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想像力+データ活用の相乗効果で、変化の時代でも継続的に成長

ビジネスにおけるデータの重要性が高まる中、企業にとってデータ活用をいかにアップデートするかが問われている。経営層が積極的にデータにコミットすることで、現場だけでなく全社でデータ活用のカルチャーを根付かせることに成功しているのが、オンライン営業システム「bellFace」で急成長を遂げているベルフェイスだ。代表取締役の中島一明氏、執行役員COOの澤口玄氏を迎え、Tableauの佐藤豊氏がデータカルチャー醸成の成功要因について聞いた。

変化の時代には想像力が必要。
その裏付けとなるのがデータ

御社は、「Technology for Sales」をミッションに掲げた営業支援事業を展開されています。どのような内容なのか、ご説明いただけますか。

勘と根性の営業をテクノロジーで解放しようというのが、創業からの理念です。その理念の下に開発したのが、営業先の環境やITリテラシーを問わずに使えるオンライン営業システム「bellFace」です。法人営業で主に採用いただいていたのですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で対面営業が制限されたことを受けて、金融のリテール営業や不動産業など、コンシューマー向けにビジネスをやられている方からの受注が増加しました。

近年、DXをはじめ、企業を取り巻く環境は急速に変化していますが、コロナ禍も企業環境を大きく変えました。御社では、こうした急激な変化を受けて、どのようなことを重視されていますか。

急激な環境変化があったときに重要なのは、豊かな想像力と、それに従って行動を変えられることです。なぜなら、変化の悪影響が売り上げや業績に表れるまでにはタイムラグがあるため、事前に対策を取る必要があるからです。実は、COVID-19の感染拡大が問題になり始めた当時、BtoBの見込みリードは十分にあったのですが、売り上げ以外の情報を考慮すると、顧客層が変化していることが顕著に表れていました。そこで、コロナ禍が長期化すれば、これまで対面営業のみを行なっていたコンシューマー向けサービスも強制的にオンライン営業を強いられるはずだ、結果としてBtoCニーズが高まるだろうと考え、「bellFace」の無償提供期間を設けるなど、様々な手を打ってきました。

中島 一明氏
ベルフェイス株式会社
代表取締役
中島 一明
2006年、21歳で株式会社ディーノシステムを創業し、中小企業経営者を動画で紹介する広告メディア「社長.tv」を立ち上げる。15年に同社代表を退任し、オンライン営業システム「bellFace」を開発するベルフェイス株式会社を設立し、代表取締役に就任。

調査会社と合同で実施した調査でデータを重視している企業の75%がコロナ禍でデータから優位性を得ていると回答しています。企業が変化する上では、データは適切かつ迅速な意思決定をするために大きな武器になると思いますが、御社ではデータをどのように位置付けられていますか。

環境が大きく変化しているときこそデータが重要になります。当社はこの一年でデータを経営の意思決定に反映する体制を整えて、実行できるようになりました。当社はSaaS企業なので、重視すべきは当然、継続率やアップセルです。私自身は営業畑出身で、勘やセンスを頼りにやってきたところがあるのですが、社内的にデータ活用の環境整備を進める中で、契約を継続してくれるお客様の属性や行動を深掘りするようになりました。ビジネスの潮目が変わったのをデータが教えてくれました。

「bellFace」というツールの性格上、以前からデータは取れていたのですが、会議の際に、部署ごとに出てくる数字が違っていたりと活用がうまくいっていないという状況がありました。そうなると営業活動にも、ましてや経営の意思決定にはとても使えません。それで、現場の全部門が同じ数字を見て議論できるようにしよう、経営陣にとっては管制塔から全体を俯瞰できるようにしようと考えたのがきっかけです。

すべての関係者が同じ数字を見ることで、意思決定のスピードが上がり、コスト削減にもつながるという部分は重要ですね。

澤口 玄氏
ベルフェイス株式会社
執行役員COO
澤口 玄
ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム、フードデリバリーベンチャーのスターフェスティバルなどを経て、2020年にベルフェイス株式会社に入社。コンサルティングやマネジメントの豊富な経験を生かして、データドリブンな組織づくりや戦略構築を担当。
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