日経ビジネス電子版 SPECIAL
藤井省吾

パナソニックが提案するオーラルケアと健康

人生100年時代を迎える今、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上に欠かせないのが健やかな口腔環境だ。自分の歯で好きなものを食べるのはもちろん、昨今では体全体の状態にも大きく関わることが分かってきている。そんな口腔環境の現状と適切なオーラルケアについて、パナソニックで約10年『ドルツ』の商品企画を担当する細川慎氏(以下、敬称略)と、日経BP 総合研究所 藤井省吾の対談から紐解く。

細川慎
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痛みや自覚症状が少ない歯周病早めのケアが重要になる

私が所属する日経BP 総合研究所では、「歯と口からはじめる健康寿命の延ばし方」というリポートを出すなど、口腔環境の重要性を啓蒙しています。そのリポートによると、1989年に始まった、80歳になっても20本以上の歯を残すことを目標とした「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」のかいもあり、虫歯による歯の喪失は減っています。

一方で、軽んじられているのが、歯周病。痛みなどの自覚症状がないので、自分では気づきにくい疾患です。歯周病と判断される4mm以上の歯周ポケットを持つ人は、年々、増加しています。

歯を喪失すると、食事はもちろん、人前で笑う、話すといった行為にも影響を与えます。これは、人生100年時代のQOLにとって、大きな問題です。また、最近の研究では、血管内に侵入した歯周病菌や歯周病による持続的な炎症は、全身の健康状態にとってリスクがあるという指摘もあります。今後、健康寿命が80代、90代へと延びていくことを考えると、若いうちからオーラルケアを始めて、将来に備えることが非常に重要になるでしょう。

藤井省吾
日経BP 総合研究所 副所長
コンサルティングユニット長
メディカル・ヘルスラボ所長
藤井省吾
1989年東京大学農学部卒業、91年同大学院農学系研究科修士了、農学修士。同年日経BP入社。医療雑誌『日経メディカル』記者、健康雑誌『日経ヘルス』副編集長を経て、2008年から『日経ヘルス』編集長を務める。14年から、ビズライフ局長・発行人。同年に健康・医療の最新情報サイト『日経Gooday』を立ち上げた。18年4月から日経 BP 総合研究所副所長マネジメントソリューション局長。20年4月から日経BP 総合研究所副所長。
4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合
歯周ポケットとは、歯と歯ぐき(歯肉)の隙間のこと。この深さが4㎜以上になると歯周病と診断され、歯周ポケットには歯周病の原因となる菌を含んだプラーク(歯垢)がたまる。2016年では20代後半~30代前半の約3人に1人が、45歳以上では約2人に1人が疾患していることが分かる。

歯科医師が推奨するヨコ磨き「バス法」と「スクラビング法」

正しいオーラルケアには、正しい歯磨きが欠かせません。歯の表面にあるプラーク(歯垢)を除去するだけでなく、歯周ポケットにあるプラークもかき出す必要があります。これを実現する歯磨き法として、当社の調査によると日本の歯科医師の89%が推奨しているのが、「バス法」と「スクラビング法」です。

どういった歯磨き法なのか、教えていただけますか。

どちらも、「ヨコ磨き」を基本とした歯磨きです。異なるのはブラシを当てる場所と角度。「バス法」は、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てて、細かく動かして磨き、歯周ポケットにあるプラークをかき出します。「スクラビング法」は、歯ブラシの毛先を歯の表面に90度の角度で当てて、軽い力で細かく動かす方法です。これは、歯の表面のプラークを落とします。

この「細かく動かす」というところが難しいですね。

確かに、歯科医師が推奨する細かい動きを手磨きで再現するのは簡単ではありません。ヨコ磨きができる電動歯ブラシなら、その難しい動きを簡単に再現することが可能で、手磨きでは磨ききれない部分までしっかりとアプローチします。

  • ※1 バス法、スクラビング法。歯科医師400人の89%が推奨。2021年2月調査実施。パナソニック調べ
細川慎
パナソニック
ビューティ・パーソナルケア事業部
商品企画部
細川慎氏

歯周ポケットに着目しヨコ磨きに対応した電動歯ブラシ

『ドルツ』は「ヨコ磨き」に対応した電動歯ブラシだとうかがいました。開発背景を教えていただけますか。

パナソニックは、40年以上前から電動歯ブラシの開発を行っています。当時の歯科の歯磨き指導は、虫歯ケアを見据えたタテ磨きが主流。歯科の歯磨き指導が歯周ポケットケアを見据えたヨコ磨きに切り替わったタイミングで、当社ではいち早くヨコ磨きの重要性を認識し、製品に取り入れました。それ以来、常に進化を重ねており、9月に発売された『ドルツ』の新商品『EW-DT52』では、さらに歯周ポケットケアに重点が置かれています。

