データ活用の“シェルパ”となり
企業価値の向上に伴走します
ウイングアーク1st株式会社
執行役員 Data Empowerment事業部長
大澤 重雄 氏
PROFILE
大学卒業後、システム開発エンジニアとして金融や民需のシステム導入に携わった後、2006年ウイングアーク1stに入社。西日本営業部門の統括マネージャを経て、2020年執行役員に就任。2021年よりData Empowerment事業部長を兼任。日経コンピュータ顧客満足度調査2022-2023「データ分析・利活用支援ソフト/サービス部門」において1位獲得へと導く。
( 聞き手:日経ビジネス発行人 北方 雅人 )
組織のデータ活用は5つのレベルで可視化
ー ビジネスのデータ活用、何から始めればよいでしょうか。
何のデータをどう集め、ビジネスに活用したらよいか分からないといった問い合わせが増えています。そこで当社では、組織のデータ活用を5つのレベルに分けて、それぞれが目指す“山”を提案しています。
現場の社員がエクセルやアクセスなどを駆使し、属人的にデータ活用を始めた段階。これをレベル1とすれば、新たな事業やレベニューを生み出せる段階になるとレベル5です。
難しいのは、DXは単なるIT化と異なり、ビジネスプロセスの変革が伴うことです。つまり、DXを成功させるには、実ビジネスとITの両面の知識やノウハウが求められるわけです。
しかし、実ビジネスに長けた人はITに詳しくないことが多く、また、ITに詳しい人は実ビジネスに精通していない場合が多い。この問題が、DXがなかなか進まない背景になっていると思います。
当社のお客様でも、大きく変わっていく企業には、大抵、実ビジネスとITの両方に精通する方がいます。そうした方がキーマンとなり、情熱や思いが人を動かし、大きな成果を生み出しているケースが多いです。
ー レベル5の事例はありますか。
あります。近年、当社はシステムを提供するだけでなく、データを生かした新規事業をユーザーと共に開発する事例が増えています。
当社が協力した成功事例を見る限り、発想のきっかけは「業務のデジタル化」ではなく、「業務課題の解決」にある場合が多いです。
例えば、伊藤忠商事様が提供されている商品企画・開発業務支援システム「FOODATA」です。
食品を流通させるだけではなく、データを生かして顧客の商品開発を支援する仕組みを提供し、付加価値を高めています。

ツールはカスタマイズせずデータで価値を創出せよ
ー 案件ごとにツールをカスタマイズして開発されているのでしょうか。
ツールはカスタマイズしない方が得策です。カスタマイズすると後々、バージョンアップやセキュリティの面で管理が難しくなるからです。
ツールは標準的な状態のまま使い、そこにいかにユニークなデータを集め、新たな価値を創出するかを考えます。
例えば、イオントップバリュ様は当社のデータ分析基盤「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」を導入し、精度の高い需要予測を実現しています。欠品による機会損出を削減し、企業競争力の強化に繋げるよう進めるためです。
データ活用の難しさは、ある企業の成功事例が必ずしも他社には当てはまらない点です。企業によって、コンディションがみな異なるからです。
ユーザー同士が活発に交流ツールを「環境」として提供
ー 御社の強みとは、何でしょうか。
当社には、他社が容易には持ち得ない大きな宝物があります。全国8グループ1227人のユーザーが参加し、熱心な方々が多いユーザーコミュニティ「nest」です。
データ活用という未知の分野に挑む方々にとって、これ以上に頼もしい存在はないでしょう。
そして、お客様からのフィードバックや要望に基づき、汎用的な機能であれば製品の中に積極的に取り入れるという方針で製品を開発しています。この姿勢は10年以上変わりませんが、向き合う中で、変化したこともあります。ヒマラヤの登山ガイド「シェルパ」のように寄り添い、伴走しながらデータ活用のレベルを段階的に上げていくという考え方に改め、データ活用で確実に成功いただける「環境そのものを提供していく」という支援です。
これからは、データ活用からアクションのサイクルを回していくことがますます重要になっていくと捉えています。当社もデータ活用のプロフェッショナルでありたい、という軸はぶれませんが、時代とともにトランスフォーメーションし、お客様と伴走しながら新しい“山”に挑み続けたいと考えています。

ウイングアーク1stが考える「データ活用」の5つのレベル
聞き手:日経ビジネス発行人
北方雅人
1991年一橋大学卒業後、日経BP入社。2017年に日経トップリーダー編集長。22年より日経ビジネスの発行人。企業トップへの取材件数は3000社。
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