日経ビジネス電子版スペシャル

現場を回す「派遣」からともに成長を目指す「チーム」へ エンジニア不足解消のポイント

慢性的なエンジニア不足に加え、新型コロナウイルスの感染拡大によって
働き方も大きく変化した。事業成長に向けて必要な人材を確保するために、
これからの企業には何が求められるのか。

技術者派遣・ITエンジニア派遣の「スタッフサービス・エンジニアリング」を
展開する株式会社スタッフサービス 執行役員の平井 真氏に伺った。

人手不足は変わらないが、
働き方の変化によるチャンスも。

株式会社スタッフサービス 執行役員(エンジニア領域事業担当)平井 真 氏

株式会社スタッフサービス
執行役員(エンジニア領域事業担当)

平井 真

2002年、スタッフサービスに入社。事務職派遣の営業職、エンジニア派遣のオフィス長を経た後、13年にユニット長として近畿エリアを統括。15年4月、執行役員(事務領域事業担当)に就任、19年4月より現職。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)、一歳児の子育て奮闘中。

- コロナ以降、エンジニアの人材市場はどう変化したのか。

平井
2020年春の緊急事態宣言時は一時的に求人ニーズが急落したものの、夏から年末にかけて前年と同じ水準に戻りました。2021年現在、日本全体の有効求人倍率が1.8(※)に対して、特に技術系は3.2(※)ですので、市場は明らかに人材不足であると言えます。業界別で言うと、当社が受注する求人状況からも、世界的に求められている半導体、化学・バイオでの需要の高まりが顕著です。経済が大きな打撃を受けても、研究開発の人材ニーズがすぐに復調したことは、我々自身、日本のものづくりの投資意欲の高さを改めて認識する機会にもなりました。ただ、傾向として今まで以上に即戦力を求める現場が増えており、今後も人手不足の状況は続くと見ています。
一方で、リモートワークの拡大により企業側にはチャンスが生まれたという見方もできます。従来のようにオフィスへの出社前提だと選べる人材にも限りがありましたが、在宅勤務OKという選択肢が増えたことで、エリアの制約がなく優秀なエンジニアを迎える機会が増えてくると言えます。

エンジニアの質を決めるのは、
「技術×ヒューマンスキル」。

- 即戦力を求める傾向が高まる中、求められるエンジニア像とは?

平井
かつてエンジニアと言えば「技術」を重視されていましたが、近年は「ヒューマンスキル」も重視されるようになってきました。ヒューマンスキルとは、プロジェクトを推進するために必要なコミュニケーション力のこと。ダイバーシティ&インクルージョンが進む中、必要不可欠なスキルになってきました。リモート化など働き方が変化することでも、チームで連携して業務を動かす力がますます求められてくるでしょう。また、通勤が不要になり生まれた時間をいかに有効活用できるかも課題となってきます。日進月歩のエンジニアの世界では、自ら学び続ける力こそが、現場のパフォーマンスに直結してくるからです。
ただ獲得競争が激化する中で、優秀な人材の登場を待つだけでは厳しいでしょう。個人の資質に頼るのではなく、雇う側もこうした人材が育つ環境を整える努力が必要です。例えば当社は日本のものづくりへの貢献を目指し、長くエンジニアの育成・創出に力を入れてきました。直近では当社グループでリモートワークを行う派遣スタッフが1万人を超えたことから、スタッフサービス・エンジニアリングでは、全エンジニアを対象にした動画学習コンテンツを導入。こうしたツールの活用で知識や技術を高めることはもちろんですが、「学ぶ習慣」を身に付ける本質的な支援をすることが、活躍する人材づくりのために必要だと考えています。

当社グループ内でリモートワークを行う
派遣スタッフは1万人以上

当社グループ内でリモートワークを行う派遣スタッフは1万人以上

エンジニアも、企業も、いかに
「派遣」の世界観を越えられるか。

− この時代も、必要な人材を確保する企業の傾向とは?

