上司と部下のコミュニケーションに、大きな課題を感じる企業が増えている。解決のカギは、1on1ミーティングだ。今、Techツール活用で質の向上を図る動きが加速している。

60年のノウハウとTechツールの力で
上司のマネジメントスキル向上を支援
1on1の質を高め、社員のモチベーションと能力を引き出すには、一人ひとり異なる心理状態や性格をデータで把握することが有効です。当社が60年のノウハウを結集した1on1支援ツールINSIDESを用いて、あらゆる企業の上司と部下がより良い関係を築ける世の中を目指します。
リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部 HRMサービス開発部 INSIDESエンタープライズグループ マネジャー
荒金 泰史氏
上司と部下の関係性が課題に
1on1の質の向上が重要
人事のマネジメントにおいて、企業はどのような課題を感じていますか。
荒金:均質な製品を、早く安く大量に作ることが重要だった時代は、命令系統をしっかりと定め、上意下達型のマネジメントが有効でした。
しかし今はビジネス環境が大きく変わり、イノベーションを起こしていかなければ生き残れない時代です。人的資本経営が叫ばれる中で、社員一人ひとりの自発性、主体性を尊重し、能力を存分に発揮してもらうマネジメントが求められています。
この大きな変化が、現場のマネジャーに葛藤をもたらしています。部下をどうマネジメントしたらよいかわからず、悩んでしまうケースが増えています。
そうした課題を克服するには、何が必要でしょうか。
荒金:ポイントは、上司と部下のコミュニケーションです。指示や命令を中心とする従来の接し方では、自律的に働こうとする部下の成長を妨げてしまうことがあります。上司と部下がお互いの考えを共有し合える、双方向で創発的なコミュニケーションが必要です。
そうした機会は自然発生的には生まれないので、あえてこのような機会を作る「1on1ミーティング」(以下、1on1)が数年前から広く導入され始めました。当社の調査※によれば、すでに7割の企業が導入しています。
※リクルートマネジメントソリューションズ「1on1ミーティング導入の実態調査」(2022年4月)
1on1は、成功しているのでしょうか。
荒金:1on1を始めたものの、マネジャーによってその内容や質に個人差があることが大きな課題になっています。
部下は上司に対して、不満や不安を抱えていても、なかなか本音を言えないものです。それで安心していると、ある日突然、辞表を出されるような「ビックリ離職」につながってしまいます。
上司から見れば「ビックリ離職」ですが、部下の中ではちゃんとした経緯があります。部下の変化を注意深く見守り、悩み始めるきっかけや原因を早期に察知することが重要です。それを実現するのも、1on1の重要な役割です。
上司のスキルアップがカギ
「Techツール」で効果的に
実効性の高い1on1を実現するには、何が必要でしょうか。
荒金:Techツールの力を活用する動きが広がっています。例えば、当社の1on1支援ツール「INSIDES」は、32問から成る心理アンケートによって部下の性格や置かれている状況、課題や不満などを浮き彫りにし、部下一人ひとりに特化したレポートを提示します。
上司はこれを参考に1on1を進めることで、対話の質が格段に向上します。さらに、1on1の記録を残す機能で過去を振り返ることで、次回の1on1をより良い場にすることができます。
上司の面談スキルを向上させる手立てはありますか。
荒金:今年、INSIDESは新たに「e-ラーニング」の機能をリリースします。ここではまず、過去1カ月間の上司とのコミュニケーションについて部下にアンケートをとり、上司のコミュニケーションの傾向を分析します。例えば「雑談はするが将来の話は聞かない」「指導ばかりで部下の気持ちを確かめない」などです。上司一人ひとりの課題を明確にしたうえで、それを補う学習コンテンツを提供します。
どのような学習コンテンツでしょうか。
荒金:1on1の基礎を学べるものと、自身が持つ個別の課題を克服し、スキルアップできるものがあります。例えば、部下のタイプ別に、効果的な接し方を学べます。コンテンツは1つ3~10分とコンパクトで、業務のスキマ時間に取り組めます。
すでに3万人以上が活用
60年間のノウハウの凝縮
INSIDESは具体的にどのような課題を解決しますか。
荒金:例えば、「自律支援型マネジメント」を成長戦略の1つに掲げる中外製薬様は、2020年からINSIDESを全社的に導入し、マネジャーの質の底上げを図っています。また、ミルボン様は2019年からマネジメント研修にINSIDESを活用しています。
INSIDESの基本機能以外でも、マネジャー同士が悩みを相談し合うコミュニティーや、INSIDESの活用に関するセミナーも毎月無料開催しています。情報へのアクセスを厳格にして、部下のレポートを課長や部長、本部長など直属のマネジャー間だけで共有しながら議論できるガイダンスもあります。
INSIDESには、すでに3万人以上(2023年9月4日時点)の管理職の利用者がいます。当社が60年かけて培ってきたマネジメント教育や心理測定の知見が生きています。第13回HR EXPO(2023年9月27日~29日)に出展しますので、ぜひご来場ください。







