日経ビジネス電子版 Special
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グローバル統合システムとして三井化学が採用 ワークデイが実現するジョブベースの人材マネジメント

グローバル統合システムとして三井化学が採用
ワークデイが実現するジョブベースの人材マネジメント
グローバル総合化学メーカーとして知られる三井化学。同社は、「ジョブベースの人材マネジメント」実現に向け、ワークデイの人材管理統合プラットフォーム「Workday」を導入し、2023年に稼働を開始した。グローバルなタレントマネジメントシステムを構築する成功の鍵とは。キーパーソン4人に話を聞いた。

データドリブンで進める
人材マネジメントの重要性

谷崎氏
ワークデイ株式会社
プリンシパル・カスタマーサクセス・
マネージャー
谷崎 勝乃進

ワークデイ・谷崎氏:三井化学様は、コーン・フェリー・ジャパンのコンサルティングとワークデイのサービスを導入し、経営戦略と連動した人材戦略の実効性向上を目指し「ジョブベースの人材マネジメント」を推進されています。

三井化学・小野氏:我々が経営戦略と人材戦略を連動させる重要性を強く感じ始めたのは、2016年です。海外企業の大型買収などグローバル展開を加速させる中、それに合わせた実効性を担保する、中長期的な視点に立った、人材戦略が必要になりました。

 21年には、「VISION 2030」という長期経営計画を策定。財務的な目標だけでなく、10年後を見据えた非財務のKPIも定め、そこからバックキャストして進める経営計画を立てました。

 社会課題解決を全事業に組み込み、全体を変革するには、リーダー育成だけでなく、全グループの従業員を包括的にタレントマネジメントする必要があります。そこで重要となるのが、経営戦略と連動したジョブベースの人材マネジメント。これを「ポジションマネジメント2.0」と名付け、グローバルで共通のジョブを定義し、提供しています。

 これらを実効性高く、グローバルで推進するには、「Workday」のような統合プラットフォームが必要です。今回、グローバル全拠点への導入を決め、23年2月より稼働を開始。当社の「自主・自律・協働」というカルチャーを活かしつつ、グローバルOneチームを組成し、透明性を持った運用を進めています。

コーン・フェリー・ジャパン・柴田氏:ジョブを定義し、各種のアセスメント情報を管理しながら人材マネジメントをしていく。しかし、多くの日本企業はジョブを定義するところで苦労していると思われます。どのような工夫をして乗り越えたのでしょうか。

小野氏
三井化学株式会社
グローバル人材部 部長
小野 真吾

小野氏:実は、一度ジョブ型マネジメントを導入しようとして、失敗しています。かなり緻密なジョブディスクリプションを現場に展開してしまい、メンテナンスができないまま形骸化してしまいました。その反省から、現在では、上位階層には経営戦略に沿ったポジションの役割について明確に言語化するものの、現場レベルでは標準化したジョブ(職務記述書)を定義し、上司と部下がきちんとメンテナンスできる粒度で設定し、管理しようとしています。

三井化学・辻氏:経営戦略に沿って組織・ポジションを設計するので、ポジションマネジメントにおいては、まずロール&レスポンシビリティ(期待役割・責任)を明確にする必要があります。その上で、レポートラインが明確化されれば、おのずと、ジョブは定義され、ジョブが定義されれば、必要なコンピテンシーや経験も導き出される。この順番を守ることが大事です。また、ロール&レスポンシビリティ以外については、自由度を許容し、アジャイルに運用している点がポイントになるでしょう。

Workdayで業務を標準化
従業員の対話を促す設計に

柴田氏
コーン・フェリー・ジャパン株式会社
コンサルティング部門責任者
柴田 彰

柴田氏:一般論では、人材情報を持っているほど有利だと思われがちですが、すべてを管理するのは不可能。どのような情報を管理すれば、ジョブと人材のマッチングがうまくいくのでしょうか。

小野氏:非常に難しく、我々も試行錯誤しています。しっかりと経営レベルを巻き込んでタレントマネジメントできているのはグローバルでも100人ほど。その他は各部門の責任でマネジメントしています。重要なポジションではタレントを手厚く見たほうが良いですが、現場レベルでは上司と部下が対話を通じてキャリアを積める状態が保てれば良い。情報の正しさより、対話ができる設計ができているかどうかが重要です。

辻氏:従業員一人ひとりの自律的な考え方や自発的な行動をいかに促進するかが大切です。データを集めて管理するのではなく、データを登録すると良いことがあると思ってもらうことで、マッチングがうまくいくようになると思います。例えば、Workdayに自分のスキルを入力すると、「このプロジェクトに参加しませんか」というお知らせが届く仕組みがあるのですが、それなら積極的に自分のデータを記入しよう、といったエコサイクルが回り出すと良いですね。

辻 氏
三井化学株式会社
グローバル人材部 タレントマネジメント
&GPAグループ グループリーダー
辻 拓己

谷崎氏:システム的観点からも伺いたいのですが、Workdayを導入した際、ルールや業務の統一など大変だったかと思います。「コアクリーンネス」の考え方をベースに、なるべくWorkdayの標準に合わせて作り込んだとのことですが、どのように進めたのでしょうか。

辻氏:各国各社に要望を聞けば、有象無象の意見が出てきます。まず我々本社側で、業務オペレーションやデータのフィールド定義も含めた標準化を目指しました。例えば、従来は目標設定の評価プロセスを何段階でもカスタマイズできていたのですが、今回はWorkday標準の2段階にするなどです。

 グローバル共通デザインの趣旨を一つひとつ丁寧かつ論理的に説明すれば、必ず、各国各社は理解してくれます。一方、築いてきた信頼関係を基に、譲れるところは譲るなど、そのバランスが非常に重要だと感じています。

プロファイルの可視化で
スキルや知識のシナジー創出

谷崎氏:運用を開始してから、どのようなメリットを感じられていますか。

小野氏:すべてのプロファイルが可視化でき、それらのデータをダッシュボード化して分析できるのがとても便利ですね。従業員のスキルや知識を活用し、シナジーを創出するような、ギグワーク的な試みも始めています。ジョブに基づいた人事をどうやっていくのか、経営戦略と人材戦略をどうつなげていけるのかといった、包括的タレントマネジメントにデータドリブンで取り組める環境が、ようやく整ったと思います。

谷崎氏:このたび、コーン・フェリー・ジャパンとワークデイで、人事・組織制度の戦略設計から人事業務プロセスの実現に至るまで、一貫したサポートを提供するパートナーシップを締結いたしました。今後の期待などございますか。

小野氏:我々は、普遍的なことは、なるべく標準的なものに寄せていきたいという思いがあります。その標準を知る両社のソリューションが連携することで、より効率的な人材マネジメントシステムが出来上がるのではないかと期待しています。

柴田氏:ワークデイとの連携を進めて、その期待に応えられるよう頑張りたいと思います。

谷崎氏:日本企業がグローバルで人材マネジメントの仕組みの構築に苦慮している今、多くの課題をお客様からいただいています。両社が協力しながら、より効果的な運用方法をワークデイで確立し、お客様への支援を続けていきたいと思います。

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