DIが蓄積してきた経験を
さらに拡大・深化させる
──まずそれぞれの本部の事業内容とミッションについて詳しく教えてください。第一本部は、DIの根幹を担う部署ですね。

第一本部 統括執行役員
石川 雅仁氏
石川 「価値創造」を担う我々の本部では、世の中に新しい価値を提供するのがミッションです。具体的には、社会課題を起点に、産業や業界の壁を越えた大きな事業構想をつくっていく「産業プロデュース」と、その事業を具体化・規模化していく「ビジネスプロデュース」という、DIがこれまで培ってきた2つの柱をさらに拡大・深化させていくのが、私の役目です。
これまでもDIは、環境・エネルギー、ヘルスケア、少子高齢化対応といった様々な社会課題に対して、構想の策定から戦略作り、実行・伴走まで取り組んできましたが、今後さらにテーマを複線化していけば、ビジネスプロデュースができる事業の種もより増やせるのではないかと考えています。
──第一本部がテーマドリブンでビジネスプロデュースを行っていくのに対して、第二本部では、顧客ドリブンで取り組まれています。
島崎 ビジネスプロデュースインストレーションと呼ぶ「実現推進」がメインの本部になります。具体的にはお客様の事業創造に関わる様々な経営課題の解決のために、事業創造の構想と戦略作りから、組織づくり、実行・伴走までを行っています。
事業創造に絡むテーマは抽象度が高くなることもあるので、やるべきことをイメージやコンセプトで終わらせずに、明確にして進めなければなりません。しかも多くの企業にとって、本業がどうなっていくか見通せない時代ですから、様々な事業を複数走らせることで、その中の一つでもいいから次の本業に育てていくようなやり方が大切です。ただでさえ不慣れで大変な事業創造の取り組みを複数走らせるというのは大きな負荷がかかる取り組みです。そのための提案や提言、時には人事制度を変えたり分社化したりといった企業の組織や仕組み、文化、人材のレベルまで深くお客様に関わっていくことを志向しています。
──日本国内に留まらず、グローバルに展開していくのが第三本部ですね。
細野 「価値拡大」を目指すグローバルSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)がミッションです。途上国を含めたグローバルへの展開を目指す、日本企業に戦略コンサルティングを提供しています。
近年、我々から見て日本企業のグローバル展開は明らかに局面が変わってきています。途上国の社会課題の解決が、従来の公的な領域から、民間企業のビジネスに直結してくる時代になりつつあります。途上国のほうが、社会課題の市場規模も大きく、かつ従来の事業の慣習・規制がない分、新しい事業を展開しやすいと言えます。DIでは、①途上国の社会課題を可視化し、②ソリューションを持つ日本企業への戦略コンサルティングを行い、③実行・伴走をしながら結果を出しつつインパクトの評価をする。この3点を一連のパッケージとして提供できる事業モデルをつくりたいと考えています。