J-POWERが挑むカーボンニュートラル戦略
vol.1
小谷真生子キャスターが聞く

水素社会実現に貢献するJ-POWERのコアテクノロジー

カーボンニュートラルを早期かつ確実に実現する手段として、CO2フリー水素の製造・供給・利用の実証実験に取り組む電源開発株式会社(以下、J-POWER)。長年培った技術を応用して、水素社会の実現に貢献しようとする同社の挑戦について、取締役常務執行役員の笹津浩司氏に、経済キャスターの小谷真生子氏が聞いた。

2050年までに国内発電事業のカーボンニュートラル実現へ

小谷 2020年10月に政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」を行って以来、企業による脱炭素化への取り組みは一気に加速しました。22年4月に実施される東京証券取引所の市場再編で、プライム市場への上場基準に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)あるいはそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示が含まれたことも、取り組みを後押ししていると思います。こうした動きをどのようにご覧になっていますか。

笹津 地球温暖化と気候変動の関係性については、これまで多くの議論がなされていますが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、その原因が、人間の暮らしや生産活動によって排出されるCO2であるということを結論づけています。

こうした報告を受けて、世論も地球温暖化に対する強い危機感を共有し、世界的にCO2削減へ向けて動いています。この動きは、今後も加速していくトレンドであると考えています。

小谷真生子 氏
経済キャスター
小谷真生子

1986年日本航空入社。90年に退社後、NHK総合「モーニングワイド」、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」などのメインキャスターを務める。2013年より世界経済フォーラムIMC(International Media Council)のメンバーを務めるなど幅広く活動中。

笹津浩司 氏
J-POWER/電源開発株式会社
取締役常務執行役員
笹津浩司

1986年筑波大学大学院環境科学研究科を修了後、電源開発に入社。2015年に技術開発部長、16年に執行役員 技術開発部長、18年執行役員、19年常務執行役員を経て、20年より現職。

小谷 そうした中、J-POWERは発電事業のカーボンニュートラル実現を目指す「J-POWER “BLUE MISSION 2050”」を発表されたそうですね。具体的にはどのような内容でしょうか。

笹津 カーボンニュートラルと水素社会実現に向けた当社の取り組み方針、ロードマップです。国内発電事業におけるCO2排出量を30年には40%削減※1、50年には実質排出ゼロを目指しています。

具体的な実現方法としては、水力や風力といった再生可能エネルギーを中心とするCO2フリー電源の開発を加速すること。そして、CO2フリー水素の製造・供給・利用を目指して、サプライチェーンの構築に取り組んでいきます。

※1 2017~19年度3カ年平均実績比