Key person Dialogue[対談]NTTデータが提案するグリーンコンサルティング

企業のカーボンドリブン経営を支えるNTTデータの新サービス企業のカーボンドリブン経営を支えるNTTデータの新サービス

NTTデータは2022年1月、企業や公共機関のCO2排出量削減を後押しする「グリーンコンサルティングサービス」を始めた。
最大の特徴は排出量の可視化にはじまり、カーボンニュートラル関連の戦略策定から排出量削減の実行支援までを一気通貫で支える点だ。取り組みの詳細と新サービスに込めた思いについて、同社のキーパーソンに聞いた。

南田 晋作 氏
社会全体の排出量を可視化できれば、 個人と企業の行動変容を起こせる

南田 晋作 氏 製造ITイノベーション事業本部 第三製造事業部長

――カーボンニュートラルに向けた機運が高まっています。いま日本企業はどのような状況に置かれていますか。

下垣:業種によって違いがあり、例えば製造や運輸などの業界はCO2排出量の削減に積極的です。排出量削減と言っても、そこに向けた具体策は多様であり、検討すべき課題や対応すべきテーマが多々あります。

――企業はどんなところから始めればよいでしょうか。

南田:最も重要なのは排出量の可視化です。「今どれだけのCO2を排出しているか」をある程度正確につかめないと、それを削減するためのアクションに移ることができません。排出量可視化には大きく2つの流れがあります。1つは取引先を含めた、自社のサプライチェーン全体の排出量を可視化する取り組みです。これは上流のサプライチェーンからの開示要請に応えること、さらに一歩進んで、積極的な可視化・開示により、特定製品の事業上の価値を高めるといったビジネス戦略にも直結する、事業部門の課題です。もう1つは自社の排出量を算出・公表する取り組み。製品部の積み上げだけでなく、Scope3を含め企業活動全体でどれだけの排出量となっているか。こちらは本社部門の課題と言えます。

 どちらについてもデジタル技術の活用が欠かせません。例えば事業部門の場合、「どの部品をどこからどれだけ買ったか」を全て把握する必要があります。それには購買管理などと連携した情報システムが不可欠です。このような事情から、当社のようなIT企業への相談が増えています。

可視化の5段階を独自定義

下垣 徹 氏
「つなぐ」はNTTデータのDNA。 グリーンの分野でも社会をつなぎたい

下垣 徹 氏 グリーンイノベーション推進室 室長

――グリーンコンサルティングサービスの特徴を教えてください。

下垣:戦略立案のコンサルティングから、実際の排出量削減までしっかり伴走させていただく点にあります。戦略を考えたらおしまいではなく、実践まで「お付き合い」します。最後まで責任を持つという、システム開発事業で培ってきた当社の強みを前面に出します。

南田:サービス提供に当たり、企業が到達すべきCO2排出量のレベルを可視化する独自の指標を作りました。具体的には可視化のレベルに応じて最低の「0」から最高の「4」まで5段階に定義しています。レベル3で示す「サプライチェーン全体での可視化」、もしくはレベル4で定義する「社会全体の可視化」が、目指すべきゴールだと考えます。

――個別企業の取り組みとしてはレベル3でも十分に感じますが。

南田:脱炭素の取り組みは、最終的には社会全体でCO2をどれだけ排出しているかを可視化する必要があります。そこまで到達して初めて、個人や企業が行動をどう変えればどの程度削減に貢献できるかが可視化できます。数字を明確に示すと、結果として人々や企業の行動変容につながり、カーボンニュートラルの達成が可能になります。個別企業の取り組みで終わらせず、社会全体の可視化をゴールに据えるのはそうした思いに基づきます。

――5段階の可視化レベルを基にすれば、企業は自社の現状と課題を把握しやすく、目標も立てやすいですね。

南田:その通りです。今レベル0にある企業がいきなりレベル4を目指そうとしても無理があります。レベル3を実現するには、その前提として、自社の取引先の全てがレベル2を満たす必要があります。現状は多くの企業がレベル0か1です。レベル1では「パソコンが1台あるとこれくらいの排出量になる」といったデータを基に、排出量を推計します。でもこれだけだと「パソコンが少ないほど排出量が少ない」となってしまい、効果的な削減の努力ができません。まずこれをレベル2、つまり削減努力が反映される形の可視化に変えていく必要があります。その先にレベル3、4があります。

――排出量削減に向けて三菱重工業の「ENERGY CLOUD®」とサービス連携させると発表しましたね。

南田:はい。製造業の業務やCO2排出量可視化などに強みを持つ三菱重工様と協力することにより、例えば工場で使う自家発電設備の燃料を替えると排出量がどう変わるか、といったきめ細かいシミュレーションが可能になります。業種特化型の課題に応えるために、他業界でも同様のパートナーシップを積極的に進めていきます。

働き方どう変わった?“時間編

NTTデータが定義する5段階のGHG排出量可視化レベル

NTTデータが定義する5段階の可視化レベルに基づき、お客様の事業に即した排出量可視化を支援

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プラットフォームで
カーボンニュートラルをドライブ

――中長期的なゴールを描き、そこに向けた到達計画を立て、段階的に実行していくアプローチは、NTTデータが得意とする情報サービス事業と共通しますね。

下垣:そう思います。グリーンに向けた取り組みは段階が進むと、企業間のサプライチェーンや業種間、あるいは社会全体をつなぐフェーズに入っていきます。気候変動やそれに対する動きのスピードが速くなっている状況を踏まえ、全社一丸で関連サービスを提供するため2021年10月に新組織「グリーンイノベーション推進室」を立ち上げました。研究開発やCSR(企業の社会的責任)、経営企画、ITサービスの現場など様々な部門からメンバーを結集しています。NTTデータは金融機関の資金移動やキャッシュレス決済など、企業間をつなぐシステムを多く手がけてきました。「つなぐ」ことへの貢献が私たちのDNA。グリーンの分野でも同じ使命を我々が担い、プラットフォームを築きたいと思っています。

「ENERGY CLOUD」は三菱重工業株式会社の登録商標です


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