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富士通

ハイブリッドワークを進め
社員の意識改革と組織文化の変革に突き進む

富士通は働き方のみならず、仕事と生活をトータルにシフトし、ウェルビーイングを実現するコンセプト「Work Life Shift 2.0」を実践。リアルとバーチャルを組み合わせたハイブリッドワークを進め、意識改革と組織文化の変革に取り組む。社内実践で得られた様々な知見は顧客企業へ提供されている。
富士通株式会社
CHRO室 室長
森川 学
富士通株式会社
Uvance本部
Work Life Shift事業部
事業部長
長島 久美子

 富士通はコロナ禍の2020年7月、ニューノーマル時代における新たな働き方のコンセプト「Work Life Shift」を発表。社員が主体的に最適な働き方を実現する「Smart Working」、オフィスのあり方を見直す「Borderless Office」、社内カルチャーを変革する「Culture Change」の3つのカテゴリーでWork Life Shiftに取り組んできた。

 だが、「コロナ禍のニューノーマルにおける働き方が日常(ノーマル)になるなか、Work Life Shiftも進化しなければならないと、2021年には進化版のWork Life Shift 2.0を発表しました」と富士通の森川氏は語る。Work Life Shift 2.0では、3つのカテゴリーの内容を進化させた。

進化した働き方のコンセプト
Work Life Shift 2.0

 Smart Workingでは、WorkとLifeのシナジーを追求する。男性育児参加100%の推進や地方自治体と連携したワ―ケーションの推奨など、Lifeを意識した施策に力を入れる。

 そして、Borderless Officeはリアルとバーチャルを組み合わせたハイブリッドワークを実践する場として、コラボレーションを生み出す新たなオフィスの活用を促進する。これまでオフィスは働く場、ワークプレイスとして捉えられてきたが、「イノベーションの源泉となる様々なエクスペリエンスを提供する場へと変化させています」と森川氏はその進化を話す。

 Culture Changeでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業としての働き方へ進化するための取り組みを加速。イノベーションを生み出す働き方については、一例としてスタートアップ企業との共創による社会課題解決の取り組みが挙げられる。

リンダ・グラットン教授との共同調査
働き方の再設計がイノベーションを生み出す

 続いて森川氏は、ハイブリッドワークの未来について、富士通とHSMアドバイザリーが実施した共同調査の内容を報告。HSMアドバイザリーは、人材論、組織論の世界的権威であるロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏によって設立された調査およびアドバイザリーを専門とする組織。共同調査では、「働くことの意味と意義を再考」「従業員のエンパワーメント」「働き方の再定義」を考察。

 ハイブリッドワークで働く場所の選択肢が増え、働くことの意味と意義を改めて考える社員が増えているという。「そこでは、組織のパーパス(存在意義)やビジョンをきちんと社員に伝えることが重要になります」と森川氏は指摘する。

 また、従業員のエンパワーメントについては、働く場所と時間の自由度が増す一方、社員の自律的な行動が欠かせないという。働き方の再定義では、以前のように働いた時間で評価するのではなく、どのような成果が出たのかというアウトプットにフォーカスしたパフォーマンス評価にシフトする。そして、「アイデアを生み出すイノベーション創出をいかに実現するかが重要です。共同調査から、ハイブリッドワークがイノベーションのプラットフォームになると感じています」(森川氏)。

 イノベーション創出について富士通の長島氏は、「コラボレーションがイノベーションを生み出すカギとなります」と強調する。具体的には、社員がオフィスに行く明確な目的を持つことで、個人やチームが仕事に合わせた最適な働き方を選び、オフィスでのコラボレーションや偶発的な出会いからイノベーティブな発想が生まれるという。例えば、社内での偶発的な出会いを生む仕掛けとして、スマートフォンアプリ「aerukamo」(アエルカモ)を活用。同僚に出社予定を伝えたり、同僚の居場所が分かったりすることで、目的や楽しみを持って出社する狙いがある。このようなオフィスに行く目的の明確化や、コラボレーション、偶発的な出会いといった行動変容が意識改革につながる。

働き方の再定義に考慮すべき要素を提言

社内実践の知見をベースに
顧客企業の組織変革を支援

 社員の行動変容、意識改革につなげるには、ただ働き方を変えるだけでなく、一人ひとりがパーパスやカルチャー変革について考えることが重要になるという。富士通ではその取り組みの一環として、タウンミーティングなどを通じてトップ自らが自分の言葉で、ビジョンやパーパスをダイレクトに社員へ発信する活動を進めている。

 個人のパーパスが変革への原動力となり、「パーパスを共感しあうことで社員の意識が変わり、働く意義、マインドを強固にします」と長島氏は語る。

 富士通ではキャリアオーナーシップの施策にも力を入れている。一人ひとりのキャリア開発の取り組みが自律的な働き方の実践やカルチャー変革に欠かせないと見ているからだ。キャリア開発の施策の1つとして、グローバルで13万人に及ぶ社員とその家族を対象にラーニングフェスを開催するなど、学びの文化の醸成にも取り組む。

 そして、キャリアオーナーシップやスキルアップなど人材教育プログラムの実践で得られた知見などを体系化し、顧客企業の組織変革を支援する人材プログラムのソリューションを提供する。例えば、富士通の地域包括提携の自治体と連携し、ワ―ケーションと人材教育を組み合わせて地域交流が感じられる学びの場を顧客企業に提案する構想もあるという。

 「ハイブリッドワークを実践し、一人ひとりが自律的にキャリアを考える取り組みを進めています。社内での実践や知見を生かし、お客様のニーズに合わせた働き方や組織変革を支援します」と長島氏は話す。

社内実践を体系化しお客様へ提供

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