3分野のプロフェッショナルが
一体となり
デジタライゼーションを支える

「デジタライゼーション支援企業」を標榜するNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)。デジタルマーケティング、データ&アナリティクス、ビジネスメッセージ・サービスを事業の3本柱として顧客のビジネス変革を支援する。その強みは、3つの分野のプロフェッショナルの力を結集し、顧客に「伴走」できる点にある。ときにKPIまでを共有し、顧客と共に課題解決に挑む、同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援の全容に迫る。
インタビュアー:
日経BP 総合研究所 フェロー 桔梗原 富夫

3つのDX領域でプロフェッショナルが
ビジネスの成功に伴走する

桔梗原 「データ活用とテクノロジーの提供を通じ進化し続ける企業のデジタライゼーションを支える」。NTTコム オンラインは、これを企業のミッションとして掲げています。その意図を教えてください。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 代表取締役社長 塚本 良江氏
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
代表取締役社長
塚本 良江
塚本 当社は「デジタルマーケティング」の会社として10年前に発足したのですが、お客様のご支援の幅を強化する中で、「データ&アナリティクス」、「ビジネスメッセージ・サービス」と領域を広げ、現在は3事業を柱としてお客様のデジタル変革を支援しています。

 まずデジタルマーケティング事業では、お客様企業のデジタルマーケティング推進にとって最適なテクノロジーの導入をご支援します。当社の技術のほか、SAP、Salesforceなどの技術の導入も含めてご支援します。その上で、そのテクノロジーを活用したマーケティング施策の効果的な運用や、施策の成功確度を上げるための顧客データ分析などを当社のマーケティングコンサルタントがサポートします。一例として、あるお客様のデジタルマーケティング支援において、共通ID化による顧客情報の整理を行い、グループのマーケティング基盤の強化が図れました(図)。  次のデータ&アナリティクス事業は、マーケティング分野のデータ分析に加えて、製造業やエネルギーなどのミッションクリティカルな分野でのビッグデータ解析までをご支援しています。例えば、半導体工場の歩留まり向上支援などがその例です。

 そして最後のビジネスメッセージ・サービス事業は、企業向けのSMS(ショートメッセージサービス)送信サービスです。SMSは、eメールなどと比較し99%を超える高い着眼率を持つコミュニケーションチャネルであり、企業での活用が大きく伸びています。

桔梗原 これらを網羅的に提供できる点が強みですね。

塚本 ありがとうございます。同時に、得意な3分野に絞って知見・ノウハウを深掘りしている点こそが強みだとも考えています。また、各3分野では、お客様のDX成功を支える3種類のプロフェッショナルがチームを組んでお客様を支援するのも特長です。

 具体的には、まずビジネスコンサルタントが、DXにおいて不可欠なビジネス課題の明確化を支援します。次にシステムエンジニアが、課題解決に必要なテクノロジーを見極め、最適なツールやプラットフォームの選定・構築を行います。その後はカスタマーサクセスチームです。仕組みをつくっておしまいではなく、導入後の運用や価値の最大化に向け、PDCAを回すご支援を経験豊富な専門チームがサポートします。このスタイルにより、お客様にとっての「信頼の伴走者」になることを私たちは目指しています。

DXという言葉に惑わされない
大事なのは「課題が解決できたか」

桔梗原 多くの日本企業がDXに何らかは取り組んでいます。ただ一方で、DXと言いつつも、単なるツール導入に終わっている例もあるようです。このような状況をどう見ていますか。

塚本 私は、単にDXという言葉を追いかけるのではなく、「ビジネス課題が解決できたかどうか」にフォーカスすべきだと考えています。つまり、行ったのは簡単なツール導入であっても、それでビジネス課題が解決できたなら成功といえるのではないでしょうか。

桔梗原 目的を達成できたかどうかが重要だと。

塚本 そう思います。例えば、当社がご支援したある自治体におけるSMS活用は、比較的シンプルなデジタル化の事例です。

 現在、新型コロナウイルスのワクチン接種の案内をハガキで行っている自治体は多数あります。この自治体ではSMSを使うことにしました。ハガキ郵送からの切り替えでコストを大幅に削減したほか、ある接種会場が急に使えなくなった場合なども、速やかに住民に告知することができるようになりました。DXと呼ぶかどうかは別にして、課題解決につながったデジタル活用のよい例だと思います。

 ほかにも当社が支援した事例は多数あります。もちろん、ビジネスモデル変革まで踏み込んだ事例もあり、その代表例が楽器や音響機器などをグローバルで事業展開するヤマハ様の事例です。

