手軽で身近に感じるオンライン接客が顧客体験を向上 野村不動産アーバンネットの接客DX

手軽で身近に感じるオンライン接客が顧客体験を向上 野村不動産アーバンネットの接客DX

野村不動産アーバンネットは、近年DX(デジタルトランスフォーメーション)による サービス価値向上に注力している。その流れの中でオンライン接客に取り組み、従来1割程度だった新築マンションの成約率が、オンライン接客後モデルルームを来場した場合、約3割と大きく伸長した。それを実現したのが、NTTコム オンラインの「ビデオトーク」である。

*野村不動産アーバンネット株式会社は、2021年4月1日に野村不動産ソリューションズ株式会社へ社名変更予定

アプリ不要で誰でも使える
オンライン接客ツール

野村不動産アーバンネットは、近年「人材とテクノロジー」に注力し、デジタル化を推進している。同社 経営企画室経営企画課 池田裕之氏は、「当社では、お客様へのご提案やサービスの価値向上と、営業効率を上げるためデジタル活用に取り組んでいます」と語る。

新築マンションの販売は、モデルルームに来てもらうことから始まる。しかし、近年モデルルームへの来場者が減少傾向にあり課題を感じていた。同社が分析した理由は2つ。モデルルームに行くこと自体が敷居が高いと感じる客層の存在と、時間が取れないという課題である。前者について池田氏は、「例えば、単身女性のお客様がモデルルームに行くと、営業に詰め寄られて煩わしいと感じ、なかなか来ていただけないようだと考えました」と説明する。

この2つの課題を解消するため検討を始めたのが、直接会わなくても顔を見ながら会話ができるオンライン接客である。コロナ禍以前の2019年末、検討を始めた。ツールの選定にあたり同社が最も重視したのが、顧客の使い勝手だ。同社の顧客は多様で、ITリテラシーもバラバラ。アクセスに複雑な手順が必要なツールでは使ってもらえない。またPCよりもスマートフォンが多いことが予想され、最初にアプリの導入が必要では利用を躊躇(ちゅうちょ)されると考えた。

そのような観点から様々なツールを検討した結果、同社が選んだのがビデオトークである。ビデオトークは送られてきたSMS(ショートメッセージ)に記載されたビデオ通話用URLをタップすれば、すぐにビデオ通話が開始できる。事前準備も複雑な手順も不要な利便性を評価した。「選定時点では、手軽だが画面共有が使いにくい、使い勝手は良いがアプリのインストールが必要など一長一短のサービスが多い中、ビデオトークはアプリ不要で誰でも簡単に使え、操作性も音声品質も満足いくものでした」(池田氏)。

同社は無料トライアルの期間内で使い勝手を試した後、2020年4月から利用を開始した。その頃には新型コロナウイルスの感染が拡大。緊急事態宣言に合わせてモデルルームが閉場したこともあり、オンラインで物件の説明をする形で利用を開始した。ビデオトークはアウトカメラの映像を相手に見せる機能を持つため、モデルルームの様子も動画で簡単に見せられる。

6月末からは新規受け付けの窓口でオンライン接客をアピールしたところ、申し込みが急増。7月のビデオトーク利用件数は、前月比約1.5倍と急伸した。さらに、これまでの成約率は見学者に対して約1割だったのに対し、ビデオトークで接客してからモデルルームを来場した顧客の成約率は約3割に至っている。効率アップにつながると同時に、顧客にとってもある程度モデルルームの様子が分かるので、見学するかしないかの判断がつきやすく喜ばれている。

シンプルな使い勝手が評価され
多様な業態で活用

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
ビジネスメッセージ・サービス部
テクニカルプロダクトマネージャー 岩水 堅治 氏

ビデオトークは企業がお客様とのコンタクト率を上げることに特化して開発し、シンプルにすぐ使えることを目指しました。もともと得意としていたSMSのソリューションにビデオを付加し、スマートフォンをターゲットとしています。

野村不動産アーバンネット様の他にも、多様な業態で利用されています。例えば引っ越し業は事前見積もりが必要ですが、担当者をお客様宅にあげての商談は躊躇されることが課題でした。電話見積もりも行っていましたが、精度が上がりません。その解決策としてビデオトークをご利用いただき、受注率が2割改善しました。またリユース業では、オンライン査定を行っていましたが、テキストと写真だけのやりとりでは離脱率が高いという課題がありました。そこで、ビデオトークをご活用いただいたところ、成約率が100%になりました。消防署の119指令台で利用いただいている事例では、通報者のスマホのアウトカメラで現状を写してもらうことで状況をスムーズに把握できますし、適切な処置を指示することも可能です。

ビデオトークは、対面や電話でのみ実施していた接客業務をリモートで実施できるため、BtoCの接客業務に革新をもたらします。

※ 2020年12月14日時点

誰でも使える簡単操作

企業側からオンラインでコンタクトしたい顧客に対し、SMSでURLを送信すると、顧客にメッセージが送られる。顧客は送られてきたURLをタップするだけで、担当者と顔を合わせて話を始められる

オンライン接客時の
オペレーター画面イメージ

相手のスマホカメラで写してもらった状況を映像で確認できる

より複雑な中古物件仲介でも
ビデオトークが活躍

その後、中古物件の売買に関しても、ビデオトークの利用を始めた。中古物件は基本的に対面での接客を重視してきたが、コロナ禍で対面が困難になったことから、問い合わせ対応ツールとして2020年7月から利用を開始した。同社 流通事業本部営業企画部企画課 志村昂俊氏は、「実際に使ってみると、思ったより使い勝手が良く、お客様にご負担をおかけすることなく利用できました」と語る。ビデオトークによる商談は確実に増加しており、2021年1月の利用者は、2020年10~12月の月間利用者に比べ倍増している。

中古物件の仲介には売り手と買い手がいるが、いずれについても多くのシーンでビデオトークが活躍している。志村氏は、「売却予定物件の現地確認や購入希望物件の現地案内、契約に関わる業務においてはオンラインでの対応が難しいケースがありますが、それ以外はあらゆるケースで活用しています。ビデオトークを使って画面共有をしながら簡易査定のご報告や購入希望物件のご説明など、電話だけでは難しい商談に役立っています」と語る。また、店舗定休日に本部でお客様の一時対応を担うことがあるが、店舗に送客する約3割がオンライン対応だ。「オンライン対応ができなければ接点が取れないお客様とつながれるので、機会損失を減らすことができています」(志村氏)。

ビデオトークによるオンライン接客は、顧客には現地に出向くことなく接客を受けられる便利さが喜ばれ、同社にとっても営業の効率化につながっている。コロナ禍と同時に利用が始まったビデオトークだが、既に同社の接客にはなくてはならないツールとなっている。

従来の2者間に加え3者間のコミュニケーションが可能になるなど、継続的な機能強化も実施しており、ますます活躍の場が広がりそうだ。

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