たとえば Excel の Teams アプリが組み込まれていれば、チャットで受け渡した Excel ファイルに関して、Excel を起動することなく Teams の中で閲覧、編集が可能。同様に Power Automate を Teams に組み込むことで、Teams 内で発生する様々な承認業務に対して、データが登録されると承認処理が開始されるといった承認フローを容易に作成できるようになる。

Teams と Power Automate による自動化で興味深いのは、マイクロソフト以外のサービスと連携できる点にある。Teams の機能を拡張する Teams 向けアプリが様々な分野から多数出ている。たとえば、名刺管理サービスの「Sansan」、電子契約サービスの「クラウドサイン」、PDFのAdobe Document Cloudとの連携により、Teams でオンライン会議中の名刺交換や、チャットで電子署名の依頼、Teams 上でPDFのレビューができる。タスク管理ツールTrelloを組み込めば、Trelloのタスクの動きに合わせて Teams に通知し、進捗状況をいち早くキャッチすることも可能だ。

Teams 向けアプリは900を超えており(2021年6月現在)、今後も増える見通しだ。Teams と Power Automate による仕組みは、マイクロソフトだけでなく他社ツールも含めて連携することで、各ツールを開くという面倒な作業をすることなく、Teams 上で様々な業務が行える。さらに、各ツールからの通知や情報共有といった定型作業をワークフロー化し自動化できる。

Teams と Power Automate による自動化は、他社ツールともシームレスに連携し日常業務の効率化を図る

人気の自動化テンプレートから試してみよう

定型業務の自動化は、「トリガー」というきっかけとなる処理と、その後の処理を「アクション」としてワークフロー化することが基本となる。たとえば、Teams 上で受信したメッセージをトリガーに、CRM(顧客関係管理)システムや業務タスクへの登録や、重要なメッセージの管理といったアクションに繫げていく。トリガーとアクションの2つの視点で日常業務を見直してみると、自動化の様々な種が発見できるだろう。

Power Automate には「Twitterの投稿を自動的に Teams のチャネルに送る」、上司からのチャットの見落とし防止にも役立つ「メッセージについてフォローする」「承認を得るためにフォームの回答を送信する」「条件に基づいてニュースフィードをメールに送信する」など、ワークフロー化するテンプレートがたくさん用意されている。「上司からメールを受信したらプッシュ通知を受ける」は、45万人近いユーザーが利用している人気のテンプレートだ。リモート作業、承認、通知、生産性、人気度での並べ替えなど、検索機能も充実。自分が必要とするテンプレートを探すことはもとより、自動化のイメージの把握にも役立つ。

Power Automate のテンプレート参照サイトは検索機能も充実している
https://japan.flow.microsoft.com/ja-jp/templates/

ニューノーマルに向けて、テレワークとオフィスのハイブリッド型の働き方が中心になると想定される。ニューノーマル時代の働き方において、クラウドをベースに業務の効率性や生産性の向上を図る Teams と Power Automate による自動化の活用シーンは、今後さらに広がっていくだろう。Power Automate は、Microsoft 365 に一部の機能が含まれており、テンプレートを利用し手軽に試すことが可能だ。1人の社員が作成した自動化アプリがグループや部門に拡大することで、ボトムアップによる現場改革が進む効果も期待できる。日々の小さな改善を積み重ね、その先の大きな時間の節約に繋げよう。

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