日経ビジネス電子版 Special

「地域と企業をつなぎ共創するチャレンジ新潟」始動! 豊富な地域資源×抱える課題を成長へのエンジンへと転換

地域のニーズと企業のニーズをつなぎ、地域に企業を呼び込むことで地域活性を目指す取り組み、
「地域と企業をつなぎ共創するチャレンジ新潟」がスタートする。
魅力的なポテンシャルを秘めた新潟で、企業が新たなビジネスに取り組むメリットと意義とは?

地域と共に課題解決に取り組む企業を募集! 地域と企業を
マッチング・ビジネス創出の起点に

2014年、第2次安倍改造内閣によって策定・施行された「まち・ひと・しごと創生法」により、日本における地方創生は本格的にスタートした。以来、地域との接点や連携を成長の起爆剤にしたいと考える企業は増加の一途。地域が抱える課題をビジネスの起点とし、地域の活性化や共創に貢献・参画したい、地方で人材を獲得したいというニーズは増すばかりだ。

一方、地域にとっても企業と連携し、投資を地域活性化の契機としたいという思いは強い。少子高齢化と人口減少という地方特有の課題に取り組むことを糸口として、魅力ある仕事や雇用の創出、さらなる付加価値の向上を企業がもたらしてくれることを、多くの自治体が希望している。

地方は不便さと少子高齢化・人口減少の中で実に多くの課題を抱えている。若年層の流出、ものづくり中小企業や農林水産業の付加価値向上、交流人口の拡大……。

一方、企業から見れば、これは人材の獲得、デジタル技術の活用、新規ビジネスの創出のチャンスともいえる。

このように、地域と企業のニーズは一致しているにもかかわらず、今までに十分なマッチングが生まれているとは言い難い。従来、企業は地縁を頼りに地域のニーズを自己開拓するしかなく、地方からも地域の個性や課題にマッチする企業にアクセスする方法を持ち合わせていなかったからだ。

こうした両者の思いをつなぎ、地域での新たなプロジェクト創出を推進するために立ち上げられたのが「地域と企業をつなぎ共創するチャレンジ新潟」だ。

新潟県が主体となり、まずは市町村が抱える地域課題を募集。その地域課題を深掘りし、地域の魅力や強み、将来ビジョンと組み合わせてブラッシュアップ。そのうえで地域課題を提示し、地域とともに取り組む意欲とソリューションを有する企業を募集する。

この取り組みの最大のメリットは、新潟県が市町村の課題を集約し、スケールメリットを生かして発信することで、より多くの企業とのマッチングが可能となることだ。ある市町村の課題に興味を持った企業が、思いがけず他の市町村の課題を目にすることもある。また、個別の市町村の課題対応ではビジネスメリットに至らなくても、複数の市町村へと合同対応することでマッチングに至る機会も増えるだろう。

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新潟のポテンシャルに
企業と人材が結集
地域からのイノベーション

まず得たいのは「成果よりオープンイノベーションと共創の場、チャレンジすることそのもの」と新潟県産業労働部産業立地課の大淵活朗氏は言う。

「地域の課題は人口減少など構造的な課題に起因し、本質的な解決は難しい。ただ、課題に対して地域と企業が出合い、そこから生まれる取り組みや事業はこれまでとは少し違う魅力的な仕事や雇用を生み出してくれるかもしれない。チャレンジすることそのものが重要で、そこから新しい先進的なビジネスが生まれ、新たな人の流れが生まれる可能性もあると考えています」

新潟県産業労働部産業立地課

大淵活朗 氏

さらに、ビジネスフィールドとしての新潟県のメリットについても強調する。地域課題は日本全国どこにでも存在しているが、突き詰めればどこでも内容はそれほど変わらない。少子高齢化と人口減少の2点に集約されていくのだが、それならば地域が持つポテンシャルを重視して投資先を選んだほうが将来性は大きい。

「農業、ものづくり産業も観光も、新潟県はそれぞれに歴史と伝統があり、すでにブランドとして確立しているケースが多いです。例えば三条市なら金属製品の生産地として世界的な知名度を誇っていて、高い技術を持った町工場がすでに数多く存在しています。こうした町工場がデジタルの力で日本中や世界中の企業や大学とつながることは、さらなるチャレンジを生み出すきっかけになるでしょう」

