
働き方が多様化する中、従業員の生産性を高め、事業を成長させるためにはどうすれば良いのか。その具体的なDXの手法を提案するのが、ワークマネジメントプラットフォーム「Asana(アサナ)」だ。

パーパス経営を実践する中で、ワークマネージメントツールが果たす役割を考える
コロナ禍でリモートワークが浸透し、人的資本経営に注目が集まるなど、働き方が大きな転換期を迎えています。コラボレーションの質を上げるために、働き方を「どのように(How)」変革するかを議論することが大切です。企業のパーパスを実現するためのツールのあり方を、皆様と一緒に考えていきたいです。
ゼネラルマネジャー 立山 東氏
働き方の転換期を迎えた今コラボレーションの質が問われている
Amazon.com, Inc.など、世界のトップ企業が注目し実践している、仕事管理の新分野「ワークマネジメント」。個別の事案を管理する「プロジェクトマネジメント」ではなく、組織の仕事管理をシステマチックに調整するDX手法だ。
そのワークマネジメントプラットフォーム「Asana(アサナ)」を提供するAsana Japanは、「従業員のインパクトと生産性を高める働き方のDXとは」と題したエグゼクティブ向けの朝食会を開催した。働き方に関する最新データと日本特有の課題を踏まえた上で、ワークマネジメントをどのように実践すれば良いのかを考察。会場には多くのエグゼクティブが参加し、熱心に耳を傾けていた。
Asana Japan
ゼネラルマネジャー
立山 東 氏
冒頭、Asana Japanのゼネラルマネジャーである立山東氏は、働き方が大きな転換期を迎えていると語る。「コロナ禍によって、働く場所の概念が大きく変わりました。そんな中、働きたくなるオフィスをいかに作るかが問われています。そして、部門単位の生産性だけでなく、組織全体の生産性をどう上げていくかも大きなテーマです。また、ビジネスの成果につながる従業員のエンゲージメントを高めることも重要になってきています。経営者はビジョンを浸透させるため、日々努力していることでしょう」。
次に、Asana Asia Pacific & Japan GMのLyndsey Buydos氏は、Asanaが毎年作成する、働き方に対するグローバルレポート「仕事の解剖学」の最新データを紹介。このレポートは、世界のナレッジワーカー1万人以上を調査したもので、そのうちの10%が日本人だという。
「従業員は、60%もの時間を“仕事のための仕事”に費やしていることが分かっています。例えば、無駄な会議やメールのやり取りなどです。つまり人材の生産性を最大化できておらず、競争優位性を確保する上で大きな障害となっています」
Asana Asia Pacific & Japan
GM
Lyndsey Buydos氏
そして、もう一つ分かったことがある。コラボレーション(協力)が進んでいる企業ほど収益性は高いが、その一方でコラボレーションのやりすぎが課題になっているというのだ。
「今、コラボレーションの質が問われてきています。また実行レベルでは、コーディネーション(調整)も重要です。そのため、組織全体の透明性を確保するためのワークマネジメントプラットフォームが必要になってくるのです」(Lyndsey氏)
部下と同僚の仕事の見える化
問題が小さいうちに解決できる
三菱地所
xTECH運営部 運営・ビジネス開発
支援ユニット ユニットリーダー
平口 慶幸 氏
続いて登壇したのは、三菱地所 xTECH運営部 運営・ビジネス開発支援ユニット ユニットリーダーの平口慶幸氏だ。平口氏が所属するxTECH運営部は、ベンチャー企業向けのスモールオフィスを運営しており、2018年からAsanaを利用しているという。IT企業と共同で運営するコワーキングスペース「Inspired.Lab(インスパイアードラボ)」では、カフェ運営、コミュニティー運営も含め4社で協業。全くIT環境が違う4社で情報連携するためには、Asanaのような共通の仕組みが必要だった。
「弊社ではAsanaを活用し、議題や相談したいトピックの見える化を行っています。過去の実績や知見などからテンプレート化することも可能なため、すぐに議題をかけることができています。また別の場所で議論されているタスクも簡単にリンクが貼れるので、転記する必要がありません。情報を一元管理でき、後から修正しても全体に反映することができるため、非常に効率的です」と平口氏は語る。
また業務日報としてもAsanaを利用しているという。「気になることがあれば、すぐに担当者にメンションできるのが良いですね。問題が起きてもすぐに気づくことができるので、問題が小さいうちに解決できるのがとても便利です」。
つまり、Asanaが実現しているのは、部下や同僚の仕事の見える化だ。1on1のミーティングでも、部下がこの数カ月どんな仕事をしてきたのか、すぐに振り返ることができる。「上司が部下に『あの仕事はどうなった』と聞く必要がなくなりましたね。部下は上司に『Asanaを見ておいてください』と言えば良いだけなので、時間の短縮にもつながっています」(平口氏)。
働き方の「How」を考える
やり遂げたいことを実現するツールのあり方
東京海上ホールディングス
シニアデジタルエキスパート 兼 イーデザイン損保 CMO
友澤 大輔 氏
最後のセッションは、東京海上ホールディングス シニアデジタルエキスパート 兼 イーデザイン損保 CMOの友澤大輔氏とAsana Japan・立山氏との対談だ。友澤氏は、イーデザイン損保のDXも含めた働き方改革を積極的に進め、その成果を東京海上グループへと還元してきた。そんな友澤氏に、立山氏は次のような疑問を投げかける。
「働き方の話となると、時間(When)や場所(Where)の議論はあるのに、『どのように(How)』があまり語られていないように感じています」
それに対し、イーデザイン損保では、「費用対効果」ならぬ「苦労対効果」という言葉を使っているという。「事前の根回しなど、苦労の割にリターンが少ない仕事はやめようという話をしています。細かい指示をするのではなく、大きな方向性を示すスローガンを作って浸透させるなど、ツールと『How』を一致させる取り組みを進めています」(友澤氏)。
コロナ禍、リモートワークが浸透していく中で大きな課題となったのが、マネジメントのやり方だ。マイクロマネジメントも嫌がられ、米国型のトップダウンもできない。米国企業のキャリアも持つ立山氏は「とても難しかった」と語る。これに対し、友澤氏が指摘するのは、パーパスの重要性だ。
「組織を前に進めるには、『中心感覚』『方向感覚』『距離感覚』の3つが必要です。中心となるパーパスは組織としてそろえなければいけませんが、方向や距離は変化していくもの。経営側はそれを心配しますが、頻繁に現場に報告を求めてしまってはストレスになってしまいます。この部分を、AIなどでサポートできるようになると良いですね」
実はAsanaは、このAI機能のリリースを予定しており、生成AIが自動で進捗状況を知らせたり、報告書をまとめてくれたりするようになるという。

「報告の自動化は、生産性が上がる大きな要因となるでしょう。ただ、指示したり確認したりするコミュニケーションも、人間関係の構築や人材育成をする上で必要な場合もあります。そのバランスを取ることが、日本型経営につながると思います」と友澤氏は話す。
立山氏もこの意見に賛同。Asanaのようなツールを導入し、DXを進めることがゴールではないのだ。
「やはり、やり遂げたいことがあって、それをどう実現するかが重要です。そのためにツールがあるということを忘れてはなりません。我々も正しい答えを持っているわけではないため、今後も皆様と一緒に、より良い働き方を考えていきたいです」と締めくくった。



