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デジタライゼーションでロジスティクスの効率化と高付加価値化を加速 SGホールディングスのデジタライゼーション

コロナ禍においてもビジネスと人々の暮らしを守るエッセンシャルサービスを安定的に提供し、成長を続けるSGホールディングスグループ。2021年度、同社は新たなテクノロジーを取り入れ、ロジスティクスの効率化を通じて社会課題の解決を図る取り組みを進化させる。キーワードはデジタライゼーション。構想の全容を同社でデリバリー・ロジスティクス事業担当を務める本村正秀取締役が語った。

 SGホールディングスグループは、総合物流企業グループとして、グループ各社の専門分野を融合させることで顧客の経営課題に最適、かつ高度なソリューションを提供しております。2020年1月、次世代型大規模物流センター「Xフロンティア®」(以下XF)を竣工しました。先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL®(GO Advanced Logistics)」の拠点であるとともに、これまでに比べ約5倍もの処理能力を有する複数のマテハン機器を駆使した大規模中継センター、さらにAIやロボティクスを積極的に取り入れたECプラットフォーム、国際物流、大型特殊輸送機能など、グループソリューションのフラッグシップセンターとなっております。

 今後は、このXFで発揮するグループシナジーと、デジタライゼーション推進による相乗効果によってTransportationを進化させてまいります。

図1 デジタライゼーションによる相乗効果

図1 デジタライゼーションによる相乗効果

コロナ禍のEC需要急拡大にも対応

本村 正秀 氏

SGホールディングス
取締役 デリバリー・ロジスティクス事業担当
兼 佐川急便 代表取締役社長
本村 正秀

1960年生まれ。1980年に東京佐川急便(現・佐川急便)入社。常務取締役、専務取締役を務めた後、退社。タクシー会社「ANZEN Group」の代表取締役社長などを歴任。2019年4月佐川急便代表取締役社長(現任)。2019年6月SGホールディングス取締役デリバリー・ロジスティクス事業担当

 コロナ禍を契機に物流にも変化が生じています。巣ごもり需要の拡大やテレワークの定着などによって、電子商取引(EC)が急拡大しました。XFには、佐川グローバルロジスティクスが提供するサービス「ECプラットフォーム」があります。最新のロボティクスとスペースが従量制で利用できるということもあり、急速な変化への対応が必要なEC事業者など、ご利用いただいたお客さまから非常に高い評価をいただいています。

 また、こういった背景によって例年より宅配便の取り扱い個数が増加した昨年末は、荷物の処理能力が大幅に向上したXFの大規模中継センターの一部が稼働したことにより、お客さまへのサービス水準を維持することができました。

AIを活用したルートナビの高度化

 当社グループは、2005年に経営を効率化させることを目的にIT最適化への取り組みを始動。2013年にはビッグデータを活用し、荷物1個当たりのコスト管理を実現。徹底した採算管理によって経営基盤を強化してきました。今後は、さらなる企業価値向上やお客さまの利便性向上のため、デジタライゼーションの推進に取り組んでまいります。

 その取り組みの一つが、ラストワンマイルの品質平準化、業務効率化に資する、AIを活用した「ルートナビ」です。貨物情報と地図情報などをAIで解析し、佐川急便のドライバーのスマートフォンに最適な配送ルートを表示することで、熟練度に左右されない配送品質を維持できます。年末の最繁忙期に行った実証実験では、新人ドライバーとそのエリアを熟知するドライバーが同じ時間で配達できるという効果がありました。新人や繁忙期の応援者でも、担当ドライバー並みの品質で配送ができ、顧客満足度の向上につながると期待しています。

 今後、さらにルートナビの利便性を高めるための施策として、スマートシティ構想で利用が検討されている電力メーター情報の活用を検討しています。これには法整備などまだまだ課題はありますが、配送先の「在不在予測」も織り込んだルートナビが実現すれば、さらなる効率化が図れると考えています。

図2 デジタライゼーションによる業務の効率化・配送品質の平準化

図2 デジタライゼーションによる業務の効率化・配送品質の平準化

手書き伝票のフルデジタル化

 デジタライゼーションのもう一つの取り組みが、佐川急便のドライバーの作業負荷軽減と効率化に必要不可欠な「手書き伝票のフルデジタル化」です。アナログ情報が残っていると、ドライバーによる手入力が必要になるため、効率化の効果が半減してしまいます。残り約1割の手書き伝票を「AI-OCR」で読み取りデジタル化することで、集荷した当日中に貨物情報がシステムに反映され、全国のドライバーの業務量や集配品質の平準化・標準化に大きく貢献します。

 コロナ禍で接触機会を避ける「置き配」を選択される方が増えているように、お客さまの荷物の受け取り方も、時代のマインドや生活様式に応じて変化します。常識にとらわれず、多様なサービスを柔軟に提供するためにも、先進技術を採用しデジタライゼーションやDXなどを進めていくことが大切だと考えています。

 XFという最先端のプラットフォームやデジタライゼーションの活用によって、皆様に利便性を実感いただけるようなTransportationの進化を実現してまいります。原材料調達や国際輸送といった川上物流からラストワンマイルまで、物流に関することは何でも当社までご相談ください。

SGホールディングス株式会社

SGホールディングス株式会社

〒601-8104 京都市南区上鳥羽角田町68番地

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