日経ビジネス電子版 Special

Now at Work 2021 Digital Experience Special Review これまでの「働き方改革」とは一線を画すニューノーマルに対応した企業の姿【vol.3】働き方改革 ─Work style reform─

第一生命、トランスコスモス、ネットワンシステムズはニューノーマルに対応した「働き方改革」を進めている。従来の「働き方改革」とは何が違うのか? ServiceNowの年次カンファレンス、「Now at Work 2021 Digital Experience」で紹介されたセッションの一部を紹介する。

コミュニケーションだけでなく
業務そのものに改革を

 コロナ禍の発生とともに、制度やツールの準備もなくリモートワークを実施せざるを得なくなった企業は多い。ひとまずウェブ会議システムやビジネスチャットなどのツールを導入して、社員同士のコミュニケーション手段は確保したが、紙の資料がないとできない作業や申請・承認のための押印などが、「出社せざるを得ない」状況をもたらしているケースとなっている。コミュニケーションの方法だけでなく、業務そのものを変える取り組みが必要だ。

 以下の3社のセッションから、数多くの課題を解決し、ニューノーマルの時代に対応した働き方を見ていこう。

第一生命

第一生命保険におけるニューノーマルな働き方を支える
プラットフォーム構築

 第一生命は、コロナ禍が発生するよりも前の2019年度から、時間や場所にとらわれない柔軟かつ効率的な働き方を支えるインフラとして、従業員にパソコンやスマートフォンを配布する取り組みを行ってきた。

 それをさらに一歩前進させ、リモートワークの状況でも効率よく業務が進められるようにメールやチャット、全社掲示板や文書管理などを取りまとめていたグループウェアの刷新を進めた。同社のセッションでは、 ITビジネスプロセス企画部 ラインマネージャーの吉留栄太氏が、新しいプラットフォーム導入に至るまでの「DNOW」プロジェクトについて語っている。

 従来のグループウェアは、スマートフォンで利用できるサービスはメールのみであり、データベース構成が複雑で情報検索がしにくく、オンプレミスのためクラウドサービスのような拡張性もないことが大きな課題であった。

 これらの課題を解決するため、第一生命はServiceNowなどの複数のクラウドサービスを組み合わせた、新しいプラットフォームを開発することにした。

 その中でServiceNowは、全社の掲示板や、申請・決済業務等を効率化するワークフロー業務の受け皿として利用している。その結果、複雑に構成されていたデータベースが一元化され、その情報を基に、様々な社内サービスの申請から承認までのプロセスが自動で回る仕組みを構築することができた。

 同社では、従業員自身が、自分たちの使いたいアプリケーションを自ら開発して追加する「市民開発」も奨励しており、吉留氏は「開発が容易なプラットフォームであることも、ServiceNowの魅力の一つ」と語っている。

吉留氏
吉留 栄太
第一生命保険株式会社
ITビジネス企画部 IT運用管理課
ラインマネージャー
エグゼクティブITスペシャリスト
Now at Work 2021 Digital Experience
トランスコスモス

ニューノーマル時代の働き方改革と
ServiceNow

 DEC(デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター)サービスとBPOサービスを提供するトランスコスモス。同社のセッションには、理事 BPOサービス統括 ITOサービス本部 副本部長を務める田崎正悟氏と、同本部 事業戦略統括部長の加藤竜也氏が登場し、顧客企業に提供しているServiceNowを利用したサービスと、同社におけるServiceNowのIT Service Management(以下、ITSM)の活用事例を紹介している。

 トランスコスモスは、顧客企業が従業員用のパソコンやスマートフォンなどを調達する業務を効率化する「ITスマートソーシングサービス」を提供。そのプラットフォームとしてServiceNowを利用している。田崎氏は、「従業員からの申請をAIやチャットボットで受け付け、調達、故障対応に至るまでの業務が自動で回る仕組みです。在宅でも申請や進捗状況の確認ができるので、ニューノーマルな働き方に対応しています」と説明している。

 一方、加藤氏は、トランスコスモスの社内におけるITSMの活用事例として、①従業員が在宅ワークで利用するパソコンの稼働管理、②従業員の体調報告・管理、③同社のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)センターへの従業員の入退場申請・管理、の3つを紹介。

 「パソコンの稼働管理では、従業員が自宅で使っているパソコンでもマルウェア検知などのセキュリティ監視が行える環境を整えています。従業員の体調管理においては、ServiceNowのリクエスト機能を使って、モバイルアプリから体調に関する報告ができる仕組みを構築しました。報告者の負担が軽減されただけでなく、対応する担当者の工数も約70%削減されました」(加藤氏)とその効果を語っている。

田崎氏
田崎 正悟
トランスコスモス株式会社
理事 BPOサービス統括 ITOサービス本部
副本部長 BPOサービス統括
事業推進本部 ITOコーディネート統括部長
加藤氏
加藤 竜也
トランスコスモス株式会社
BPOサービス統括 ITOサービス本部
事業戦略統括部長
 
Now at Work 2021 Digital Experience
ネットワンシステムズ

ネットワンシステムズが実現した、働き方改革2.0/DXにおける
ビジネスワークフローの活用

 ネットワンシステムズは、10年以上も前の2010年から「働き方改革1.0」を推進。オフィスのフリーアドレス化や、外出先でも会社のサーバにアクセスできる仮想デスクトップの導入、テレワーク制度やフレックスタイム制度の整備などに取り組んできた。

 それをさらに進化させるために、19年から「働き方改革2.0」とする取り組みを開始した。同社のセッションでは管理本部 DX推進部 第1チームの三沢義典氏が、ServiceNowを活用したこの改革の具体的な取り組みについて紹介している。

 「働き方改革2.0」では、ServiceNowを使って業務を自動化・可視化し、テレワークを加速させるといった、ニューノーマルに対応した働き方を進めている。

 業務の自動化・可視化の一例として、三沢氏は派遣社員のオンボーディング(受け入れ)時における各種申請の業務プロセスを、ServiceNowのデジタルワークフローによって自動化した事例を紹介。派遣社員が一度データを入力すると、契約担当や受入担当、パソコンなどの貸与担当といった、あらゆる担当者にそのデータが送られて申請が処理される仕組みについて解説した。

 また、テレワークを加速させる仕組みとしては、コロナ禍を受けて、自宅のパソコンで始業時間と終業時間を打刻できる「Web打刻」を開発。「アプリケーションの開発が容易なServiceNowを利用したおかげで、わずか2週間で構築できました」と三沢氏は振り返った。

 以上に紹介した3社の取り組みは、ニューノーマル時代の「働き方改革」を模索する企業に、様々なアイデアをもたらしてくれるだろう。「Now at Work 2021 Digital Experience」では、さらに詳しい内容を公開しているので、視聴してみてはいかがだろうか。

三沢氏
三沢 義典
ネットワンシステムズ株式会社
管理本部 DX推進部 第1チーム