J-POWERが挑むカーボンニュートラル戦略
vol.2
伊藤聡子氏×J-POWER特別対談

洋上風力でカーボンニュートラルへJ-POWERが描く再エネ戦略

カーボンニュートラル実現の有力な手段である再生可能エネルギーへの転換。約20年前から風力発電に取り組むJ-POWERは、その発電能力を現状の約3倍にするなど、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指している。同社の再生可能エネルギー戦略について、取締役常務執行役員の嶋田善多氏に、キャスターで事業創造大学院大学客員教授の伊藤聡子氏が聞いた。

再生可能エネルギーの発電能力を2025年までに約3倍に

伊藤 世界の平均気温上昇を、産業革命以前に比べて1.5度に抑えるという「パリ協定」の目標を達成するには、2020年から30年の間に毎年7.6%ずつCO2排出量を減らさなければなりません。20年は前年比約6%減少しましたが、これはコロナ禍で世界経済が停滞したことが理由です※1。改めて、私たちはいかに達成困難な目標に向き合っているのかが分かりました。

日本は世界第5位のCO2排出国で※2、排出量の約8割は発電などのエネルギー関連です※3。電力会社が排出削減に取り組むことの意義は大きいと言えそうですね。

嶋田 J-POWERは、CO2を排出しない再生可能エネルギーを水力や風力発電で作る一方、火力発電も行っています。多様なエネルギーの選択肢を持って、安定的かつ十分な供給を続けながら、気候変動問題にもしっかり対応していくことが重要な使命だと認識しています。

当社は21年2月、カーボンニュートラル実現に向けた長期的な戦略・ロードマップを定めた「J-POWER“BLUE MISSION 2050”」を発表しました。

この中では、30年に国内発電事業からのCO2排出量を40%削減し※4、50年には排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成を目指しています。

※1 国際エネルギー機関(IEA)「Global Energy Review: CO2 Emissions in 2020」

※2 国際エネルギー機関(IEA)「Energy related CO2 emissions 1990-2019」

※3 経済産業省「日本の温室効果ガス排出量(2018年度)」

※4 2017年~19年度 3カ年平均実績比

伊藤聡子 氏
キャスター/事業創造大学院大学客員教授
伊藤聡子

東京女子大学文理学部卒業後、報道・情報番組でキャスターを務めたのち、NYフォーダム大学留学、事業創造大学院大学修了、MBA取得。現在はTBS「ひるおび!」読売テレビ「ミヤネ屋」などにコメンテーターとして出演。地球温暖化対策WG委員を務めるなど幅広く活躍中。

嶋田善多 氏
J-POWER/電源開発株式会社
取締役常務執行役員
嶋田善多

1982年京都大学大学院工学研究科了後、電源開発に入社。2012年に土木建築部長、15年執行役員 土木建築部長、17年常務執行役員を経て、20年6月より現職。

伊藤 具体的には、どのような方法で削減に取り組むのでしょうか。

嶋田 大きな柱の一つが再生可能エネルギーの拡大です。25年度までに150万kW規模の新規開発を進めますが※5、その主軸を担うのが、風力発電です。

当社は約20年前からいち早く風力発電を手掛けており、国内では2位の設備出力シェアを有しています※6

※5 2017年度実績比

※6 資源エネルギー庁「電力調査統計」(2021年3月末現在)