日経ビジネス電子版 Special
VRデバイスメーカー「Pico」が日本に本格上陸

ビジネス/エンタメを拡張する
「VR」を手軽に体感

一部のマニア向けと思われがちなVRの世界が大きく変わろうとしている。フロンティアを切り拓く存在は、日本に本格上陸を果たした大手VRデバイスメーカー「Pico」だ。最新フラッグシップモデル「Pico Neo3 Link」を体験しながら、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏にVRヘッドセットの今を解説してもらった。

「VRヘッドセット」のリアル

IT・家電ジャーナリスト
安蔵靖志
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。「日経ネットナビ」「日経ネットブレーン」「デジタルARENA」「日経トレンディネット」などを経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。

 ビジネス現場でもニュースでも、「VR(Virtual Reality=仮想現実)」という言葉が当然のように使われているが、現在進行形のリアルに触れている人は、どれくらいいるのだろうか。何となくのイメージで「知っているつもり」「分かったつもり」でいるなら、「ここでリセットしたほうがいいかもしれません」と、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏は言う。

 「コロナ禍ではVRを活用したバーチャル展示会も開催されていましたが、多くの人が抱くVRのイメージは、遊園地やアミューズメント施設のアトラクションではないでしょうか。ヘッドセットを装着して座り、映される映像を見ているだけという印象を持っている人が多い気がします。しかし、現在のVRヘッドセットは別物と言えるほど進化しており、テクノロジーの最前線を手軽に肌で感じられるツールです」

 安蔵氏が挙げた進化のポイントは6DoF、そしてスタンドアロンだ。6DoFは「自由度6」の意味で、VR空間内を前後・左右・上下へ移動できるのはもちろん、それぞれの軸に沿った回転も可能になる。「以前の3DoFではその場で頭、首の向きや角度を変えるくらいが限界でしたが、6DoF化によって投げる、打つ、つかむ、しゃがむなどの動きを、VR空間内でリアルに再現できるようになっています」(安蔵氏)。

 もう1つのスタンドアロンは、PCやベースステーションへ接続せず、ヘッドセット単体でコンテンツ利用が可能な仕組みを指す。6DoFとスタンドアロンによって、大きく進化したVRヘッドセットだが、安蔵氏が今注目するのは、海外大手デバイスメーカーの「Pico」だ。2022年6月24日に発売された最新のフラッグシップモデル「Pico Neo3 Link」によって、本格的な日本上陸を開始。その「Pico Neo3 Link」でのコンテンツ体験を通じて、安蔵氏にVRヘッドセットの最前線を解説してもらう。

最初の1台にふさわしい「手軽さ」と「没入感」

 「Pico Neo3 Link」の構造上の特徴は「2-in-1」モデルという点だ。

 単体でゲームをはじめ様々なコンテンツを楽しめるスタンドアロンと、PC接続によるPC VRの両方が楽しめる「2-in-1」VRヘッドセット。今回は、初心者でも簡単にVRの世界に入っていける手軽さを重視し、スタンドアロンでのプレーを体験してもらった。

 安蔵氏はまず、ゲームをプレー。あらかじめログインした状態であれば、装着からゲームを開始するまで1分もかからない。「PCに接続しなくても、装着するだけですぐVRの世界に入れる手軽さはいいですね」。そう口にしていた安蔵氏だったが、プレーが始まると言葉は途切れる。体を前後・左右・上下に動かしながら、腕を大きく動かすときのシュッという衣擦れ音が小さく響く。しばらくプレーしてヘッドセットを外すと、額にはうっすら汗がにじんでいた。

 「スポーツのコンテンツでボクシングとテニスを試してみましたが、ハマりますね、これは。やはり6DoFの効果は大きく、ボクシングでパンチを避けるときの動きが、自分の感覚にピッタリ追従してくれるからリアリティがあります。パンチも、テニスでボールを打ち返す動きも、普通の家庭用ゲーム機だと“何となく”手を動かしても当たりますが、これは実際に対戦しているつもりで踏み込まないと、うまく当たらないほどリアル。角度、動き、強さ、距離感がVRの世界で再現されているから、自然にのめり込んでしまうはずです」

Pico Neo3 Link

「すごくリアリティのある体験だと感じました」

 6DoFならではのリアリティに加え、4K(3664×1920)の高解像度ディスプレーを搭載し、リフレッシュレート(数値が高いほど高品質なVR体験が可能)は72/90/120Hz。4Kディスプレーを充実の視野角(98度)で楽しめ、広い視野とリアルなステレオサウンドによって、臨場感あふれる没入体験を実現する。PC接続の際は画像圧縮がないため、高品質のPC VR画質でのコンテンツ体験が可能になる。また、スタンドアロンであれば、映画視聴や上半身だけを使うゲームなどは、ソファやベットに座りながら使用することもできる。

 「とてもきれいで、画面の粗さを感じることもありません。リフレッシュレートが高いため遅延やラグが少なく、描写がとても滑らかなところもいいですね。立体パズルゲームも試してみましたが、1つずつ手に持って組み合わせを考えるのは本当にリアル。ゲーム好きだけでなく、いろんな人が楽しめると思います」

Pico Neo3 Link

6DoF対応の「2-in-1」VRデバイス。Qualcomm Snapdragon TM XR2プロセッサ、6GBのRAM、内部ストレージ256GBを搭載。4K解像度、773PPIの5.5インチSFRTFTディスプレー搭載。両手コントローラーもセット内に含まれる。販売価格は49,280円(税込み)。現在、ECサイト(Amazon)及び家電量販店(ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラの一部店舗)で販売中。
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