フォーラムエンジニアリング 代表取締役社長 佐藤 勉

PROFILE

佐藤 勉[さとう・つとむ]
アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー日本支社に入社後、スタッフサービスに入社し、2006年に代表取締役に就任。同社を日本最大手の人材派遣会社に成長させた後、リクルートが同社の全株式を取得したのを機に退社。2008年にフォーラムエンジニアリングに入社し、取締役副社長に就任。2017年11月から現職。

AIでスキルを可視化し
機電系エンジニアの
キャリア形成をサポート

構造的なエンジニア不足を
AI技術を活用して解消する

 我々の事業内容を端的に言い表すならば「AI(人工知能)を最大活用した、機電系エンジニア専門のテクノロジーマッチング」ということになるでしょう。1981年の創業以来、一貫して機電系エンジニアをメーカーに派遣してきました。あらゆる職種を網羅した百貨店型ではなく、機械系・電気系に特化した専業型サービスを展開しているのが当社の特長です。

 その背景には、構造的な機電系エンジニア不足という問題があります。日本の就労人口がおよそ6000万人に対し、機電系エンジニアはたったの64万人。日本はモノづくりの国でありながら、このままでは構造的なエンジニア不足という課題を抱えたまま、少子高齢化時代を迎えることになってしまいます。

 そもそも、機電系エンジニアを必要とするメーカーが、学生にとって魅力的な就職先に映っていないのが問題です。毎年約60万人が大学を卒業しますが、理工系学生は約4万人。その中からエンジニアとして就職するのは6割程度です。

 そんな状況を打破するために立ち上げたのが、AIマッチングテクノロジー「コグナビ」なのです。掲げたミッションは、スキルがつながる世界を構築すること。エンジニアが持つスキルや理工系学生の学びと、企業が求めるスキルをAIが瞬時に結びつけます。核となるのは、16万5000もの技術用語を認識できるAI「kokuu(コクウ)」です。

人材側から見た「コグナビ」プラットフォーム

 例えば、エンジニアの職務経歴書をコクウが読み、各自のスキルを膨大な技術用語を駆使して樹形図の形に置き換えた「スキルツリー」を自動的に形成。一方、機電系エンジニアを必要としている企業の部署ごとに、現場で必要とされるスキルを技術用語で整理した「テクニカルツリー」も作成します。この「スキルツリー」と「テクニカルツリー」によって、エンジニアの保有スキルとクライアントが求めるスキルが可視化され、マッチング機会を創出。一見すると関係なさそうな技術用語同士でも関係線がつないでくれるため、お互いに気付かない潜在的なスキルや要件まで見いだしてくれるというのが「コグナビ」の最大のメリットです。

 このシステムを活用し、新卒理工系学生の就職支援だけでなく、転職、人材派遣、社内人材配置まで、機電系エンジニアのすべてのキャリアシーンをサポートしています。まずはすべての理工系学生にメーカーでエンジニアになってもらいたい、その後もずっとエンジニアとして活躍できるようにしたい。このような想いから、本業であるエンジニアの人材派遣業のみにこだわらず、コグナビの各種サービスを2018年から順次ローンチしてきました。

インド市場を足がかりに
グローバルHRテック企業へ

 2022年10月には、インドに現地法人を設立しました。インドは世界に冠たるエンジニア創出国なのですが、その大半はITエンジニア。理工系学生が150万人もいるのに、多くの学生がIT系に就職してしまう。モディ政権は2014年からインドで製造業を成長させるために「メーク・イン・インディア」政策を推し進めて、世界中からメーカーを誘致しています。このままでは、機電系エンジニアが圧倒的に不足するのは目に見えているのです。

 そこに、コグナビのサービスが活用できるのです。日本の人口減少に伴う労働力人口の減少は明確ですから、海外のマーケットに打って出るという考えは、2020年に上場したときから頭の中にありました。ただ、人材派遣会社として海外進出するのは現実的ではない。特定労働者派遣というスタイルで派遣スタッフを雇用するのは、従業員解雇のハードルが低い海外ではニーズが高くありません。

 今回まず手を組んだのは、インドでトップクラスの私立教育機関の1つであるSRM Institute of Science and Technology。チェンナイをはじめインド国内に8つのキャンパスを持つインドの私学の雄で、5万人もの学生を有しています。まずは、この大学でセミナーなどを行い、コグナビのシステムを使った新卒就職支援を行っていきます。ゆくゆくはインド全土にネットワークを広げ、新卒だけでなく経験者採用サービスも展開していきたい。そうすれば、世界中のメーカーがエンジニアをインドに探しに来るプラットフォームへと成長していく可能性も見えてくるでしょう。

 突き詰めるべきは「利便性」です。既存のサービスを一捻りして新しい価値を付加する。現在、世界をリードする企業は、ほとんどがそうして唯一無二の存在となりました。我々も、すでに持っている就職支援サービスにITを活用した利便性をプラスし、世界中の人が一番便利に仕事を探せるプラットフォームを作り上げていきたいのです。

コグナビ

株式会社フォーラムエンジニアリング

〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-4
オークラプレステージタワー15階
https://www.forumeng.co.jp

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