どういった特長があるのでしょう。

まず、リニアと回転、2つのモーターを使用した「W音波振動※2」です。1つ目のモーターは、3万1000ストローク/分でヨコ方向に動かすリニアモーター。歯に当てるだけで簡単に「バス法」と「スクラビング法」の磨きを再現します。

もう1つのモーターは、1万2000ストローク/分でタタキ方向に動かす回転モーター。歯ブラシの毛が歯間に入り込み、たたくように汚れをかき出します。この動きにより、立体的な磨きを実現しました。さらに特長的なのが、今回新たに開発したブラシ部分です。ヘッドを薄く、ネックを細くすることで、磨き残しの多い奥歯の奥までしっかり磨けるようにしました。

ヘッド部には毛先の細さが約0.02mmの「極細毛ブラシ」を使っており、しっかりと歯周ポケットのプラークをかき出します。また、歯周ポケットはデリケートなので、極細毛が入り込みすぎて歯ぐきを痛めないように、毛先に約3mmの段差をつけています。

手磨きでは難しい、「細かな動き」も解決したそうですね。

ブラシを大きく動かすデメリットは2つあります。1つは、歯周ポケットというデリケートな部位に対して刺激が強すぎること。もう1つは、せっかく入り込んだ毛先が歯周ポケットから飛び出してしまうこと。『ドルツ』では、歯科医師が理想的な動きと推奨する約1mm幅という細さで毛先を動かしています。

  • ※2 音波領域内での、ヨコ3万1000、タタキ1万2000ブラシストローク/分の振動

スマホアプリを使うことで常に正しい歯磨きを実践できる

『ドルツ』はハードだけでなく、ソフトにも特長があります。それが『ドルツ アプリ』。『ドルツ』シリーズの一部は、Bluetoothでスマホと連携して、正しい歯磨きを身に付けるお手伝いをします。歯科専門家から歯磨き指導を受けた直後は正しく磨けても、数日経過すると自己流に戻ってしまうことが多い。正しい磨き方を継続してもらうために用意しました。

専門家が監修したレッスン動画があり、それを見ながら歯磨きをすることで、磨き残しを少なくできます。また、レッスン動画と自分の磨き方を比較して、正しく磨けているかが簡単に分かります。また、ブラシの押し付けの強さも確認することが可能です。

これまでの間違った歯磨きを改善する行動変容を促すという意味では、非常に効果的だと感じます。『ドルツ』を支えているのは、パナソニックが電動歯ブラシ事業で30年以上培ってきた技術。得意分野であるリニアモーターの精密な制御などにより、歯周ポケットケアに推奨されているヨコ磨きなどを実現しています。これからも多くの人々の歯磨きをサポートする、技術開発に期待しています。

世界に比べ、日本はオーラルケアへの意識が低いと思われています。歯磨きに対する行動変容のきっかけとなる製品を今後も作っていきたいと思います。できれば、かかりつけの歯科医院で定期的な歯科健診を行いつつ、『ドルツ』で毎日のケアを行ってほしいですね。

  • ※3 使用前にお使いのスマートフォンのバージョンが、スマートフォンOS: iOS(iPhoneなど)13.0以上/Android7.0 以上、Bluetooth®:4.2以上であることを確認してください(2021年7月現在)。なお、ドルツアプリの内容は予告なく変更・削除されることがあります
音波振動ハブラシ(電動歯ブラシ)ドルツ EW-DT52
音波振動ハブラシ(電動歯ブラシ)
ドルツ EW-DT52
歯周病の原因となる歯垢をかき出すための、「ブラシが歯周ポケット内に入り込む」「歯ぐきに沿ってヨコ方向に動く」「歯周ポケットの中で細かく動く」という3つの要素を搭載した電動歯ブラシ。

藤井の取材後記

私たちは、人生100年を見据えた超高齢社会に生きている。そういった状況で、歯を含めた口腔とは、栄養を取り込む器官であり、かつ、笑顔などで他者とコミュニケーションを取る器官でもある。ここに疾患があったり、歯の喪失により咀嚼機能が衰えたりすると、健康な老後を送ることはできないだろう。

そんな事態を回避するためにも、日々のオーラルケアは重要だ。『ドルツ EW-DT52』は、1mm幅で細かく動くヨコ磨きやW音波振動、極細毛によって歯の表面だけでなく歯間、そして歯周ポケットに至るまでケア。また、磨くのが難しい奥歯の奥まで薄いヘッドと細いネックでアプローチして、磨き残しをなくしている。歯磨きという日々の習慣で、健康人生100年時代を口腔からサポートするコンセプトを実現するのが『ドルツ EW-DT52』だと確認できた。

ドルツ EW-DT52
歯周ポケットに着目した「ドルツ EW-DT52」が挑む技術革新
パナソニック
https://panasonic.jp/teeth/
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