平井
派遣に関して言えば、近年はプロジェクト単位での活用にとどまらず、より長期的な視点で継続活用することで、成果を上げる派遣先企業様が増えています。例えば、女性エンジニアが出産、育児、介護で長期休暇を取得する際、派遣先企業様の社内で引継ぎを行うことで、同じ現場に復帰し、一つの就業先でキャリアを長期形成するケース。また、資格取得や勉強会を開催するなど意欲の高いエンジニアを自社に迎えたいとご相談いただき、直接雇用となったケースもあります。
このように現場で求められる人材に共通しているのは、従来の「派遣」という割りきった世界観を越え、チームの一員として積極的に関わろうとする姿勢があること。派遣先企業様もこうした人材を生かすことで、自社特有の知識・技術を身につけた人材を長期の財産として活用できるメリットがあると考えています。当社では、エンジニアを直接雇用したいというご相談も、お互いのためになるようであれば歓迎しています。通常、費用を投じて採用・育成した人材の引き抜きを嫌がる派遣元企業は多いのですが、日本のものづくりに貢献するという大きな観点から、ここ数年で変化してきたスタンスです。

エンジニアの3大ニーズと、
見守る「余裕」を持つこと。

− 最後に、これからのエンジニア雇用で成功するためには?

平井
今後も売り手市場が予想されるからこそ、現在のエンジニアが求める3つのポイントを把握することが大切だと思います。1つ目は、スキルアップできる環境。2つ目は、働きやすい環境。3つ目は、適切な評価。特に2つ目に関して、近年は男性の育休取得も進んできているように、様々な状況の人材を受け入れるダイバーシティへの対応は欠かせません。
現在、多くの管理職の方が、シビアに成果を求められ、しかし現場には人手が足りない…と悩み、疲弊していらっしゃいます。とはいえ人材が不足する現状の中、即戦力ばかりを求めるのは現実的ではないため、組織として「人を育てていこう」というある程度の余裕を持つことは必要だろうと思います。将来を担う人材が育たなければ、結局は自分たちの可能性を狭めることになってしまいますから。目の前の仕事をこなすことはもちろん大切ですが、並行して長期的な人材活用・育成を進め、現場を任せられるエンジニアを増やすこと。それが結果的に管理職の方の負担を軽くし、事業の持続的な成長につながるということを、今改めて考える時期なのではないかと思います。

株式会社スタッフサービス 執行役員(エンジニア領域事業担当)平井 真 氏 平井 真 氏

「社会状況が変化する中で、幅広い人材ニーズに対応できるのが当社の強みです。
企業様のご状況に合わせたエンジニアの活用方法などもご相談ください」と、平井氏。

スタッフサービス・エンジニアリングの
強み

あらゆるエンジニア人材ニーズに
スピーディーに対応します。

ものづくり系エンジニアを中心とした人材総合サービスを展開する
スタッフサービス・エンジニアリング。
1万人以上のエンジニアが幅広い技術領域をカバーし、
人材派遣をはじめ様々な人材ニーズに対応します。

スタッフサービス・エンジニアリングの強み

1ニーズに応じたマッチング

年間4,000人規模でエンジニアを新規採用。
求人ニーズと人材情報を一元管理する「HRセンター」が、
全国から適材適所へエンジニアを配属します。

的確且つスピーディーなマッチング

2継続的なスキルアップ

エンジニア一人ひとりに対し、営業担当者とキャリアカウンセラーの2名体制でフォロー。
キャリアサポートシステムで、継続的な成長を応援します。

キャリアサポートシステムの図解

3さらなるベストマッチング

「エンジニアを直接雇用したい」といったニーズにも対応。
「紹介予定派遣」や「人材紹介」を通じて、
エンジニアのキャリアビジョンとのベストマッチングを図ります。

さらなるベストマッチングの図解