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生活スタイルが一変し、不確実性が高まる中で、人々の価値観も様変わりした。そこであらためて重みを持つキーワードが「多様性」だ。それは“飲み方”においても広まりつつある。そんな世の中を象徴する概念として、アサヒビールは「スマートドリンキング(飲み方の多様性)」を提唱し、“微アルコール”というカテゴリーを新設。その第1弾である「アサヒ ビアリー」を3月30日に新発売した。これまでのビールともノンアルコールビールテイストとも違う、新しい飲み物と飲み方がもたらす価値とは何か。心理学者の植木理恵氏が、自らの実感と知見をもとに考察する。

※2021年3月30日に首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売し、6月29日に全国で販売開始

「スマートドリンキング」の発想から生まれた“微アルコール”に、植木理恵さんが注目する理由 「スマートドリンキング」の発想から生まれた“微アルコール”に、植木理恵さんが注目する理由

——心理学者として、また臨床心理士としてご活躍され、テレビでもおなじみの植木理恵さん。ご多忙な日々をお過ごしの中、お酒をたしなまれる機会はありますか。

植木:お酒はあまり強くはないんですが、どんな料理にもオールマイティーに合わせられるお酒として、ビールをチョイスすることは多いですね。

——一方で、今、飲み方の多様性をもたらすものとして「スマートドリンキング(スマドリ)」が注目されています。これは、お酒を飲みたい人、お酒は好きだけど強くない人、飲みたくても飲めない場面といった、様々な人や状況における飲み方の選択肢を広げていこうという新しい考え方です。

植木:心理学や文化人類学の分野では、先進国であるほど多様性が高いという定義があります。その意味で、「スマドリ」は今の時代に生まれるべくして生まれた概念だといえますね。私は仕事柄、多様な人間を診る機会が多く、なかでもLGBTの方々の悩みをたくさん聴いてきました。でもここ数年は、目に見えてその件数が減っているんです。それは世の中が多様性を受け入れ始めたからなんですね。このように、多様性を認めることは平和で豊かな社会につながり、裏を返せば、多様性がないと人や社会は病んでしまうものだともいえます。そう考えると、アルコールにも選択肢はたくさんあったほうがいいし、特にビールは誰にとっても身近なお酒なので、そこに多様性を創造していくことは、大きな社会貢献になると思います。

心理学者/臨床心理士 植木 理恵氏

1975年生まれ。東京大学大学院教育心理学コース修了後、文部科学省特別研究員を務め、心理学の実証的研究を行う。日本教育心理学会において「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を受賞。著書に『サクセスフル・エイジング』しあわせな老いを迎える心理学(PHP研究所)、『本当にわかる心理学』(日本実業出版社)、『賢い子になる子育ての心理学』(ダイヤモンド社)など多数。フジテレビ系列「ホンマでっか!?TV」で心理評論家としてもレギュラー出演中。

——この「スマドリ」への取り組みのひとつとして、アサヒビールでは“微アルコール”という新カテゴリーを創設。第1弾として、アルコール分0.5%の「アサヒ ビアリー」が、3月30日に先行発売されました。この商品はご存じでしたか。

植木:「アサヒ ビアリー」という名前は知っていましたし、“微アルコール”という新カテゴリーも気になっていました。なぜかというと、そこにビールの進化が感じられたからです。ビールって、古代エジプトや中世ヨーロッパでは食事や水の代わりとして飲まれていたんですよね。つまり、生きていくための栄養源であり、必需品でもあった。それがやがて栄養価だけでなく、味わいや喉ごし、香りを楽しむための嗜好品として世界中で親しまれるようになったわけです。ビールの多様化でいえば、近年も低カロリーや低糖質、ノンアルコールといった様々な差別化が図られてきましたが、その中でもアルコールをあえて少なくしたビールカテゴリーが登場したというのは、ものすごく興味深い。まさに文化の極みだな、と感じました。

アルコール分0.5%でも味わいはビールそのもの!「アサヒ ビアリー」に感じる新しい可能性 アルコール分0.5%でも味わいはビールそのもの!「アサヒ ビアリー」に感じる新しい可能性

——「アサヒ ビアリー」はまだ召し上がったことがないそうですね。

植木:そうなんです。前々からすごく飲みたいと思っていたので、今日は楽しみにして来ました(笑)。

——では、さっそくお試しいただきましょう。グラスを用意しますね。

植木:へえ、グラスに注いだ感じは普通のビールと変わらないですね。泡立ちもいいし、液色もきれい。これからビールを飲むぞって感じがします。それでは、いただきます!

——気持ちのいい飲みっぷりですね。

植木:うん、おいしい! ビールそのものという感じがします。アルコール分0.5%と聞いていたので、ノンアルコールビールテイストに近い味を想像していたんですが、むしろビールのような味わいと喉ごしですね。やはりわずかでもアルコールが入っているといないのとでは、まったく違う飲み物になるんですね。

——「アサヒ ビアリー」は、いったんビールを醸造してからアルコールを抜く特別な「脱アルコール」製法で味わいに妥協せずつくられているんです。だから、アルコール分0.5%でも、ビールに近い味わいを実現できたそうです。

植木:なるほど。この味わいなら、ビール好きの方も満足の味わいですね。私はビールが飲みたいときでも、翌日のパフォーマンスを考えて、夜10時以降の飲酒は控えるようにしているのですが、「アサヒ ビアリー」があれば、翌日のことを考えながらもビールの味わいを楽しむことができるので、ジレンマも解消できますね。

——缶パッケージの印象はいかがですか。

植木:黒地に金のホップをあしらったデザインが、とてもかわいくて気に入っています。非常にユニセックスなパッケージですよね。男性が持っていてもかっこういいし、女性が手にしてもおしゃれ。まさに、多様性ですね。店頭で見かけたら、つい手に取りたくなる人は男女ともに多いんじゃないでしょうか。

——カップルで一緒に飲むシーンでも、絵になりそうですね。

植木:それはありますね。絵になるだけでなく、心理的効果も高まるかもしれません。心理学の実験では、男女や仲間同士が同じものを飲むことで関係性が良くなるという検証もされています。だから、本当は相手がビールを飲んでいたら、自分もビールを飲んだほうがいいのですが、もし飲めない場合でも、ウーロン茶やノンアルコールビールテイストを選ぶよりは、“微アルコール”のビールのようなお酒を飲んだほうが共感を得られやすいわけです。もちろん、お酒が弱い人同士や、いつもは飲むけどその日はアルコールは控えめにしたい人同士が「アサヒ ビアリー」を一緒に飲む、というケースも関係性が良くなる可能性が高いと思います。恋愛はもちろん良い人間関係を構築するうえでも、「アサヒ ビアリー」が活躍する場面は増えていくでしょうね。