課題先進国とも評される日本。これから私たちが向き合っていかなければならない切実な課題の1つに医療がある。医療費は年々増え続けており、このままでは国民皆保険制度を維持するのが難しいという指摘もある。解決に向けたアプローチは様々だが、テクノロジーを活用した方法を提案しているのがソフトバンクのグループ会社であるヘルスケアテクノロジーズだ。「HELPO」というヘルスケアアプリを通じた医療サービスを提供し、病気になる前に健康状態の悪化を食い止めるという。課題先進国とも評される日本。これから私たちが向き合っていかなければならない切実な課題の1つに医療がある。医療費は年々増え続けており、このままでは国民皆保険制度を維持するのが難しいという指摘もある。解決に向けたアプローチは様々だが、テクノロジーを活用した方法を提案しているのがソフトバンクのグループ会社であるヘルスケアテクノロジーズだ。「HELPO」というヘルスケアアプリを通じた医療サービスを提供し、病気になる前に健康状態の悪化を食い止めるという。

アプリを通じて医師たちに健康相談を行う

──ヘルスケアテクノロジーズのビジネスは「ヘルスケア領域のDX」だと聞きました。どのようなビジネスを展開しているのでしょうか。

大石 法人や自治体のお客様に向けてヘルスケアアプリ「HELPO」を通じた医療サービスを提供しています。現在、サービスの中心となっているのは「健康医療相談チャット」です。普段の生活の中で気になった不調や違和感など、ちょっとした身体の不安を気軽に相談することができます。対応するのは当社が雇用している医師、看護師、薬剤師の医療専門チーム。彼らが24時間365日の体制でアプリの向こうに控えています。

──どのようなアドバイスをもらえるのでしょうか。

大石 単に専門家の見解を伝えるだけでなく、最適な行動までをアドバイスします。例えば、病院にかかった方がよいと判断した場合は受診すべき診療科を伝えます。HELPOには病院検索機能もあるので、近くのふさわしい病院をすぐに探すこともできます。また、オンライン診療サービス「curon」との連携により、相談をそのままオンライン診療に引き継ぐこともできます。

 一方、一般用医薬品の服薬を提案する場合は、併設しているヘルスケア特化ECサイト「ヘルスモール」での購入までご案内します。購入いただいた商品は、全国どこでも配送し、東京23区と福岡市であれば最短で3時間、その他地域は最短翌日に商品をお届けします(図1)。

図1 現在のHELPOの主なサービス

健康医療相談後の受診や一般用医薬品の購入もサポートする

──なぜ、そのようなサービスを提供しようと考えたのでしょうか。

大石 ヘルスケアテクノロジーズは、DXを推進するソフトバンクがヘルスケア分野の様々な社会課題を解決するため設立した会社です。

 現在、日本は少子高齢化が進む中で医療費が増大しており、国民皆保険制度の限界などが懸念されています。この課題を解決するには、制度の見直しなど、多角的な取り組みが必要ですが、欠かせない視点の1つに病気になる前の「未病」で健康状態の悪化を食い止めることがあります。そこでHELPOを通じて私達が身近な相談役となり、日々の健康をサポート。大病につながるかもしれないリスクの芽を摘むお手伝いをしたいと考えたのです。

健康経営の実践が労働力不足の解消につながる

──日本マクドナルド・フランチャイジーのオハナは、なぜHELPOの導入を決めたのでしょうか。

牧野 オハナは日本マクドナルド・フランチャイジーとして、神奈川に複数の店舗を展開しています。もともと私自身が日本マクドナルドで働いていたこともあり、経営に当たっては、マクドナルドと同じ「ピープルビジネス」という価値観を大切にしています。

 これは働くクルーや社員一人ひとりの成長に貢献することを企業の責任と定め、そのための働き方を実現していくこと。オハナは健康経営とダイバーシティを2つの柱として、その実現を目指してきました。

 しかし、その中でいくつかの課題に直面しました。

 まず1つ目の課題は健康経営活動の事業によっては対象や内容が限られてしまうことです。日本マクドナルドの健康保険組合に活動をサポートしてもらっているのですが、組合で事業内容を決定するため、大部分を占めるアルバイトクルーのためにという視点で選択することができません。また、多くの従業員は加入者ではないので対象外となってしまっていたのです。