地域課題一例

新潟市
  • みなとまち。みらいまち。新潟市。企業進出を成長のエンジンに
三条市
  • ものづくり産業の付加価値向上と人材の確保・育成
新発田市
  • オーガニック農業から始まる高付加価値商品の開発と販路拡大
加茂市
  • 全国の人材から、全国の消費者から、選ばれる『加茂市』を目指して
見附市
  • 暮らしたくなる「未来」があるみつけ
上越市
  • 首都圏から一番近い日本海のまち上越市〜地域DXの推進〜
魚沼市
  • 魚沼の沼にハマる!つくる、まなぶ、あそぶ、いきる
南魚沼市
  • トップスノーリゾート南魚沼 観光客周遊プロジェクト
弥彦村
  • 地域課題解決にむけた空資産(空家・空店舗、空農地)バンク再構築プロジェクト
津南町
  • つなんブランドによる持続可能なまちづくり
刈羽村
  • 農×○○で、新しい農村づくりプロジェクト

市町村担当者との課題ディスカッション(新潟県南魚沼市)

首都圏からのアクセスも良好で、東京からのU・Iターンも多く人材は豊富。単にサテライトオフィスを置くだけでなく、しっかりと根を張ってビジネス展開できる下地もそろっている。事実、2022年度には、IT分野に限っても県外23社が新潟県に開発拠点などを進出させている。もちろん、マッチングが成立し事業を展開するにあたっては、新潟県・地元市町村から補助金を含む各種サポートが受けられる。新潟は、腰を据えて地域課題に取り組み、イノベーションを起こすポテンシャルは十分なのだ。

■新潟県企業立地補助金※2023年9月1日時点

フェーズ 支援内容
現地調査 交通費、宿泊費、シェアオフィス賃料など対象経費の100%
オフィス整備 内装・電気工事、PCなど機器類、什器(じゅうき)類購入費、運送費など対象経費の100%
オフィス賃料 賃料×6/10(12カ月間)・賃料×1/5(5年間)
採用経費 新卒、U・Iターン者採用経費×1/5(5年間)
人件費 常用雇用者給与など×1/5(5年間)

新潟県内の市町村の魅力と課題を閲覧できる「地域と企業をつなぎ共創するチャレンジ新潟」のポータルサイトは9月上旬に開設済み。

企業へのテーマ説明会(ガバメントピッチ)を来る9月21日・22日両日13時30分~16時にオンライン開催、9月25日~10月25日にアーカイブ配信を予定している。市町村の担当者がピッチ形式で地域の特徴と産業の現況を紹介し、今ある課題と目指す方向性を示す。市町村から企業に向けて詳細なアピールを行い、企業の事業提案や共創の提案を募る。

さらに今回は、ともに地域課題解決型の産業創出と企業立地に取り組む新潟県と長野県が手を組みテーマ説明会(ガバメントピッチ)を共同開催する。まさに必見のイベントだ。

地域が抱える課題をビジネスチャンスとして捉え、新たな価値を創造する意欲のある企業担当者は必見。課題だけでなく、新潟が持つポテンシャルの高さ、ビジネスフィールドとしての可能性を探り、企業の成長へとつなげてほしい。

新潟市

  • ・新幹線により首都圏と直結、国際空港、国際港湾を擁する本州日本海側最大の拠点都市
  • ・大学・専門学校の集積と豊富なIT人材の輩出
  • ・都心エリア「にいがた2km」へのIT関連企業の集積
  • ・イノベーション拠点施設NINNO・新潟大学を中心とした強固な産官学連携の仕組み
  • ・充実した企業立地支援制度

弥彦村

  • ・年間約250万人の観光入込客数の県内随一の観光地
    越後一宮と称される「彌彦神社」、門前町の温泉旅館街。桜、紅葉と四季の移り変わりが美しい弥彦公園
  • ・特別栽培米「伊彌彦米」と枝豆栽培、新規就農移住者への支援
  • ・金属洋食器をはじめ、ものづくり産業も盛ん(燕市の隣)
  • ・子育てに係る各種無料施策を実施
  • ・サテライトオフィス整備事業に着手

刈羽村

  • ・コメと桃の栽培など農業が基幹産業
  • ・農家に経営・経済的支援を行う「儲かる農業応援事業」など農業支援策が充実。農業法人の紹介が可能
  • ・全国でも他に例を見ない砂丘地で生産される特産品「砂丘桃」
  • ・交流施設、スポーツ関連施設が充実(刈羽村宿泊交流センターピーチビレッジ、サッカー場、新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター、農業ハウス、刈羽村生涯学習センター「ラピカ」、源土運動広場など)
  • ・小さな村であるだけに、「とにかく楽しむ、そして、なんか得する」「みなさんと一緒に考え、挑戦する」をモットー

上越市

  • ・北陸新幹線「上越妙高駅」で東京から約1時間50分直結
    首都圏から一番近い日本海のまち“上越市”
  • ・ITを基盤技術として産業と地域活性化を目指す、デジタル田園都市の取り組みが加速
  • ・中小企業のDX推進に向けた人材育成、官民のあらゆる分野でのDXの推進、IT企業などの誘致・育成への取り組み強化

