デルタ電子 代表取締役社長 華 健豪氏
PROFILE
華 健豪 [か・けんごう]
1971年生まれ。2001年にデルタグループ入社後、ディスプレイソリューション事業部を統括。2015年、関連会社であるDigital Projection
Group(英国)のCEOに就任。2020年、日本法人であるデルタ電子株式会社の副社長に就任し、社会インフラ事業の統括を務める。2023年5月より現職。
培ってきた技術力で
世界のメガトレンドに注力
日本企業のESGにも貢献
台湾に本拠を置くデルタグループは、1971年の設立以来「革新的かつクリーンで高効率なエネルギーソリューションを提供する」をミッションに掲げ、事業を通じて社会や環境に貢献することを創業の精神としてきました。
電子機器メーカーとして、もとは顧客の要望に応じて設計から製造を請け負うODMから出発しましたが、さらなる成長を図るため、部品から製品、製品からシステム、さらにはソリューションやサービスを提供する企業へと事業転換を続けています。
製品やサービスは主力となるスイッチング電源や冷却ファンをはじめ、パワーマネジメント、電子部品、ディスプレイ、工場の自動化、ネットワーク、再生可能エネルギーソリューションなど、広範囲に及びます。
今後注力する4つの領域で
脱炭素化にも貢献
様々な製品群を土台に、日本市場で今後注力していく領域は4つあります。太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネルギー、工場やビルの自動化ソリューション、EV(電気自動車)関連の製品やシステム、データセンターのインフラソリューションです。
この4つの領域は社会の脱炭素化にも貢献できます。例えば、再生可能エネルギー領域であれば、お客様の敷地内に当社所有の太陽光発電を設置するオンサイトPPA(電力販売計画)により、安価でグリーン電力を導入することができるのです。
工場やビルの自動化ソリューションであれば、再生可能エネルギーや蓄電池などのグリーン電力と空調、照明、監視カメラによるソリューションで、省エネ、省人化を実現します。製造業の国内回帰が進む中で、自動化のシステムの需要はますます高まるでしょう。EV領域では充電インフラの他、当社がこれまで培ってきた技術を生かして、車の部品やシステムを提供します。
データセンターのエネルギーマネジメントにおいては、持続可能な社会の実現にも貢献します。高速化通信やIoT機器の需要増加で電力負荷が高まるデータセンターは、一極集中型ではなく自立分散型にする必要があります。顧客に近いエッジ側にもマイクロデータセンターを構築することで、エネルギーマネジメントが効率化でき、災害時のリスクヘッジも可能になるのです。
社員の失敗は経営の責任
会社一丸で新事業に挑む
4つの領域は、時代の大きな流れの中で成長が期待できる「メガトレンド」です。当社の技術や製品を適切に組み合わせ、ソリューションとしてどう提供するかが重要なテーマとなります。
ODMは受注額も大きく、社員のモチベーションも上がりやすいのですが、ソリューション事業は自分たちがマーケットをプロデュースしなければならず、障壁も少なくありません。お客様やマーケットのニーズをくみ取り、丁寧に実績を積み上げていく必要があります。
そこで、経営者として事業の思いを社内に発信することを心掛けています。同時に売り上げとは別のKPI(重要業績評価指標)を設けるようにしました。社員には変化する、生産性を高める、そしてアウトプットを増やすことを強調しています。
外資系企業ですので、日本でのソリューション事業においてはレイトカマー(新参者)です。市場参入の難しさはありますが、真正面から挑んで失敗しても経営側が責任を取ると伝え、社員の背中を押しています。若い社員を中心にモチベーションが高く、試行錯誤しながら成果を上げています。

売上高を現在の2倍に
日本企業との協業も模索
デルタグループ自体も、長年ESG経営に取り組んできました。2030年までに100%再生可能エネルギーで事業運営を目指す「RE100」に加盟しています。2022年にすでに63%を達成し、計画は順調に進んでいます。
当社のESG経営を土台にして、脱炭素に向けたコンサルティングやソリューションサービスの提供も日本で開始しました。特に地方の中小企業は、危機感を持っていてもESGに関する知見や人材が不足して対応できないケースが見受けられます。当社はカーボンニュートラルに取り組んできた企業として、また価格競争力の面でも強みを持つ製品をそろえるメーカーとして、こうした中小企業に貢献できると考えています。
今後はソリューション事業に注力することで、デルタ電子の売上高を2028年に現在の2倍にすると発表しました。その実現のため、今まで以上に市場に対してデルタ電子の事業内容を発信する必要性を感じています。グローバルの実績を日本でアピールするなど、マーケティングにも力を入れていきます。
日本で同じビジョンや目的を共有する企業との協業、パートナーシップも欠かせません。互いの弱点を補い合ったり、シナジーを生かしたりする関係性を構築していければ、デルタ電子を広く知ってもらう機会となり、市場での安心感につながっていくと考えています。

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