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パナソニックが考える新しいくらしの価値【vol.1/食】「家電×サービス」で提案する一人ひとりに“ちょうどいい”くらし

2021年9月21日、パナソニックは「これからの家電について」新しい提案を発表した。家電とサービスを組み合わせた新スタイルを示すこの提案に迫る3回連載。第1回目では発表会で打ち出されたそのコンセプトと、「食」に関する新たなスタイルの提案を紹介する。

これからの家電に求められる役割は
一人ひとりが実現したいライフスタイルの後押し

 「一人ひとりに“ちょうどいい”くらしへ」というテーマを掲げ、パナソニックはこれからのニューノーマルの時代に向けた、新たな家電とサービスを発表した。多様化する価値観や社会の変化に応じて、進化を続けるパナソニックの家電が実現したい世界と製品に込めた思いについて、パナソニック専務執行役員の品田正弘氏は次のように説明する。

品田氏
パナソニック
専務執行役員
くらし事業本部 本部長
品田正弘
※2021年10月からの新組織名称、役職変更に伴い、発表会時より変更

 「新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちのくらしは大きく変わりました。新しい生活様式の中で、『家』は仕事や学び、趣味などあらゆる活動の中心へと役割を変え、求められる要素も多様化しています。そして、これからの家電には一人ひとりが実現したいライフスタイルを後押しする役割が求められているのです」

 デジタルとネットワーク技術の進化により、ビジネスや社会サービスのオンライン化が急速に進んだが、一方で、その恩恵を受けられる人とそうでない人との“情報格差”という新たな社会課題が顕在化していると品田氏は指摘する。

 「誰もが簡単に安心して使える身近なものとして、くらしの進化を支えてきたのが家電です。新しいIoT家電に求められるのも圧倒的な簡単接続、簡単操作であり、デジタルとの距離を感じている人を取り残さずに、家電が自らお客様の好みの生活パターンに寄り添い、デジタル技術の恩恵を感じてもらうことが大切なのです」

 それを実現するのがセンシング、AI、ロボティクスといったパナソニックの先進のテクノロジーであり、多彩な商品ラインアップのIoT家電が幅広い接点でユーザーとつながり続けることで、求められる機能やサービスを最適な形で提供することが可能になると品田氏は言う。

 「パナソニックの家電を選ぶことが、省エネルギーやフードロスの削減といった社会課題に貢献し、さらに持続可能なくらしへのアクションにつながっていく。そしてその先には、『自分らしく』『快適で清潔』『持続可能』なくらしを実現できる世界が広がっているのです」

一人ひとりのくらしに寄り添う
新しい「家電×サービス」

品田氏
パナソニック
くらし事業本部 副本部長
兼コンシューマーマーケティング ジャパン本部 本部長
河野 明
※2021年10月からの新組織名称、役職変更に伴い、発表会時より変更

 「一人ひとりのくらしに寄り添う新しい家電とサービス」とはどのようなものなのか、それを実現するための家電のIoT化の取り組みについて、パナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部 本部長の河野明氏はこう説明する。

 「2018年にくらしアップデート業を宣言して進めたIoT化は、エアコンや洗濯機などの生活家電、レコーダーやテレビなどのAV機器で合計12カテゴリーに及びます。当社家電全体の販売の約3割を占め、伸び率も2桁成長を続けています。今後も家電のIoT化を進めるとともに、IoT家電ならではのサービス開発も加速させていきます。家電がネットにつながることで、お客様のくらしの変化やお困りごとをきめ細かく理解し、その結果、一人ひとりのお客様のくらしに、もっと寄り添うことが出来ると考えています」

 具体的な家電とサービスの提案は、快適で清潔なくらしを叶える「空気環境」、家族みんなで協力する「家事」、一人ひとりにちょうどいい「食」のあるくらしの3つだ。

 「空気環境に対する意識はコロナ禍で格段に高まりましたが、清潔な空気へのニーズに応えるクリーンテクノロジーである新「ナノイーX」を、加湿空気清浄機や11月発売のエアコンLXシリーズに新搭載しています。また、在宅時間が増えたことで家事の機会も増えましたが、家電の作動状況や天気、行動予定などをスピーカー搭載の家電から音声で知らせるサービスがこの秋から始まります。音声をきっかけに家族みんなで家事を分担することで、ゆとり時間の創出を実現します。食については、ライフスタイルの変化に応じて後から機能をアップデートできるIoT対応のマイスペック調理家電や、重量検知によって冷蔵庫内の食材のストック情報が分かるストックマネージャーなどを通して、一人ひとりの食のニーズに応えていきます」

  • 一人ひとりにちょうどいい食のあるくらし

    一人ひとりにちょうどいい食のあるくらし
    最小限必要な機能だけを搭載し、自分仕様にカスタマイズできる「マイスペック」調理家電を発売。現状のラインアップは、後から機能をアップデートできるオーブンレンジ「ビストロ」と、炊飯と調理が1台でできて、アプリでメニューが増やせる「ライス&クッカー」。他にも、重量検知プレートとキッチンポケットアプリを使って食材管理する「ストックマネージャー」など、一人ひとりの食のニーズをサポートする。
  • 一人ひとりが協力して家事するくらし

    一人ひとりが協力して家事するくらし
    液体洗剤、柔軟剤、おしゃれ着洗剤という3つのタンクを搭載するトリプル自動投入を実現した11月発売の「ドラム式洗濯乾燥機」(写真右側)や、掃除機本体とダストボックスを分離したセパレート型コードレススティック掃除機「パワーコードレス」、IoT 対応家電の動作状況やくらしに役立つ情報を、スピーカー搭載家電がお知らせする「音声プッシュ通知」など、在宅時間が増加する中で家族みんなが分担して家事を行える機能を備えた家電やサービスを提供。
  • 一人ひとりに快適・清潔なくらし

    一人ひとりに快適・清潔なくらし
    OHラジカル量が「ナノイー」比100倍に進化し、室内の有害物質の抑制スピードがアップした新「ナノイーX」。その新「ナノイーX」に加え、室外機に「高分子収着材」を搭載し、換気・加湿・除湿の機能を備えたエアコン「LXシリーズ」や、次亜塩素酸技術を搭載した空間除菌脱臭機「ジアイーノ」などが、一人ひとりに快適・清潔なくらしを実現する空気環境を提供。現在開発中の寝室向けエアコンにも期待したい。

 発表会では、置き場所を選ばずに移動して使えるレイアウトフリーテレビや、QRコードで簡単にIoT家電を接続する仕組み、 CLUB Panasonicによるサポートの強化なども発表された。最後に河野氏は、「2024年度にはIoTでつながる家電の構成比を6割まで上げ、1000万人のお客様と深くつながり続けることを目指します」と今後について力強く締めくくった。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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