桔梗原 ヤマハのビジネス課題はどのようなものだったのでしょうか。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 営業部 デジタルマーケティング営業部長 中垣 祐一氏
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
営業部 デジタルマーケティング営業部長
中垣 祐一
中垣 マーケティングの高度化に関するものでした。従来は、世界中の地域・事業ごとのタッチポイントで顧客情報を収集してきましたが、情報収集・管理の仕組みがそれぞれ異なっていたため、地域・事業を横断した顧客理解が困難だったのです。

 ヤマハ様は、現在の中期経営計画の中で「顧客ともっとつながる」を重点戦略の1つに掲げています。深い顧客理解をベースに、より多くの価値を提供することでLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)の最大化を目指しておられるのですが、当社はそのための仕組みの企画から導入・構築を支援しています。

グローバルで顧客IDを一元化し
マーケティング施策の高度化を図る

桔梗原 具体的な取り組み内容を教えてください。

中垣 顧客データプラットフォーム「SAP Customer Data Cloud」(以下、SAP CDC)を中核とするソリューションで、顧客IDの一元化を進めています。SAP CDCは顧客ID&アクセス管理の分野で、世界トップクラスの実績を持つプラットフォームサービスです。CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)、BI(ビジネスインテリジェンス)などの各種マーケティングツールとの連携が容易なことや、各国の法規制に対応した同意管理、プロファイル管理を標準装備している点などが評価され、採用していただきました。

 SAP CDC はEUや中国、ロシアにもデータロケーションを持っています。GDPR対応の実績も多く、ベストプラクティスを提供することができる。この点もグローバルに事業を展開するヤマハ様のニーズにマッチしました。
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 営業部 デジタルマーケティング営業部長 中垣 祐一氏
桔梗原 かなり大規模なプロジェクトなのではないですか。

中垣 そうですね。先ほど紹介した3つの専門家集団が一体となって、お客様と共にプロジェクトを進めています。当社は、SAP CDCの導入実績が豊富にあったこと、および今後ヤマハ様が力を入れるデジタルマーケティング領域に強い企業である点が評価され、パートナーとして選定されました。

桔梗原 ビジネスモデル変革の中身をもう少し教えてください。

中垣 ヤマハ様はもともとメーカーなので、顧客との間にはどうしても距離があります。この状態で顧客のことを知ろうとしても、以前は限界がありました。そこで、一元化した顧客ID基盤とMAツール、CRMツール、BIツールなどを連携することで、顧客との直接のつながりを強化したのです。

 取り組みは半ばですが、既に成果も出ています。例えば、各国の顧客の声が横断的に把握できるようになり、これがマーケティング施策のPDCAを回す上での指標になっています。さらに、“個客”の情報が把握できるようになったことで、グローバルの支社・販社でデジタル施策の立案・実施が活発化しているそうです。

桔梗原 非常に難度の高いプロジェクトだと思いますが、このような経験を踏まえて、DX成功のポイントはどこにあると考えていますか。

塚本 やはりビジネス課題の明確化がポイントだと思います。同時に、課題の内容や大きさに応じて、意思決定できる責任者がプロジェクトに参加することですね。意思決定は我々パートナーがどうにかできる部分ではないので、お客様が自らそのための体制を組む必要があります。特にヤマハ様のようなケースでは、役員クラスの方の参加が不可欠です。部門・組織間の利害調整を行いながら、全体の変革を推し進めていく必要があるからです。

桔梗原 冒頭でデジタライゼーション支援企業、信頼の伴走者という言葉がありました。これまでの話を聞いて、その目指す姿がよく理解できました。

塚本 当社は2022年10月に設立10年を迎えますが、設立当時からのお客様を含め、多くのお客様と長く、深いお付き合いを続けています。中には、KPIを共有した上で、一緒にDX施策の改善・実施を繰り返しているお客様もいらっしゃいます。KPIまでを共有してもらうには、それだけ強い信頼関係を築かなければいけません。そのような関係性ができていることに感謝したいですし、これからもそのために力を注いでいきます。それが、信頼の伴走者になるために必要なことだからです。

桔梗原 最後に、ビジネスリーダーに向けてメッセージをお願いします。

塚本 先ほど、意思決定者が参加することが重要だと言いましたが、意思決定者、つまり企業の経営層も、DXを実際に動かす現場に寄り添う伴走者になってほしいです。トップダウンによる号令に加え、現場と共にしっかり最後まで走り抜く。それが、DXにおける成功の秘訣だと思います。
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 代表取締役社長 塚本 良江氏
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