 この課題は、人を大切にする価値観に沿って、すべてのメンバーに平等な環境を提供したいという想いに合致しないというだけでなく、その実行には、よりシビアな側面もあります。というのも、マクドナルド店舗の運営にアルバイトクルーは必要不可欠。彼ら、彼女らがいなければたちまち運営が立ち行かなくなります。特に当社はダイバーシティも同時に掲げており、シニア世代のクルーもたくさんいます。労働力不足が社会問題となる中、皆さんに1日でも長く元気に働いてもらいたい。そのためには全員を対象にできる健康経営活動が不可欠です。

──ほかには、どのような課題があったのでしょうか。

牧野 2つ目の課題は、忙しい時ほど健康を気にすべきなのに、忙しい時ほど健康を二の次にしてしまいがちということです。例えば、スタッフに健康のことで声をかけても「今、忙しいので、なかなか出来ない」との返答がたまにあります。この課題を解決するには、時間や手間が掛かる特別なものではなく、毎日の生活において、より身近な取り組みや仕組みが必要だと考えていました。

──それで、健康保険組合とは関係なく、誰でも、スマートフォンを通じてサービスを受けられるHELPOを採用したのですね。

牧野 営業時間が長く、生活も不規則になりがち。そうした中で健康上のちょっと気になることをスマートフォンで相談できる。面倒な手続きや操作も不要で、高齢者でも十分使える。そう評価して採用を決めました。

専門チームの拡充やサービスの強化に取り組む

──導入した手応えはいかがですか。

牧野 まだ導入したばかりで本格的に利用していくのはこれからです。導入時に評価した通り、このサービスが当社のニーズに合致していることは間違いありません。どのように周知し、登録率のアップや利用を促進していくかが、これからのテーマです。

大石 お客様が抱えている従業員様の健康管理や健康経営の課題は一筋縄ではいきません。そもそも、明確な健康課題を認識していない従業員様が多い中で、企業全体として取り組むべき課題を特定すること自体が難しいともいえます。そこで、当社ではお客様が抱える課題と伴走しながら解決に取り組むカスタマーサクセスのチームを設置し、課題特定から一緒に考える体制を構築しています。

 このチームでは、HELPOの利活用だけでなく、当社の医療スタッフのリソースやパートナー企業のネットワークを生かして様々な企画や施策の支援を行っています。こうした取り組みを通じて、課題解決はもちろん、サービス品質や新しい機能開発などに随時フィードバックをしていくことで、お客様にとって使いやすく、より良いサービスに育てていきたいと考えています。

──HELPOの今後の展望をお聞かせください。

大石 HELPOは、紹介した健康医療相談チャット以外に、コロナ禍を受けて追加したPCR検査の業務支援サービスや「HELPO ワクチン接種支援オプション」などのサービスもありますが、今後もより多くの価値をお届けできるようさらなる強化に取り組みます。

──具体的には、どのような強化を図るのでしょうか。

大石 まず医療専門チームの拡充を進めます。前述した通り、現在の体制は、医師、看護師、薬剤師ですが、そこに栄養士、保健師を加える予定です。

 その上で、この体制を生かしたサービスを追加していきます。例えば、生活習慣病予防のための「特定保健指導」を追加。その際、ウエアラブル端末の活用など、デジタルプラットフォームを使っている当社ならではの価値も付加したいですね。

 また、最近増えているのがテレワークの拡大に対応したいというニーズです。これまでのように直接目で健康状態を確認することができないことが原因で病院の受診が遅れたりすると、大きな病気につながる可能性もあります。それをHELPOでフォローできないかと考えています。在宅勤務で陥りがちな運動不足を解消するための運動指導をメニューに追加するなどしながら、様々なニーズに対応していきたいと考えています(図2)。

 こうしたサービスの強化に取り組んでいく上で、ソフトバンクが持つ多様なリソースを有効活用できるのも当社の強み。グループの協力も得ながら、さらに大きな価値を提供していきます。ぜひ期待してください。

図2 HELPOのこれからの強化

日々の健康サポートから、より医療に近い分野まで、幅広い領域をカバーしていく計画となっている。

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