店舗DX特集

兼松

SaaSの総合商社を目指す「Business Co-Creation Center」
兼松、DX支援に本腰
全方位で課題解決に挑む

兼松は「SaaSの総合商社」を目指すべく、ラインアップ拡充に取り組んでいる。事業共創を推進するプラットフォーム「Business Co-Creation Center」を立ち上げた。あらゆる領域のSaaSをそろえ、中小から大手企業まで現場の課題を解決するための環境を整えてきた。このプラットフォームの強みは兼松にワンストップで任せられる安心感にある。

兼松はスタートアップと組み、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の支援に力を入れている。2021年に事業共創を推進するプラットフォーム「Business Co-Creation Center(BC3)」を立ち上げた。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式のソフトウエアを開発するスタートアップとの連携を深め、DXに取り組みたいユーザー企業との間に立つ。

Business Co-Creation Centerの意義

事業共創を推進するプラットフォームとして兼松は「Business Co-Creation Center」を通し、ユーザー企業が抱える種々の課題を解決する

稲岡崇氏

兼松 電子統括室 新事業創造課長の稲岡崇氏。中小企業診断士の資格を有し、スタートアップ企業からの信頼も厚い

BC3を率いる同社の電子統括室新事業創造課の稲岡崇課長は「ユーザー企業はもちろん、SaaSを提供するスタートアップにとってもWin-Winとなるように我々が橋渡しする役割を目指しています」と狙いを話す。

BC3は在庫管理やPOS(販売時点情報管理)レジなど店舗をはじめとした現場でDXに取り組むためのSaaSを各種そろえている。DXを推進したい中小企業から大手企業まであらゆる規模の現場の悩みに応える。様々な悩みを解決するために幅広く商品やサービスを扱うことで「SaaSの総合商社」を標榜する。

無数のスタートアップを見極め
ワンストップで顧客に提供

ユーザー企業が、BC3からSaaSを選ぶ利点はワンストップサービスにある。兼松に相談すれば最適なSaaSを安心してそろえられる環境を作り出している。そもそもSaaS形式のソフトウエアは、必要な機能に絞ることで低価格で提供されていることが多い。ここでBC3のワンストップサービスが3つの側面で役立つ。まず、適切なSaaSの選定だ。在庫管理一つ取っても、多くのスタートアップが参入し、群雄割拠な市場となっている。

どのSaaSが自社にとって最適なのかを見極めることが重要となる。ユーザー企業が選球眼を養うには時間と手間がかかる。その点、兼松はITベンダーと異なり、商社としてユーザー企業と実務に日々取り組む。食料や半導体など様々な業界の業務プロセスに精通している。そのノウハウをもとに最適なSaaSを選び、ユーザー企業に提案できる点が強みである。「商流に最適な情報の流れを提案できます」(稲岡氏)。

BC3が取り扱うSaaSは兼松が厳選し取り扱っている。在庫管理の「KG ZAICO」、POSレジの「KG ユビレジ」、複数のネットショップの在庫管理を効率化する「KG NEXT ENGINE」といったように業界屈指の技術力を誇るSaaSソフトウエアをそろえる。

2点目として、SaaSソフトウエア間の連携に対応していることだ。各機能に特化したSaaSは時に、情報が連携しづらいことがあるといった課題を抱える。兼松のBC3があらゆるSaaSソフトウエアを取り扱うことで、ソフトウエア同士を連携させて新しい価値を生み出そうとしている。

例えばEC(電子商取引)に力を入れようと考えた場合に課題となるのは在庫管理だ。ECと実店舗双方の在庫管理が欠かせない。2つのソフトウエアを組み合わせることでスムーズに取り組める。兼松は「KG ZAICO」と「KG NEXT ENGINE」を連携し、これを実現させた。「万が一トラブルが発生した場合でも、兼松が中心となって問題解決にあたります。バラバラに契約すると、お客様が中心となり解決しなければならず時間も手間もかかります。BC3を活用することでお客様は安心して業務に集中できます」(稲岡氏)。

3つ目の利点が契約の効率化だ。様々なSaaSを組み合わせれば、すぐに業務に必要な情報システムが完成する。ただ各社と契約する分、煩雑で手間が増えてしまう。この点もBC3で一本化できる。

拡大する「兼松SaaS圏」
商社の強み生かし将来は海外も

BC3は、ユーザー企業からも高い評価を受けている。その一社で食肉卸のフーズアイは早くからECに力を入れ、大手モールにおいて人気店を複数運営している。これまで肉を紙で管理していたため、DX化に向けてどう取り組むべきかが課題だった。社内で検討できる手間と運用にかける時間を減らすため、兼松のBC3に任せることにした。本業でも取引があり安心できるという点を評価してのものだ。「KG ZAICO」などを導入し、手間をかけることなく適正な在庫管理を実現している。

BC3は、スタートアップにとっても利点は大きい。スタートアップは技術開発に経営のリソースを割くことが多く、営業が手薄になりがちだ。兼松は幅広い業種と付き合いが深いため、課題にも気づきやすい。大手企業からの提案依頼も多い。スタートアップの商材をただ紹介するだけでなく、最近ではBC3がSaaSを組み合わせることで新たな価値を提供できるようになってきた。

兼松SaaS圏

スタートアップとユーザー企業、双方の成長を後押しする「兼松SaaS圏」。今後さらなる拡大を目指す。同じユーザー企業が複数の異なるSaaSを導入する場合は、ディスカウント価格での提供も検討するという

兼松はSaaS圏を拡大し、製品ラインアップを広げていく。ユーザー企業からのさらなる課題をワンストップで解決するためだ。将来的な展望として、国内市場の次はグローバル展開も見据える。ユーザー企業からの海外でSaaSを活用したい要望にも応えていきたい考えだ。商社の“地の利”を生かし、グローバルへも夢が膨らむ。

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