日経ビジネス電子版 SPECIAL

「心、おどる、デジタル」を体現するアドビの取り組み
3つのクラウドで
質の高い顧客体験を提供し、
顧客との信頼関係を構築

デジタルビジネスの成功のカギを握るのは、顧客との信頼構築――。顧客体験の現在地を確認し、これから企業がどのような対応をすべきなのかを探るため、アドビ 代表取締役社長の神谷知信氏とDXインターナショナルマーケティング本部 執行役員 本部長の祖谷考克氏に話を聞いた。

Chapter 01 あらゆるチャネルで
最適な顧客体験を提供するために

デジタル時代の到来は、消費者のニーズに大きな変化をもたらしている。その重要なキーワードとなっているのが、近年、話題に上ることの多い「顧客体験」だ。顧客体験と言えばリアルの店舗/サービスをイメージしがちだが、スマートフォンを手にした現代の消費者は、リアルと同等の体験をデジタルにも求めているという点は押さえておくべきだろう。

こうした状況に対して、企業はどう対応すべきなのか。アドビ 代表取締役社長の神谷知信氏は、「Webやメール、アプリなど、企業と顧客の接点が増えています。海外では、テスラのように、自動車メーカーでもデジタル上で販売が完了するケースも出てきていますよね。現代の消費者、とくに若い世代は多様なチャネルをシームレスに移動しながら購買行動を行っているので、企業側も各チャネルを連携させ、あらゆる接点で最適な顧客体験を提供する必要があります」と話す。

神谷 知信氏
Tomonobu Kamiya
神谷 知信
アドビ株式会社
代表取締役社長
デルジャパンや日本AMDなどを経て、2014年10月にアドビ入社。デジタルメディア事業の製品や販売戦略を含む事業全体を統括し、デスクトップからクラウド、サブスクリプション化へとアドビのDXをリード。21年4月より現職。

一方、顧客と企業のチャネルが増えることで、顧客情報の適切な管理も意識しておく必要があると神谷氏は指摘する。その背景には、サードパーティCookieの制限や2022年4月に施行された改正個人情報保護法といった新しい動きがある。

「グローバルで事業展開されている企業の方々は、こうした点にも対応が早いのですが、問題意識は持ちながらまだ対応しきれていない企業も少なくありません。いわば二極化のような状況になっている印象です。今後は、顧客情報の適切な管理で信頼を得ていくことも必要になってきます」(神谷氏)

顧客情報を適切に管理することは、より良質な顧客体験の提供にもつながるというのが、神谷氏の考えだ。「顧客一人ひとりに合わせてパーソナライズした情報提供ができるからです。現在のビジネスは、サブスクリプションに象徴されるように、売って終わりではなく、顧客と良好な信頼関係を築き、ロイヤルティを向上させることがカギ。そのためにも、データを活用したパーソナライズやオムニチャネルによる価値提供で顧客体験をいかに最大化するかを常に考える必要があります」(神谷氏)。

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