ムダを無くす“テンプレート”とは?
定型業務を自動化して、ラクになる。
人為ミスを防ぐ

Microsoft Teams

第3回
Teams + Power Automate で面倒な業務を自動化
よくある「承認」を自動化してみよう【応用編】

コラボレーションプラットフォーム Microsoft Teams(以下、Teams) と、ローコードで定型業務の自動化を実現するRPAツール Power Automate の連携により、社員1人1人が自身の仕事のムダを省き、集中できる時間を生み出せる。前回の基本編では、Power Automate の無料テンプレートを活用し、定型業務を自動化する手順を示した。応用編となる今回は、一から自動化のフローを組み上げる方法を紹介。これがマスターできれば、Power Automate 活用の可能性が一気に広がることだろう。

テレワークで問題が起きがちな
承認業務も自動化でトラブル回避

在宅勤務を行う企業が一気に増えるなか、しばしば混乱が起きているのが承認業務だ。テレワーク環境下では従来のような紙ベースでの承認申請が難しいことに加え、承認者と申請者が互いの姿を見られないことが影響しているようだ。

承認者は承認がいつ来るか分からず、突然の対応に迫られるケースが増える。一方、申請者も承認者の状況が分からないため、申請のタイミングを推し量っているうちに申請自体を忘れてしまうこともある。

そこで、そんな厄介な承認業務を Teams と Power Automate を活用して、自動化してみたい。

今回想定したのは、Twitter投稿の承認フローだ。

SNSを活用したマーケティングはすっかり一般化しているが、使い方を誤ると炎上するリスクがあるのはご承知の通り。それ故、投稿担当者は上司の承認があってはじめて投稿できるというルールを設けている企業は少なくないが、この承認フローを自動化するわけだ。

具体的には Teams の承認機能を使って、投稿予定の内容について承認を求め、承認されたら自動的にツイートを投稿するというRPAを組んでいく。

なお前回同様、Twitterアカウントと「Office 365 メールアドレス」が利用でき、「Microsoft Azure AD」で上司情報がきちんと設定されていることが前提である。このあたりの条件が揃っているかは、事前に準備、確認していただきたい。

手順1:フローの作成とトリガーの設定

Power Automate を設定する前に、Teams に投稿予定のツイート原稿を書き込むためのチャネルを用意する。

Teams における実際のチーム画面。今回は「デジタルマーケティング部」チーム内に「承認前Twitter原稿」というチャネルを作成

続けてWebブラウザで Power Automate にサインイン。サインイン後に表示される画面で、左のメニュー項目から「作成」を選択。「フローの管理画面」が表示されたら「フローを作成するための3つの方法」の「空白から開始」の中から「自動化したクラウドフロー」をクリックする。

「自動化したクラウドフローを構築する」というウインドウが開く

上のような画面が表示されたら「フロー名」欄に自動化する業務名を任意で入力(ここでは「ツイッター投稿の承認を自動化する」と入力)。「フローのトリガーを選択してください」には下部に一覧表示されている候補の中から「チャネルに新しいメッセージが追加されたとき Microsoft Teams」を選択し、作成ボタンをクリックする。

「フローの作成」画面が表示される

「フローの作成」画面に切り替わったら、Teams における何のチャネルにメッセージが追加されたら自動処理が始まるのかを設定する。事前に Teams で作成したチャネルについて「チーム」名と「チャネル」名をプルダウンから指定したら、「+ 新しいステップ」を押す。

手順3:承認のアクションを設定

ここからは、トリガーとなる動作が行われた後のアクションを設定していく。先の手順の後に新たに表示される「操作を選択してください」という枠内の検索ウインドウに「承認」と入力。下に一覧表示されるアクション項目から「開始して承認を待機」をクリックしたら表示されるウインドウの各項目は次のように設定。

・承認の種類:承認プロセスの完了条件を指定。ここでは「承認/拒否‐最初に応答」を選択
・タイトル:承認者に通知される承認依頼メッセージに表示されるタイトルを指定。ここでは「Twitter投稿承認依頼」とした
・担当者:承認を行う上司のアカウント名を設定
・詳細:承認依頼メッセージに表示させる内容を指定。ここでは「Twitterに以下の内容で投稿したいので、承認をお願いします。」を入力。さらに掲載予定の原稿を表示させるために、Teams アイコンがついたパラメーター「メッセージ本文コンテンツ」を挿入

「開始して承認を待機」枠の設定項目

ここまで設定できたら「+ 新しいステップ」をクリック。下段のアクション項目一覧から「条件 コントロール」をクリックして、条件設定に移る。

手順4:承認の可否に合わせてアクションを設定

ここからは承認依頼が認められた時のアクション、及び承認が拒否された時のアクションを指定する。まず「条件」枠の一番左の欄に「結果」のパラメーターを挿入。続いて中央の欄に「次の値に等しい」を選択し、一番右の欄に「Approve」と入力。

「条件」枠の設定項目

そして「はいの場合」枠内で「アクションの追加」をクリックし、申請が承認された際のアクションを指定する。

ここでは「コネクタとアクションを検索する」と書かれた検索ウインドウに「Twitter」と入力し、下部に一覧表示されるアクション項目から「ツイートの投稿」をクリックしよう。ツイートテキスト欄には、Teams アイコンがついたパラメーター「メッセージ本文コンテンツ」を挿入。これで承認が認められたら Teams の「承認前Twitter原稿」チャネルに書き込んだ内容が自動で投稿されるようになる。

「はいの場合」枠の設定項目

承認が拒否された際のアクションは「いいえの場合」枠で設定を行う。

今回は承認が拒否されたことを申請者にメールで通知されるようにしていこう。

「アクションの追加」をクリックした後に、「コネクタとアクション」の検索ウインドウに「office」と入力。下部に一覧表示されるアクション項目から「メールの送信(V2)Office 365 Outlook」を選択する。

そして、表示される「宛先」欄に自分のメールアドレスを、「件名」と「本文」にそれぞれ任意のテキストを入力。今回は件名に「ツイッター承認拒否連絡」、本文に「以下のツイッター投稿の承認は拒否されました。」というメッセージと共に承認されなかった原稿を表示させるために、Teams アイコンがついたパラメーター「メッセージ本文コンテンツ」を挿入した。

「いいえの場合」枠の設定項目

最後に保存ボタンをクリックして設定は終了だ。

これで Teams で設定したチャネルに予定原稿を投稿すれば、上司に承認依頼を行い、許可されればTwitterに投稿し、許可されなければその旨がメールで送られてくるというフローが自動化される。

Power Automate を積極的に使って、
限りある時間を最大限に活用しよう

以上、今回は一からフローを組み上げていく手順を紹介したが、何をトリガーにするかさえ決めてしまえば、あとは意外とスムーズに設定することができる。何を自動化させたいのかがはっきりしていていれば、アクションは自然と決まっていくからだ。

もちろん工夫次第で、さらに複雑な業務も自動化することが可能である。また、前回紹介した通り、たくさん用意されているテンプレートを流用&カスタマイズして、設定時間を短縮することも可能だ。

いずれにせよ Power Automate によって定型業務を自動化させることで、本来、人が取り組むべき創造的な業務に集中する時間を生み出せるのは間違いない。ぜひ積極的に活用していただきたい。

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