日経ビジネス電子版 Special
Tokyo Tech International Open Innovation
Symposium レポート
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「大学城下町」で挑む
分野横断的なグリーンイノベーション

大学城下町イメージ
東京工業大学 オープンイノベーション機構(以下、OI機構)は、「Sustainability Transformation(SX)」をテーマとした、最大級の産学連携関係のイベント「Tokyo Tech OPen innovation & venture/research festival (TTOP) 2021」を11月25日~26日に開催。企業経営の視点が、DXからSXへと向かう中、アカデミアとしての貢献について議論した。ここでは初日に開催された国際会議「国際オープンイノベーションシンポジウム」での講演の一部を紹介していく。

世界が期待する東京工業大学の「大学城下町」

吉村氏
一般社団法人
日本経済団体連合会
(経団連)
産業技術本部長
吉村 隆
Luc Van den hove氏
ベルギー IMEC
President & CEO
Luc Van den hove
Richard Dasher 氏
米Stanford大学
アジア・米国技術経営
研究センター長
Richard Dasher
楊氏
財団法人
工業技術研究院
日本事務所
駐日代表
楊 馬田
川上氏
株式会社
先端技術共創機構
代表取締役
川上 登福

 2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、世界中の国や地域の政府・企業・アカデミアがグリーンイノベーションに向けた技術開発とビジネス創出に挑んでいる。

 グリーンイノベーションには、多様な分野の知見や技術、ビジネス手法、価値観を集め融合させるオープンイノベーション創出の場が不可欠だ。大学は、多様な研究分野の研究機関・企業を結びつける機能を備えており、課題解決やビジョンの実現を加速させる立ち位置にいる。OI機構が提供するオープンイノベーションを後押しする数々の制度と仕組みは、まさに時代の要請に応えるものだ。

 それゆえOI機構の取り組みに対する世界の期待は大きい。日本の産業界のコンセンサス形成を担う日本経済団体連合会で産業技術本部長を務める吉村隆氏は、「現在、技術や地政学的環境、企業や消費者のマインドセットなどが大きく変化しつつある。先が見通しにくい環境下での持続可能な社会の実現には、OI機構が提供するイノベーション創出のプラットフォームが欠かせない」と話す。また、世界の半導体技術開発をリードするベルギーIMEC President & CEOのLuc Van den hove氏は、「新たな価値創出に向けて、異分野の技術融合の重要性が以前にも増して高まっている。OI機構やIMECなどが取り組む分野横断的な研究への期待は大きい」と語っている。

 他にもシリコンバレーを彩るあまたの企業を創出した米Stanford大学でアジア・米国技術経営研究センター長を務めるRichard Dasher氏は、「私たちは今、産業革命の真っただ中を生きている。こうした局面では、既存大手企業の持続化戦略、とくに大学をはじめとする外部機関で生まれた技術革新の導入が重要」とした。台湾の半導体産業の発展を先導した工業技術研究院の日本事務所 駐日代表 楊 馬田氏は、「競争力の高い産業の創出・発展には、研究段階からのグローバル連携が欠かせない。OI機構と共に発展することを願う」と語る。そして、技術主導型企業の立ち上げ・再生を支援する先端技術共創機構 代表取締役の川上登福氏は、「イノベーションを事業化するには、創造的破壊を加速させる場が必要。OI機構が生み出す知と技術を中心に据えた自由闊達な『大学城下町』は極めて貴重だ」と締めくくった。