アネスト岩田 代表取締役 社長執行役員 深瀬 真一

PROFILE

深瀬 真一 [ふかせ・しんいち]
1988年日本大学生産工学部卒、岩田塗装機工業(現アネスト岩田)入社。2019年取締役、2020年取締役専務執行役員。2022年4月から現職。

塗装機器・空気圧縮機の巨人
「さらにその先へ」を合言葉に
持続可能な社会に貢献

創業100周年が目前
モノづくりに不可欠な老舗企業

 アネスト岩田は1926年に創業しました。当時の日本では、はけで色を塗ることが主流でしたが、海外では霧化した塗料を吹き付けて均一に色ムラなく塗装できるスプレーガンが台頭し始めていました。このスプレーガンを国産で作れないか? と、取引先の商社に打診されたことをきっかけに翌1927年、国産第1号のスプレーガンが誕生しました。スプレーガンで塗料を吹き付けるには、圧縮した空気が必要になります。そこで1928年にはコンプレッサー(空気圧縮機)の製造・販売をスタート。現在も続く2大コア事業である「コーティング事業」「エアエナジー事業」が始まったのです。

 私は2022年4月、アネスト岩田の社長に就任しました。1988年の入社以降、技術者として塗装機器の開発に携わったのを皮切りに、購買部門や塗装機器のマーケティング部門、国内販売子会社の社長や福島工場の工場長などマネジメントも経験してきました。経歴の中心はモノづくりにありますが、物流・調達から生産・販売に至るまで幅広い業務に関わってきたことが、会社をけん引する上で非常に有意義であったと感じています。

 現在、モノづくりの環境は技術革新が急速に進み、設計や開発などにおいても次々と新しいアプローチが出てきています。そうした中、「環境変化にしっかりと対応しながら、きちんとしたモノづくりをしていくこと」を推進するのが当社のミッションです。基礎研究を充実させ、開発スキルとスピードの向上を目指すこと。そしてモノづくりの文化やコア技術を継承しつつ、技術のポテンシャルを徹底的に追求することに注力していきます。

目指すは500億、1000億企業
「Beyond」へ3カ年で基礎固め

 2022年4月に新たに策定した中期経営計画では、長期ビジョン「Vision 2030」の第1ステップとして「500&Beyond」を掲げています。最終年度である2025年3月期までに、オーガニック成長で売上高500億円以上、営業利益55億円以上(営業利益率11.0%)、ROE(自己資本利益率)10%以上を目指すとともに、さらなる事業の展開を検討していく方針です。

 500億円の売上高は通過点にすぎません。Beyondは「さらにその先へ」を表しており、本中期経営計画の3カ年でBeyondのための基盤固めをしようという意図があります。500億円を超え、700億円、1000億円企業になるには、オーガニック成長に加えて、新規事業やM&Aをどのように増やすかが鍵となります。足元の業績の着実な積み上げにとどまらず、その先を見据えながらビジネスの機会を探り、既存事業との掛け合わせや新たな挑戦から事業規模の拡大を図っていきます。

「500&Beyond」は長期ビジョン「Vision 2030」達成のための1stステップ

 そこには明確な根拠があります。当社の商品は基本的にモノづくりをする上で必須とされるため、地域を問わず需要が増加し続けるものだからです。コーティング、エアエナジーともに海外を成長市場と位置づけており、各国の事情に即した戦略に基づき収益の最大化を目指します。

事業・開発が環境改善に直結
経済と社会の両面から追求

近年、SDGsや気候変動対策に世界的な注目が集まっていますが、そもそも当社の事業活動や、製品開発自体が地球環境の改善に結びついており、製品の差異化・強みにもつながっています。例えばコーティング事業においては、塗料の消費量を極力減らすことでVOC(揮発性有機化合物)の排出を抑制する技術、VOC自体が少ない塗料、ほぼVOCを使用していない水性塗料を吹き付ける製品の開発を行ってきました。

エアエナジー事業では、圧縮工程でオイルを使わない空冷式オイルフリースクロールコンプレッサーを1991年に世界で初めて発売。そのほか、真空を作り出す過程でオイルフリーの真空ポンプやそれら機器の消費電力を下げる技術開発、メンテナンスサイクルの延伸にも力を入れてきました。特に先進国では、より一層高品質の圧縮エアーや環境対応が求められるため、オイルフリー式の需要が高まると予測しています。これからも社会やステークホルダーにとって価値ある商品・サービスの提供や期待に応える活動を継続し、経済的価値とESGなど社会的価値とのバランスを取りながら、事業と社会の両面でサステナビリティ経営を強化していきます。

 一方、当社は「石橋をたたいても渡らない会社」と言われるほど堅実な経営を続けてまいりました。ですがBeyondを実現するために、まずは「石橋をたたいて渡る会社」に生まれ変わる必要があります。モノづくり企業の誇りを持って常に新規事業の研究開発を続けており、現在複数のプロジェクトが進行中です。2026年には創業100周年を迎えます。今後も「さらにその先へ」を合言葉に成長を続けていきたいと考えています。

アネスト岩田株式会社

アネスト岩田株式会社

〒223-8501 神奈川県横浜市港北区新吉
田町3176番地
https://www.anestiwata-corp.com/jp

記事中の肩書きやデータは公開時点の情報です