三井不動産の挑戦 人が集まる場所を起点としたモビリティ構想 不動産×テクノロジー モビリティを軸に新たな体験価値を創造し不動産業を革新

三井不動産の挑戦 人が集まる場所を起点としたモビリティ構想 不動産×テクノロジー モビリティを軸に新たな体験価値を創造し不動産業を革新

三井不動産は、ヒト・モノ・サービスの「移動」に注目した「モビリティ構想」を始動する。オフィスで働くユーザー、街に暮らすユーザーに新たな体験価値を提供し、街の魅力を高めるのが狙いだ。モビリティ構想は、三井不動産が目指す不動産業そのもののイノベーションを加速する。

「モビリティ」を軸に
不動産業の在り方を見直す

少子高齢化による人口動態の変化、ICTを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速など、人々の価値観や働き方、ライフスタイルは大きな変化の時を迎えている。このような社会状況を背景として、従来型の産業構造やビジネスモデルの見直しが幅広い分野で進んでおり、不動産業界も例外ではない。

三井不動産は、グループ長期経営方針「VISION 2025」の重要施策の1つとしてテクノロジーを活用し、不動産業そのものを革新することを掲げている。今回打ち出したモビリティ構想は、3つの価値(図1)からなり、ユーザー目線で不動産やそこに内在する機能(モノ・サービス)をどう使ってもらえるかを考え、体験価値や満足度を最大化しようという発想である。

ユーザーが何を求めているか、どんなサービスを提供すれば体験価値が向上し、街の魅力が向上するかというサービスデザインの視点から「移動」に着目し、MaaSや移動商業などのプロジェクトを開発し、不動産ビジネスの在り方を刷新しようとしているのだ。

「移動」を不動産と組み合わせた「サービス」として提供することで、「自ら(ヒト)が移動する」「コンテンツ(モノ・サービス)が移動する」という2つの選択肢が生まれ、ユーザーの体験価値向上につなげることができる。

移動を容易にするシステムを提供することでユーザーの移動にかかる負担が減り、自分のニーズに合わせて多様な不動産(目的地)を効率的に組み合わせて使い分けることができるようになる。また、コンテンツそのものを移動させることで、不動産の枠組みを超えた可動型のサービス提供が可能になり、それぞれの不動産が持つ機能(モノ・サービス)をより容易に享受することができる。

さらに、これらのサービスを通じて、街中のいろいろな場所へのアクセスが容易になることで、今まで気づかなかった施設や店舗などの目的地を発見する機会が増えるとともに、コンテンツがオフィスや住居の近くに移動してくることで新しい体験価値が生まれ、街の魅力が高まるだろう。

アセット(不動産)のボーダレス化、不動産をサービスとして利用しユーザーの体験価値を向上、街の魅力コンテンツの発見・アクセスの向上により、不動産の枠組みを超えた可動型の柔軟なサービスを提供する

移動の自由度が増し
サービスが身近にやってくる

三井不動産が提供するMaaSは、一般的なMaaSと比較して狭い範囲に注目し、生活圏の中で、そこに暮らしているユーザー、働いているユーザーの満足度を高めることを狙っている。ビジネスイノベーション推進部主事の門川正徳氏は次のように説明する。

「私どものMaaSは、半径4~5kmの範囲の中での移動手段を充実させ、小さなコミュニティの活性化や利便性を向上することを一番の目標としています。そのようなコミュニティに根ざしたサービスには、ビジネスパートナーとの協力が不可欠です」

2020年9月から柏の葉、日本橋、豊洲地区のマンションを対象に月額定額制サービスの実証実験を開始。実証実験で先行した柏の葉のユーザーからは、「少し離れた公園に初めて出かけた」「今まで行ったことがなかったカフェに行った」などの声が聞かれ、街の新しい魅力の発見など、狙い通りの結果が得られたという。

「MaaS導入でユーザーの利便性を高めると同時に、今まで気づかなかった街の魅力を引き出すことができます。その結果として、交通事業者様にとっても新たなユーザー獲得の好機になると考えられ、Win-Winの関係が築けると思います」と門川氏は強調する。

MaaSがコミュニティ内での移動の自由を高めて体験価値を向上させるのに対し、必要な店舗が定期的にオフィスや住宅の近くにやってくることで、体験価値を高めるのが「移動商業」だ。

三井不動産はこれまで不動産事業で培った、ユーザーが求めるモノ・サービスに対する知見を生かし、場所や時間帯などによって異なるニーズに合わせて店舗を展開できる。一定期間を経て店舗が巡回するため、提供するサービスの鮮度を常に保てるのも強みだ。参加する事業者にとっては、ニーズの強いユーザーが多く滞留するピークタイムを狙って出店できるため、効率的な売り上げの伸長、さらにはリアル店舗とECに加えた新たな顧客接点を獲得できるメリットもある。

2020年9月から、MaaS Global社のアプリ「Whim」を導入し、柏の葉・日本橋・豊洲地区のマンションを対象に、月額定額制サービスの実証実験を行っている。利用者は、バス、タクシー、カーシェア、サイクルシェアなどのうち、エリアごとに異なるサービスの選択肢を自由に組み合わせて利用 できる。柏の葉の利用状況を参考に、日本橋・豊洲では個々の交通手段の利用に上限を設けないプランを用意した

移動商業プロジェクトは飲食・物販・サービスを提供する移動式店舗と多種多様なスペース(場所)をマッチングし、「街のにぎわい」や「いろどりある買い物」をもたらすことを狙う。場所や曜日・時間帯によって異なる消費者ニーズを捉え、ユーザーの体験価値を向上する。店舗が定期的に巡回する頻度を適切に管理することで、サービスの鮮度を保てるのも特徴だ

お問い合わせ

三井不動産株式会社

https://www.mitsuifudosan.co.jp/

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