カーボンネガティブを目指すMicrosoft Cloudが支える持続可能な世界に向けた金融業界の取り組み

マイクロソフトは、今全社を挙げてCO2排出削減などの環境貢献に取り組んでいる。金融機関をはじめとするパートナー企業との環境関連プロジェクトも多い。環境意識が高い欧州の2つの事例を中心に、今世界の金融機関で何が起きているのかを探る。

2030年にカーボンネガティブを目指す

近年相次ぐ気候変動が、温暖化ガスに起因するという認識が常識となり、各国・地域でCO2の排出規制が強まっている。社会全体の危機感も高まっており、産業界でもCO2の排出削減に取り組むことは、もはやビジネスの前提となりつつある。

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズサービス事業本部
業務執行役員
金融イノベーション本部長
藤井 達人

そのような中、マイクロソフトは2020年1月、2030年までにカーボンネガティブとなるという目標を宣言した。カーボンネガティブとは、CO2の排出を削減するだけでなく除去を進め、それらを相殺した総量について除去が排出を上回る状態をいう。さらに2050年までには1975年の創業以来、直接的および電力消費などにより間接的に排出してきたCO2の環境への影響を完全に排除するとしている。2030年までに自社で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーにすることも宣言している。

同社では2012年から事業所ごとに社内炭素税を課しており、各部門での脱炭素の取り組みを促してきた。さらに2020年には「気候イノベーション基金」を設立。脱炭素に関する技術開発への投資を開始した。2020年には空気中のCO2を地中に埋める技術に投資をしている。日本マイクロソフト エンタープライズサービス事業本部 業務執行役員 金融イノベーション本部長 藤井達人氏は、「CO2吸収の手段には植林もありますが、近年激甚台風などによる倒木が増えており、 計画通りにいかないこともあります。そのため、こうした新技術にも投資を始めています」と説明する。

同社のクラウドサービスMicrosoft Azureも使用電力の多くが再生可能エネルギーとなっており、カーボンオフセットも実施。極めて高効率かつ省エネルギーなコンピューティング環境を利用していることで、一般的なオンプレミス環境からMicrosoft Azureへ移行することで、CO2排出量が92~98%低減できるという調査結果を発表している。

さらに2025年までに100%再生可能エネルギーへ、2030年までにウォーターポジティブ(排出量よりも多くを補充)および廃棄物ゼロなどを目標に、さらなるグリーンデータセンター(DC)化を目指している。「DCでは通常サーバーの冷却に大量の水を使いますが、特殊な冷却液にサーバーを浸水させることで水を使わない冷却方法の活用や雨水のリサイクルなどによって、水の使用削減を進めています」(藤井氏)。

世界の金融業界で進む環境配慮

日本マイクロソフト株式会社
コンサルティングサービス事業本部
コンサルティングデリバリー第一本部
アカウントデリバリーエグゼクティブ
真貝 一之

このような環境配慮の動きは金融業界でも同様だ。

従来の資産を増やすことだけを考えていた資産運用に対し、2006年、国連がESG(環境・社会・ガバナンス)投資を提唱。当初は投資家の利益にならないのではないかという議論もありながら浸透していき、今やESGを考慮しない投資こそが受託者責任に反するという考え方が主流となっている。

日本マイクロソフト コンサルティングサービス事業本部 コンサルティングデリバリー第一本部 アカウントデリバリーエグゼクティブ 真貝一之氏は、「企業は財務情報だけでなく、ESGの取り組み内容でも評価されるようになりつつあり、ESG情報開示が求められるのが世界的な潮流です。金融機関自らが脱炭素に取り組むだけでなく、投融資先にも取り組みの強化を求めるようになってきています。一方でESG情報は定量化や可視化が難しい側面もあります。表面だけ取り繕った『グリーンウォッシング』だと言われないためにも、情報の信頼性と透明性確保が重要です。これをお手伝いするのが、後で述べる『Microsoft Cloud for Sustainability』です」と語る。

特に欧州はEUの厳しい環境規制に加えて、若い世代の環境意識が高い。そのため、若者へのアプローチ方法の1つとして、環境を打ち出す金融機関が増えている。

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