津南町

  • ・長野県との県境に位置し、千曲川から信濃川へと名前を変える場所。この町に流れる河川によって日本最大規模と称される9段の河岸段丘を形成
  • ・基幹産業は農業であり、稲作、畑作、園芸作物、畜産、林産物の複合経営
  • ・豊富な雪解け水、農林産物(魚沼産コシヒカリ、雪下にんじん、アスパラガス、スイートコーン、ユリなど)が特産
  • ・町ブランディングコンセプト「ゆき みず だいち つなんまち」を通じ津南ブランドの価値向上・他地域との差別化
  • ・探求学習「津南妻有学」が国内で高い評価を得ている新潟県立津南中等教育学校との連携

新発田市

  • ・十万石城下町の歴史的な面影を残す街。城下町が育んだ“和菓子文化”が今も息づく。月岡温泉など観光資源も充実
  • ・良質なコメ、和牛、いちご、いちじく、アスパラガスなど食味に優れた農産物
  • ・コメや米菓、果物などの海外輸出に取り組み、安定した海外販路を有する。オーガニック商品をこの既存販路に乗せて、クロスセル(横展開)
  • ・長岡技術科学大学(農業IT化)などが入居するシェアオフィス「キネス天王」
  • ・オーガニック農業を「市の肝いりの政策」として強く推進

加茂市

  • ・古くから「北越の小京都」とうたわれている風光明媚(めいび)な街
  • ・桐たんす・屏風・組子・建具などの伝統的木工業と電気、機械、金属、ニットなど産業集積。業種間の連携交流による新製品の開発なども活発化
  • ・コメ、ル・レクチェ(洋梨)の生産が盛ん。加工品の開発に前向きな生産者
  • ・市内に大学1校、短大1校、高校3校があり人材の輩出と産学連携に強み

三条市

  • ・高度な金属加工技術を有するものづくり中小企業の一大集積地
  • ・打ち刃物をはじめ、作業工具、木工製品、キッチン用品、大工道具、測定器具、園芸用品、アウトドア用品、リビング用品、住設機器などの分野で企業が活発に活動、さらに、高付加価値製品や新商品開発などに取り組む動きが加速
  • ・地域企業と連携した三条市立大学(工学系の公立4年制大学)

見附市

  • ・新潟県の中央(真ん中)に位置
  • ・住んでいるだけで健やかに幸せに暮らせるまち「スマートウエルネスみつけ」のまちづくりなど、魅⼒的なまちづくりへの評価
  • ・ウォーカブルシティとしての公共交通網が充実
    第1回 コンパクトシティ⼤賞 最⾼賞 国⼟交通⼤⾂表彰(2017年度)
    第5回 プラチナ⼤賞 最⾼賞 ⼤賞 および 総務⼤⾂賞(2017年度)
    2019年度「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」選定(2019年度)
  • ・交通の優位性を生かした企業立地が進展。見附テクノ・ガーデンシティを中心に多様な企業が進出
  • ・道の駅パティオにいがた、みつけイングリッシュガーデン、ネーブルみつけなど観光交流施設が充実
  • ・コシヒカリなどのコメだけでなく、シャインマスカット、にら、栗、サツマイモなど、豊富な栽培品目

魚沼市

  • ・豊かな自然と深雪がもたらす豊富な水、魚沼産コシヒカリ、季節の山菜やきのこ、サケ・アユを代表した川魚など、食の恵みにあふれている
  • ・食や農業体験、自然を生かしたアクティビティ、食品製造業の工場見学、自然を生かしたアクティビティなど、豊富な観光コンテンツ
  • ・埋蔵文化財(火焔型土器)なども観光コンテンツとして利用可能
  • ・行政の支援が充実
    県内No.1の介護・福祉事業者への補助制度、事業者と企業のつなぎ役
    農業者支援(補助金)
    空き店舗対策など行政と連携した取り組み

南魚沼市

  • ・太平洋側と日本海側を結ぶ交通の大動脈が集中し、東京からは約1時間半でアクセス可
  • ・コシヒカリの中でも高い評価の南魚沼産コシヒカリ
  • ・雪解け水が育む日本酒三蔵(八海山、鶴齢、高千代)
  • ・雪、スキー場、温泉、コシヒカリ、日本酒、食など様々なコンテンツ

新潟県「地域と企業をつなぎ共創するチャレンジ新潟」

https://challenge-niigata.com

新潟県企業立地ガイド

https://www.pref.niigata.lg.jp/site/sangyoritchi/

長野県「おためし立地チャレンジナガノ!」

https://challenge-nagano.com