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生活者と企業をつなぐ価値のゲートキーパーとして共創社会を実現していく
戸田建設株式会社代表取締役社長大谷 清介 氏

1958年生まれ。1982年北海道大学工学部卒業後、戸田建設に入社。大型プロジェクトの建築施工を数多く手がけた後、千葉支店長、関東支店長、管理本部執務などを歴任。2021年4月より現職。

戸田建設株式会社代表取締役社長大谷 清介 氏

1958年生まれ。1982年北海道大学工学部卒業後、戸田建設に入社。大型プロジェクトの建築施工を数多く手がけた後、千葉支店長、関東支店長、管理本部執務などを歴任。2021年4月より現職。

現場一筋で邁進した40年
大型案件の引き寄せ役に

 戸田建設は今年、創業140周年を迎えました。私が入社したのは約40年前で、以来一貫して建築施工の現場に携わってまいりました。

 入社2年目には、舞浜の大型ホテルの現場を担当し、その後小さな現場で経験を積んでから、東京都庁の議会議事堂のプロジェクトに参加。その頃は、とにかく知識をつけようと必死でした。新人ながら熟練の職人さんたちに的確な指示を出すためには、知識で経験を超える必要があると考えたからです。

 そこで、入社7年目にして一級建築士の資格を取得し、後年技術士資格も取得。自分が何より会社に貢献できる分野として、大型現場の施工計画から原価管理、設計事務所や施主との折衝といった役割を徹底して突き詰めました。

 その結果、30代半ばで作業所長を任されることになり、当社最大の病院建築や当社初の超高層オフィスビルを担当。作業所ごとに毎回運営方針を策定し、なかでも「丸の内オアゾ」のプロジェクトでは、「施工美の追究」というスローガンを掲げました。

 建設会社にとって、工事現場というのは最も社会に晒される場所です。いわば会社の看板であり、広告塔でもある。特に高層ビルが林立する丸の内は、一流企業の経営層の目も多く、電車からもよく見える現場です。作業でご迷惑をおかけする分、せめて美しく清潔な施工風景を楽しんでいただこうと足場や仮囲いを整え、花を生けたり、周辺清掃に力を入れたりと、とにかく施行中の美しさを追求しました。それが功を奏したのか、その後も丸の内、大手町、有楽町地区で当社がタワークレーンを建て続けることにつながりました。

 今でも、当時建てたビル群を見ながら通勤するのが、私の日課であり喜びとなっています。

至誠の心で経営改革
全体最適組織を目指す

 私が大切にしているのは「誠実さ」です。孟子の一節に「至誠にして動かざるものは未だ之れ有らざるなり」とある通り、誠実さを尽くせば人は必ず動くと信じています。その想いは、代表取締役社長を拝命した今も変わりません。

 経営者として目指すべきは、ステークホルダー価値の向上です。お客様や従業員、お取り引き先、投資家の方々、そして社会に対していかに誠実であるか。その姿勢を体現する経営体制として、今井雅則会長が経営の監督、私が業務執行という役割分担を明確にし、一層の経営強化を図ってまいります。

 現在、重点的に取り組んでいるのは、管轄支店ごとの部分最適にこだわらず、経営資源を柔軟に配分する「全体最適」への移行です。これにより、厳しい環境の中でも収益を上げていく。また、従業員が情熱をもって仕事ができる「働きがい改革」も進めています。

価値提供の場を広げる
新領域事業への挑戦

戸田建設創業の地である東京・京橋に建設中の新TODAビル。揺れを感じないコアウォール免震構造を特長とし、非常用電源供給や帰宅困難者対応などのBCP対策、スマートオフィス化にも力を入れる。2024年竣工予定。

 今年7月には、10年後の150周年に向けた「未来ビジョン CX150」を策定しました。ここでは、「価値のゲートキーパー」として共創社会を実現する当社の未来を描いています。

 生活者と企業の間に入ることのできる建設会社は、双方のニーズを汲み取り、形にすることを得意とします。また既存の領域にとどまらない価値を提供するためにも、他産業とのアグリゲーションを積極的に行う予定です。

 新領域事業としては、浮体式洋上風力発電を日本で初めて実用化に成功。農業の6次産業化にも着手しています。さらに現在建設中の新TODAビルでは、最高レベルの耐震性能とBCP対策を実現。スマートエネルギー、スマートオフィス化を推進していきます。

 次の周年に向け、本業の強化はもちろん、新領域にも果敢に挑戦することで、新しい未来を築いてまいります。

戸田建設株式会社
〒104-0032 東京都中央区八丁堀二丁目8番5号
TEL.03-3535-1354
https://www.toda.co.jp/